2020/03/25 待ったなしの借入金対策
2020/03/18 これで中小企業の事業承継はぐっと進むに違いない
2020/03/11 会計事務所の助言が求められる
2020/03/04 確定申告の期限が延長されたことで……
2020/02/26 こういう時期だからこそ……
2020/02/19 新型コロナウィルスへの緊急融資、緊急措置
2020/02/12 財務の専門家としてサーチャー支援を

待ったなしの借入金対策(2020/03/25)

 セーフティネット保証4号(保証協会による100%保証)による中小企業向け緊急融資策が出てから、中小企業の属する自治体窓口に「保証の認定」を受けるため、中小企業の相談予約が殺到し、予約までの期間が1月以上といった自治体もあるとの報道が相次いでいる。

 認定申請時に必要な書類は

  • 認定申請書(直近の売上高、今後3ケ月の売上高の見込み等を記載)
  • 履歴事項証明書、確定申告書、土地建物の賃貸契約書、許認可証、会社定款等
  • 認定申請書に記載した売上高等の根拠となる書類(試算表、売上計画等)

 これだけの書類を用意するには会計事務所の協力は欠かせない。

 認定書を貰った後も、保証協会の審査があるので、実際の借入金の入金は2〜3ケ月先になることもある。

 手元資金が1ヶ月程度しかない中小企業での実際の資金繰りのひっ迫は、今月末から4〜6月にかけて表面化してくるであろう。飲食業やホテル・旅館、レジャー施設等の現金商売を行っている企業は、2月頭から現金入金が従来の2割から5割程度しかないところも多く、2月3月は売掛金の入金で凌げたが、2月3月の売上が極端に落ち込んだ企業は今後の回収額は当然少なくなり、資金繰りが読めない展開になっているところも多いと思う。

 結果、上記の制度融資に頼ることは必要ではあるけれど、融資金の着金時までの繋ぎ資金を短期で借入即実行可能な提言を行うことも会計事務所の重要な役割になる。

 freeeやMFクラウド、弥生の会計データで与信判断するオンライン融資以外に、三菱UFJ銀行の運営する「Biz LENDING」も注目したい。ここの特徴は

  • 三菱UFJ銀行に一定期間以上の入出金履歴がある口座を保有していること
  • 三菱UFJ銀行に借入残高がない
  • 決算書は不要
  • 専用サイトに代表者の身分証明書を登録すれだけで申し込み可能
  • 最大1000万円まで借入でき
  • 返済期間は元金均等なら6ヶ月、元金一括返済なら3ヶ月
  • 金利は15%未満だが、新型コロナ感染影響の企業には最大4%の金利優遇措置がある
  • AI融資で早ければ申し込みから2日で融資実行する

 今回の新型コロナ感染で、資金繰りに困窮している中小企業は、金利よりも手続き面で簡略かつ超短期での入金実行を一番に求めている。その後、国が支援する制度融資に置き換えることで当座を凌ぐ策が必要だ。

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これで中小企業の事業承継はぐっと進むに違いない(2020/03/18)

 中小企業の事業承継を促進するための弊害として挙げられてきた一つに、「経営者保証の解除」がある。3月10日に閣議決定された「中小企業成長促進法案」では経営者保証解除スキームの概要が公表されている。

 これによると

  1. 経営者交代による承継を行う中小企業者が
  2. 経産省の認定を得ることで
  3. 経営者保証を不要とする信用保証制度を使い
  4. 既存の融資金の借換資金を調達し
  5. 金融機関に既存融資金の返済を行うことで
  6. 実質的に経営者保証の解除を図る

 金融機関に保証解除の相談をしなくとも経産省へ申請をすることで、保証なしの資金調達で保証のある融資金を返済することが可能になる。

 親族内後継者がいる場合に、このスキームを使うことによって承継者の精神的負担はぐっと軽くなり、従来よりも事業承継スピードは上がってくるものと思われる。

 同時に、第三者承継の場合で、事業用資産の買受資金やM&Aによる資金調達においても、経営者保証なしの信用保証メニューも創設される予定だ。

 承継に際し

  1. 売り手は保証が残らず身軽になり
  2. 買い手は保証せずに資金調達できるので重荷の解放になる

 認定支援機関における業務として

  1. 親族内承継支援スキームに上記の経営者保証解除を含めた、一気通貫の支援
  2. 事業再生支援における経営者等個人の保証債務の整理

等が追加されてくる。

 認定支援機関として登録する会計事務所は今後、事業承継ビジネスが益々増加してくるに違いない。

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会計事務所の助言が求められる(2020/03/11)

 新型コロナウィルスの感染による経済への影響が深刻になってきた。

 東京商工リサーチが行った「新型コロナウィルスに関するアンケート」調査(3/2〜3/8実施)によると、回答した企業10,408社中の94.8%が何らかの影響を受けているとし、2月の売上高では前年同月比で80%未満と回答した中小企業(資本金1億円未満)は全体の約2割に達している。

 業種的には卸売、小売、ホテル・飲食等のサービス業のダメージが大きい。

 こうした背景のもと、金融庁は「既往債務の元本・金利を含めた返済猶予等の条件変更について、迅速かつ柔軟に対応すること」を、各金融機関に要請するとの談話を発表した。

 7年前に終了した金融円滑化法が事実上復活することになる。同時に昨年3月で廃止した「貸付条件の変更実施状況の報告」を各金融機関に求めることになった。

 取引先からのリスケの申し込みに応じるかどうかは金融機関の裁量に委ねるとされていたものが、リスケの申込・実行・謝絶件数の報告を求めるとされてくるので、借り手サイドは当面の資金繰りを見ながら、今回の危機を脱した以降の返済計画も再度検討して、必要であればリスケを申し込む機会を得られる。

 とは言え、地銀の体力も衰えてきているので、一時的に資金ショートはするが中長期的には回復すると見込まれる中小企業・小規模事業主には、既往債務の条件変更も含め100%保証のセーフティネット融資も加味して対応すると思われるが、リスケに応じても回収の見込みがないと判断されれば、いかに緊急事態であろうとも「謝絶」もありうる。

 経営者の姿勢、やる気、今回の危機を乗り切った後の経営改善計画等を金融機関に丁寧に示すことが求められるだろう。会計事務所の助言が求められる。

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確定申告の期限が延長されたことで……(2020/03/04)

 2月28日、経産省から「新型コロナウィルス感染症に係る中小企業対策としてセーフティネット保証4号の指定」が報じられた。

 セーフティネット保証4号は、台風19号や熊本地震のような大災害の発生によって資金繰りに困窮する中小企業への支援措置である。

 セーフティネット保証4号の特色は

  • 一般保証枠とは別枠で最大2.8億円までの保証付き融資が受けられる
  • 保証協会と金融機関の責任共有制度対象外で協会が100%保証を行う
  • よって金融機関は回収リスクを負わないので貸し付けが行いやすい

 この融資を申し込める条件は

  • 1年以上、継続して事業活動していること
  • 災害の影響を受けた直近の売上高等が、前年同月比で20%以上減少していること
  • その後2ケ月を含む3ケ月間の売上高等が、前年同月比で20%以上減少することが見込まれること

 この融資を申し込む手順は

  • 事業所の存する自治体が発行する第4号様式の認定申請書に記載
  • 自治体で認定を貰う
  • 融資を受ける金融機関若しくは保証協会に認定書を持参して審査を受ける

 今回のセーフティネット保証4号は、全国47都道府県全てで実施され、業種に関係なく売上が20%減の顧問先全てに使えるものであり、希望者が殺到するものと思われる。

 会計事務所は確定申告の納期が1月延長されたこともあり、当面は顧問先の資金繰り対策に集中すべきだと思う。

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こういう時期だからこそ……(2020/02/26)

 新型コロナウィルス感染も、市中感染の段階に入ってきたようだ。

 所得税の確定申告、3月決算法人の法人税申告等、会計事務所で最も業務負荷のかかる時期に感染流行期が重なることになりそうだ。

 既に通勤混雑時間帯を避けて、10時出社を顧問先に通知する事務所や、テレワーク勤務者の採用告知を行う事務所も急増しているようだ。

 今回の所得税確定申告において、所内で担当者の感染及び顧問先が感染といった緊急事態に陥ったと仮定して、議論すべきことを掲げてみると

  • 資料収集や相談事で訪問対応が必須の案件かどうか
  • 資料収集の方法で他の手段がないか
  • 担当者でしかその申告業務ができないのか
  • 在宅で事務所のPCにリモートアクセスして対処できないか
  • 提出書類の期限延長申請のやり方、書式の研究
  • 緊急時に応援を依頼できる人物の特定・連絡方法

 税務署もスマホ申告等のアピールを強化し、来場以外の申告を促している昨今なので、顧問先とのコミュニケーション方法の在り方を問うてみる良い機会にもなるかもしれないので、

  • LINE等で質問、回答、スマホ写真での資料回収をお願いしてみる
  • テレビ電話機能を利用して相談内容を確認してみる

 会計事務所も、感染者は出さないという方針のもとに、顧問先の理解を得ながら、忙しい時期だからこそ集中して従来式の働き方から変えていける「実験」ができそうだ。

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新型コロナウィルスへの緊急融資、緊急措置(2020/02/19)

 新型コロナウィルス感染症の拡がりによる中小企業経営への影響が深刻になってきている。

 直接的には、中国関連の売上依存の高い業種で、一時的に売上高の急減があった中小企業・零細企業に、厚労省から2つの緊急的措置が公表された。顧問先企業に周知して、対策を取ってもらうよう呼び掛けることが会計事務所の忙しい時期ではあるが重要な責務だ。

(1)雇用調整助成金の特例の実施(主たる要件)

  • 中国関連の売上高が10%以上ある中小企業が対象
  • 休業等計画届が事後提出(令和2年3月末)でも構わない
  • 最近1ヶ月の売上高が前年同期比10%以上減少している

(2)衛生環境激変対策特別貸付制度の実施

  • 対象となる業種は飲食店・喫茶店・旅館
  • 運転資金として飲食店・喫茶店は1,000万円、旅館は3,000万円まで融資
  • 貸付期間7年、据置2年
  • 利率(日本政策金融公庫の基準金利、1.11%)
  • 令和2年2月21日から実施

 一方、各自治体でも大幅に経営環境が悪化し、災害対策的な意味も含め「緊急融資」の概要が相次いで発表されている。条件等概要の項目のみ拾うと

都道府県名 現在の売り上げ状況 融資限度
大阪 有料課金ユーザー数 8,000万円
静岡 同上かつ今後3ヶ月売上予想も10%減 5,000万円
愛知 直近1ヶ月が前年同期比3%以上減 8,000万円
奈良 直近1ヶ月が前年同期比5%以上減 5,000万円
兵庫 最近3ヶ月売上が前年同期比5%以上減 10,000万円
京都 直近1ヶ月売上が前年同期比10%以上減 8,000万円

 このように趣旨は同様でも対象となる条件が自治体により多少異なる。顧問先の属する自治体の広報で確認して早急に対処することが肝要である。

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財務の専門家としてサーチャー支援を(2020/02/12)

 親族内承継が困難な企業の後継者の発掘には、当該企業の従業員から選抜するか、人材紹介会社等からの紹介に頼るかの選択になるが、最近はサーチファンドの動きが注目されるようになってきた。

 サーチファンドとは

  1. 社長となって企業経営を行いたい若者(サーチャー)が
  2. 承継先企業をサーチするにあたり
  3. サーチファンドから一定期間、給与や候補企業のリサーチ費用を投資してもらい
  4. 承継先企業との間で買収の交渉を行い
  5. 買収が決まればサーチファンドから投資を受け
  6. 買収先企業の価値が向上したところで、様々なEXITでファンドに還元する仕組み

 若者が社長になるには、企業に永年勤続して出世の階段を走るか、スタートアップで起業するしかないが、サーチファンドで社長候補としての投資対象者となれば、ファンドの構成員である金融機関等のネットワークを使って、一定期間、生活リスクを取らずに買収先企業の発掘に力を注げる利点がある。

 山口フィナンシャルグループと女性コンサルタントが代表を務めるジャパン・サーチファンド・アクセラレータ(JaSFA)がサーチファンドを立ち上げ、現在、数名の社長候補に投資をしているそうである。中国地方や九州の一部を地盤にする山口FGの融資先で事業承継を検討する企業に対し、サーチャーが承継後の事業計画を示し、投資に値するものかどうかを決める。投資後の助言もJaSFA等が行い円満な承継に関与するそうだ。

 地方の中小企業にとって経営力のある(と、ファンドが認める)若者が承継し、経営改善及び新規事業の取り組みに力を発揮すれば、地方での雇用も守られ、新規の人材採用面で若者を地方に呼び込む可能性も秘めている。

 会計事務所も顧問先の事業承継対策として今後増加するであろうサーチファンドと連携して、財務面での専門家としてサーチャー支援を行えば、地域での専門家として貢献できるのではないか。


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影山勝行経営フォーラム
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