2019/01/16 確定申告で即日融資の準備をしておく
2019/01/09 2019年の事業トレンドを見るには…
2018/12/26 仕組みを知っておかないと自動同期も負担増になる
2018/12/19 納税者倍増時代の相続税の税務調査
2018/12/12 税理士法人の経営統合
2018/12/05 年末に資金ショートしたら…
2018/11/28 財務諸表の見方の勉強になります


確定申告で即日融資の準備をしておく(2019/01/16)

 会計ソフトの弥生の子会社のアルトアが、オンライン融資を2017年12月にスタートさせて1年が経過した。スタート時は法人のみを融資対象としていたが、昨年12月10日より個人事業も融資対象としてサービスの拡充を行った。

 弥生の岡本社長の話によると、1年間の融資実績(法人融資)は

 @ 実行件数     257件
 A 融資累積額    4億6百万円
 B 承認率平均    60%
 C 1件当融資額    158万円

 当初の目標からは半分未満の実績だったようだが、サービス開始後前半の半年で、実行件数が約50件、後半の半年で200件超だった模様。弥生を使う会計事務所のオンライン融資サービスの認知が、小規模法人事業者を動かしたのかもしれない。

 今年から、犯罪収益移転防止法の改正を受け、本人確認のネット完結が実現するようになる。スマホで本人の写真と本人写真が写った身分証のデータを送信することや、デジタル身分証のようなものをサービス事業者が提供することで、本人確認を完結させる。アルトアも今春から本人確認のネット完結を予定しているようなので、初めてアルトアで融資を受けたい事業者(法人・個人)も、即日の融資が可能になってくることが期待される。

 融資条件は
  1. 無担保・無保証
  2. 融資上限 300万円
  3. 金利 2.8〜14.8%
  4. 返済期間 1年
  5. 1期以上の会計データをアップロード
 アルトアにログインして「事業状況確認書」というページに進むと、前年実績(売上 売上原価、経費等、差引額、期末借入残高)が会計データから自動集計され、今年度見込、来年度見込額を手入力すれば融資審査資料になる。

 個人事業主の確定申告がこれから本番に入る。2018年度の会計実績を弥生で完成させておけば、短期少額ではあるがいつでも「即日借入」という経営資源を事業主は手に入れることができる。


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2019年の事業トレンドを見るには…(2019/01/09)

 昨年6月に閣議決定された「未来投資戦略」は、時価総額10億ドル以上の未上場ベンチャー又は上場ベンチャーを2023年度までに20社創出することを目標として掲げた。その第一弾として、約1万社近いスタートアップ企業から92社をスタートアップの「特待生」として選定し、海外支援・規制緩和・各種補助金等の支援を官民挙げて徹底するとぶち上げた。

 フォースタートアップス(株)が運営する「startup DB」のサイトを覗くと、現在8,859社のスタートアップのデータベースが掲載されている。社名、企業紹介、サービス内容、資金調達額、従業員数等の情報が無料で閲覧できる。約25分類に区分したカテゴリー検索や、更なるサブカテゴリ―検索で、関心のあるスタートアップの情報が入手できる。

 資金調達の大半は第三者割当増資で、2018年の1年間での調達額を見ると、10億円超の調達を実施したのが91社、5億円以上だと173社、1億円以上で見ると437社、1億円未満の調達実施が254社だった。

 「行政・法律」カテゴリーには、上場した弁護士ドットコムやリーガルテック系のスタートアップが多いが、ユニークなサービスを行っているところもある。

 東大出身で小説家でもある起業家が設立したグラファーというスタートアップは「「法人登記簿謄本取り寄せシステムサービス」を開発運用している。わずか1年余りの運用で利用者数が1,000社超えているという。WEBからカード決済で謄本郵送なら2〜3日で指定場所に届き、1通の手数料が961円、謄本をPDFでなら当日取得で1,393円の利用料でサービスが受けられる。

 代表者がFPの「FP-MYS」が行う相続前の資産共有サービスには、被相続人から相続人に宛てた「遺言型音声メッセージ」があり、60秒間のレコーディングサービスを行っている。

 ちょっとしたアイデア・知見があれば、スタートアップの際に資金面・人材採用面・大手企業への繋ぎ等の支援が想像以上に受けられる社会環境ができつつある。既存事業体もこうしたデータベースを活用して、自社とWIN-WINの関係構築も可能になってきた。


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仕組みを知っておかないと自動同期も負担増になる(2018/12/26)

 個人事業主の確定申告に備え、年間の会計帳簿を固める時期に入った。クラウド会計ソフトを使い、各種金融機関の入出金データやネットショップでの商品購入明細のデータを同期することで仕訳入力の負担軽減になることは、会計事務所も個人経営者も体験済であろう。

 クレジットカードでの購入明細データは請求額が確定してからしか同期取得できなかったが、freeeも11月からは一部のクレジットカードであるが、請求額が未確定の段階でもリアルタイムに明細取得できるようにシステム改善がなされた。これにより、月末での債権債務の確定処理がスムーズになることは間違いないだろう。

 Amazon、楽天、ASKUL等のネットショップでの購入明細も同期取得できるようになっている。クレジットカードでの支払明細に「Amazon利用」とあり、同期しても勘定科目の設定はできないが、Amazon側の購入明細データを取得すれば購入した店名や品目が取得できるので、クレジットカード+Amazonの明細データを連携することで仕訳の自動化が更に進む。楽天やASKULの明細も、同様に同期しておけばよいことになる。

 最近はネットショップでの購入に自社ポイントやギフトカードが利用されることが多くなり、注文(予約)時の代金、商品出荷時の代金、決済したクレジットカード会社への通知する代金等が表示されることがある。同じ商品の購入に代金が異なる事態が生じるのだ。購入明細を同期取得するタイミングをショップごとに理解しておかないと、残高の確定等に手間がかかることもありそうだ。

 取引行為が多くなって、提携先のポイント使用やキャッシュバック等のイレギュラーな内容も重なってくることも考えると、複雑に連携したデータの取得も要注意となろう。


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納税者倍増時代の相続税の税務調査(2018/12/19)

 平成29事務年度の相続税調査状況が公表された。基礎控除の引き下げがあった平成27年の相続申告を中心にした改正後初めての税務調査の実態が見て取れる。

 平成26年中の死亡者数は約127万人、相続税の課税対象となった被相続人数は約56,000人なので、死亡数に対する課税対象の割合は約4.4%。平成27年は同様に死亡者数が129万人、課税対象の被相続人数は約103,000人なので、課税対象の割合は約8%となり、改正前のほぼ倍となった。

 被相続人数が倍増したことによる税務調査の状況がどう変わったのかを見ると


  平成28事務年度
(H26年申告中心)
平成29事務年度
(H27年申告中心)
被相続人数 56,239人 103,043人
実地調査件数 12,116件 12,576件
実地調査割 21.60% 12.20%
簡単な接触件数 8,995件 11,198件

 納税者は倍増したが、税務調査の実地件数はほぼ半減した。過去は「相続税の調査は5人に1人」と言われていたが、今後は「10人に1人強」となりそうな感じである。税務署員の増員がない状態ではやむを得ないが、実地調査の件数不足をカバーするのが「簡易な接触」調査であろう。全国的には前年比124%であった。

 「簡易な接触」件数を全国の主な国税局単位で見ると


  平成28事務年度 平成29事務年度 前年比
東京国税局 2,222件 2,359件 106%
大阪国税局 1,471件 2,096件 142%
名古屋国税局 1,322件 1,363件 103%
福岡国税局 362件 587件 162%

 「簡単な接触」による調査は、相続税の無申告者と思われる対象者に対して書面照会を行い自発的な期限後申告を促したり、実地に赴かないで電話や来署依頼で調査すべき問題点等を指摘することで、実地調査の補完の役割を果たしている。税務署には自治体からの死亡情報、固定資産情報、KSKシステムによる過去の納税情報等が集まってくるので、今後、AI導入等で更に精度の高い「簡易な接触」調査が増加すると予想される。

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税理士法人の経営統合(2018/12/12)

 国税庁の法人番号公表サイトで「税理士法人」として法人番号が付与されている数は、平成30年12月時点の累計で4,018件(登記閉鎖除く)、平成30年1〜12月の法人番号付与件数が273件、同様に平成29年は274件、平成28年は289件となっている。日本最大の新宿に本拠を置く税理士法人の国内支部数は64支部に達し、顧問先数は約12,000社に及ぶ(同社HPより)。

 税理士法人は個人事務所が法人化するケースが一般的であるが、平成30年の特徴の一つに税理士法人の「経営統合」が挙げられよう。中でも注目なのは、仙台に拠点を置く会計法人と山形に本部を置く税理士法人が経営統合し、社員数130名の東北最大の税理士法人になったことだろう。

 税理士業は地域密着ビジネスの最たるものであるが、地方ほど少子高齢化で事業所数は減少し、働き手も少なくなっている。一定の規模拡大によって提供するサービスメニューを増やしたり、IT武装で業務効率化を図ったりするなどして、経営強化をしなければならない。この統合後の税理士法人の採用ページには「RPAソフトの開発者求む」とあり、既に事務所内にてRPAを導入し、顧問先の業務支援ツールの提供も予定しているようだ。これも「経営統合」のメリットの一つなのかもしれない。

 今年の7月には東京・横浜の5つの個人事務所が合併して税理士法人化をした。記帳・申告代理を主に求む顧問先、創業・成長期に会計コンサルを望む顧問先、IPOを視野においた顧問先等、各社が統合することで多様なサービスメニューをアピールするメリットがあった。更に社会保険労務士や行政書士が合流してワンストップサービスの実現を狙い、個人事務所では不可能なことが「経営統合」で可能になった。

 今年の4月には愛知県の地方都市に拠点を置く税理士法人が、東京の老舗の税理士法人と経営統合した。本部設置も新理事長選出も地方都市に拠点を置く税理士法人主導のようなので、事業承継を含んだ経営統合の形でもある。この事業承継型の経営統合も今年は多く、この流れは今後更に勢いを増していくだろう。


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年末に資金ショートしたら…(2018/12/05)

 年末を迎え、小規模事業者等は資金繰りを慎重に検討を要す時期に入った。特に大口の回収予定の金額の遅延とか、検収を要する売り上げで取引先での検収が遅れたりで入金時期がずれたりすると、外注費や賃金・賞与等の年末に支払うべき金額の確保が困難になることもある。こうした際にメインバンクのフットワークで短期融資を確保できる事業者は良いが、創業間もない事業者、前年赤字決算の会社等はこうしたフットワークは望みにくい。

 会計ソフトの弥生の子会社であるアルトアのオンライン融資、リクルートの子会社が行うパートナーズローン、マネーフォワードやfreeeの会計ソフトと連携した融資、Amazon等のECサイト専用のレンディング融資は「非対面式融資」という共通項を持つ融資だ。従来の銀行が求めた財務諸表提出の必要がなく、最短で即日融資といった利便性を訴求していることも共通の特徴である。但し、こうした恩恵を受ける事業者は、既に「本人確認」を済ませたオンライン融資の体験者に過ぎない。

 「本人確認」はネット上でスマホ画像を送信するなどの「本人確認申請」は出来るが、金融機関やオンライン融資事業者は申請書に記載のあった住所宛に取引に必要な書類を「転送不要郵便物」として送って本人確認の完結がなされていたので、ネットで申請しても郵便物で数日かかる。そのため、オンライン融資を初めて行う利用者にとっては、結構ハードルの高いものになっていた。

 11月30日から犯罪収益移転防止法の施行規則が改正され、オンライン融資事業者等が提供するアプリを用いて「現在の顔写真+運転免許証などの身分証」をスマホで送信することで「本人確認」を終結することが可能になる。

 年末に予期しない資金ショートが生じた際に、早ければ申込日に短期融資で乗り越えることが出来るようになる。会計ソフトを扱う会計事務所の顧客へのサービスにも繋がる。


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財務諸表の見方の勉強になります(2018/11/28)

 札幌証券取引所に上場するライザップグループが11月14日に中間決算を発表し、2019年3月の営業利益予想であった230億円を下方修正し、通期業績予想を▲33億円とした。株式市場は連日の売り気配で反応し、最安値248円(株式分割後)をつけた。同社は今年6月に公募増資を行い(公募価格1637円)、7月には1→2の株式分割を行っているので、分割後調整価格で言えば約820円で公募で株を買った投資家は半年も経過しないうちに最大600円近い含み損を抱えることになった。

 同社の有価証券報告書はIFRS(国際財務報告基準)で作成されていて、日本基準との最大の違いの一つに日本基準で言う「営業外収益」や「特別利益」がIFRSでは「その他収益」として「営業利益」に含まれる様式にある。
 同社の2018年3月期の決算短信を見ると、「営業利益」が136億円の中に「その他収益」として98億円が含まれている、これが「負ののれん」と言われる同社が買収した企業の「純資産ー取得額」の差額が「その他収益」として計上されている。

 同期のキャッシュフロー計算書(連結)を大まかに見ると、営業キャッシュフローが税引前当期利益が120億円から始まって在庫増で▲15億円、売掛債権増▲45億円、その他で▲76億円(「その他収益」と「その他費用」の差額)で営業CFは8,760万円にすぎない。貸借対照表では有利子負債として短期で335億円、長期で431億円、合計で766億円の借入金がある。1億円に満たない営業CFでどう返済していくのであろうか。その方策の一つに使われたのかは定かでないが6月に実施された公募増資であろう。時系列で経過を見ると
  1. 5/15 決算短信発表、2019/3月期の営業利益230億円と予測
  2. 6/14 公募増資により355億円の調達
  3. 7/27 1→2の株式分割実施
  4. 11/14 中間決算で2019/3月期の営業利益▲33億円の下方修正
  5. 11/15〜 株式市場で売り気配
 意図的に仕組まれた増資ではないと思うが、財務諸表を見るときには損益計算書の利益額とキャッシュフローが整合性あるものか、しっかりとチェックする必要性を改めて感じさせた事件でもあったようだ。


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影山勝行経営フォーラム
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