4月版として更新された、インボイス制度に関するお問合せの多いご質問について、5月30日付けで、5月版が国税庁サイトで公表されました。
お問合せの多いご質問については、「38 令和5年10月1日前後の取引に係る適用関係」が取り消され、「130 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置を適用する場合の税額計算」が加わりました。
その他、5月30日更新として、以下の2本が追加されています。
- 問ⓑ 物品切手等を割引・割増価格により購入した場合の仕入控除税額の算出
- 問ⓒ 適格請求書発行事業者における課税事業者届出書の提出
ⓑについては、購入後実際の利用時のインボイスに記載された金額が消費税の課税対象となるべき金額となるため、割引購入の場合は差額が雑収入(課税対象外)、割増購入の場合は差額が経費(控除対象外)となります。
この点については、事例が仕訳例とともに示されていますので、ご確認いただくとよいでしょう。
©については、インボイス発行のために免税事業者が適格請求書発行事業者の登録申請を行い、課税事業者となった後に基準期間の課税売上高が1,000万円を超えることとなった場合、「消費税課税事業者届出書」(選択届出書ではないことに注意)を提出しなければならないのか、についての問答です。
この点については、課税事業者選択届出書を提出している期間内に同様のケースとなった場合でも「消費税課税事業者届出書」を提出する必要はないことと同様に、適格請求書発行事業者=課税事業者であることから、わざわざ「消費税課税事業者届出書」を提出する必要はない、ということが解説されています。
なお、5月31日に国税庁が公表した「令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」によれば、個人事業者の消費税申告について、令和5年中にインボイス発行事業者になった者は197万6千人であり、そのうち期限内の申告者数は174万4千人(約9割)。また、免税事業者からインボイス発行事業者になった者87万5千人のうち、2割特例適用者数は73万4千人と、83.9%が2割特例適用者だったようです。