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作成日:2023/09/08
2割特例用の消費税及び地方消費税の確定申告の手引き 国税庁



インボイス制度スタートまで1か月をきりました。

準備は万端でしょうか。

インボイス制度がスタートすると、申告時に気をつけなければならないのが「2割特例」の適用です。

この2割特例の適用に係る申告の手引きが、国税庁サイトで9月1日に公表されました。

○消費税及び地方消費税の確定申告の手引き(2割特例用)
○消費税及び地方消費税の確定申告の手引き(2割特例用)(PDF/5,114KB)

2割特例を適用できる事業者は、限定されています。

そのため、まずは適用できる事業者なのか否かの判断が必要となります。

仮に適用できる事業者であったとして、2割特例を適用した方が有利なのか否かの判断が必要です。

本則課税の適用者であれば、次のいずれかに該当する場合には、2割特例を適用したほうが「不利」となります。

  • 課税売上げの金額より課税仕入れの金額の方が多い
  • 課税売上げの金額より課税仕入れの金額の方が少ないが、ほとんど差がない(2割特例を適用するよりも納税額が小さい)

また、簡易課税を選択している場合には、卸売業がみなし仕入率90%ですので、通常でしたら卸売業の場合、2割特例を適用したほうが「不利」となります。

一般的には上記のような感じではありますが、実際はきちんと算定して判断をしたほうがよいでしょう。

たとえば、簡易課税適用者が卸売業であっても、たまたま固定資産を売却した金額が大きくて2割特例を適用した方が「有利」となる可能性もあります。結果的に納税額が少ない方がどちらになるのか、どちらも算定した上での判断が確実です。

実際に2割特例を適用して申告書を作成する場合、利用する第一表は、その事業者が本則課税を適用するのか、簡易課税を選択しているのかで異なります。

本則課税の適用者であれば「一般用」を、簡易課税の適用者であれば「簡易課税用」を用います。

あとは申告ソフトの入力を適切に行えば、2割特例を適用した申告書が完成します。

2割特例を適用する場合には必ず第一表の「税額控除に係る経過措置の適用(2割特例)」欄に○が付されているかの確認をしましょう。

なお、2割特例は申告時に選択することによって適用することができます。

逆をいえば、申告時に選択しなければ適用することはできません。

これは、その後の修正申告や更正の請求にも影響します。

つまり修正申告や更正の請求により、『選択した申告→選択しない申告』はできませんし、『選択しない申告→選択した申告』はできない、ということです。

申告時には慎重な判断と申告手続が求められます。


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