2020/07/08 新たな「顧問」形態の模索
2020/07/01 7月10日からスタートします
2020/06/24 顧問先担当者は地銀の不良債権の状況を知っておくべき
2020/06/17 Zoomが会計事務所のあり様を変える
2020/06/10 社長を探すお手伝い
2020/06/03 コロナ禍での銀行の貸付条件変更の具体事例
2020/05/27 非対面サービス時代にはMyKomonが欠かせない

新たな「顧問」形態の模索(2020/07/08)

 コロナ禍での企業倒産について、前年同月比で毎月10%以上の伸びが当然のような指標が出ている。

 調査会社大手の帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)の公表されている倒産状況を見ると、

TDB

  1月 2月 3月 4月 5月
件数 713 634 744 758 288
前年同月(%) 2.7 2.3 14.3 16.4 -55.6

TSR

  1月 2月 3月 4月 5月
件数 773 651 740 743 314
前年同月(%) 16.0 10.7 11.7 15.1 -57.7

 5月度は弁護士事務所や裁判所等もコロナ禍で業務縮小に入っており、法的整理手続きが滞留した結果の低い数値と推測され、次月以降に倒産件数として上乗せされてくると思料される。

 TDBが7月3日に公表した「新型コロナウィルス関連倒産」のデータを見ると、今年の発生から5月末まで(実質2ヶ月)で211件あり、6月だけで99件の倒産が見られる。暫くは月間で100件近いコロナ関連倒産が続くだろう。同時にこの数倍のペースで廃業数も増加していく。

 一方、新設法人数のデータを法人番号公表サイトで検索すると

  令和2年1-3月累計 令和2年4-6月累計 対前期比(%)
全国 30,760 27,567 89.6
東京 9,847 7,888 80.1
大阪 2,972 2,660 89.5

 企業も登記関連手続きサービスの自粛期間が続いた4-6月期は、全国ベースで約1割の新設法人が減少、中でも5月は今年1月の新設法人数11,213社に対して7,914社(1月比70%)と低迷していた。

 コロナ禍で3月頃から飲食・宿泊を中心に倒産・廃業の影響が出たが、今後は自動車・航空機で減産が続く見通しで、下請けの中小部品メーカーの苦境が見て取れる。

 会計事務所の基本の収益構造は「顧問先件数」×「顧問料」である。顧問料の増額がしばらくの期間見込めない中、開業数減・倒産廃業急増という環境下で、新たな「顧問の在り方の追究」を模索しなければならない。

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7月10日からスタートします(2020/07/01)

 自筆証書遺言の法務局(全国の本局・支局)での保管制度が7月10日からスタートする。保管申請の予約受付は7月1日からだ。

 公正証書遺言の作成は年に約11万件くらいだが、費用が10万円前後とコストがかかるのと証人2名を用意しなければならない不便さがあった。

 一方の自筆証書遺言は、従来の決まりだと裁判所の検認手続きが必要だったのと、どこに保管されているのか相続人間でも不明なケースもありトラブルの種になりえた。

 今回の自筆証書遺言保管制度が運用されることにより

  1. 財産目録はパソコンで、遺言内容は自筆で作成しておき
  2. 最寄りの法務局に遺言者本人が出向いて保管の申請をし
  3. 遺言書の保管所及び保管番号が記載された保管証を受け取り
  4. 相続人等に保管証の存在を明らかにすることで
  5. 遺言者の没後、相続人等が保管された法務局で遺言書の原本の閲覧ができ
  6. 相続人等の最寄りの法務局で保管された画像データの閲覧も可能になる
  7. 遺言内容を改変したい時には返却を受け、再度、改変した遺言書の保管申請を行う
  8. 特定の相続人が遺言内容の開示請求を行うと、他の相続人にも「保管」の通知がくる
  9. 遺言書の様式や書式も法務局のホームページでダウンロードでき
  10. 財産の内容が複雑でなく、遺留分等の一般的な相続に関する注意事項を指導すれば
  11. 一般人でも容易に自筆証書遺言の作成を行い
  12. 保管申請のコストも3,900円で足りる

 この制度の欠点は、公正証書遺言のように公証人が出張して遺言者の意思確認するのではないという点。遺言者が最寄りの法務局まで出向いていける体力があれば、相続に関する知識や経験のある専門家の助言を仰ぐことで、自筆証書遺言の普及に繋がってくるのだろう。

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顧問先担当者は地銀の不良債権の状況を知っておくべき(2020/06/24)

 全国64行ある地銀の2020年3月期の決算状況が出揃った。全国地方銀行協会のホームページに掲示された地銀各行別のリスク管理債権が、過年度分も含めてデータ化されているので、10年前(2011年3月期)との比較において現在の銀行が抱えるリスク管理債権の問題について検討してみた。

○64行の全体像

項目 2020/3月期 2011/3月期 比率
貸出金 約220兆円 162兆円 135%
リスク管理債権  3.7兆円 4.9兆円 75%


 この10年で貸出金は地銀全体で35%増加したがリスク管理債権は25%減少した。因みに2018/3月期のリスク管理債権は3.3兆円だった。


 一方、各行別のリスク管理債権の状況を見ると10年間でリスク管理債権が半減している地銀と逆に増加している地銀が複数行見受けられる。

○リスク管理債権が半減以上している地銀

地銀名 2020/3月期 2011/3月期 比率
八十二 777億円 1624億円 47%
静岡 920億円 2284億円 40%
京都 661億円 1438億円 45%
大分 427億円 880億円 48%

○リスク管理債権が増加している地銀

地銀名 2020/3月期 2011/3月期 比率
群馬 1071億円 913億円 117%
鹿児島 765億円 592億円 129%
琉球 423億円 212億円 199%
沖縄 203億円 197億円 103%

 大半の地銀はこの10年間でリスク管理債権を減少させてきたが、一部の地域銀行では10年前よりも増加させている、中でも特徴的なのは「貸出条件緩和債権」が急増している地銀だ。特に沖縄の2行では顕著である。コロナの影響が他の地域よりも早くビジネス界に生じて条件緩和を求めた企業が多かったと思える。

 今後、地銀各行は条件緩和債権が急増し、同時に与信コストが地銀の体力を奪い、待ったなしの地銀統合2幕が始まるだろう。

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Zoomが会計事務所のあり様を変える(2020/06/17)

 Zoomを税理士事務所と顧問先との非対面コミュニケーションツールとして、前面に掲げる事務所が急増しているようだ。「Zoom 税理士」で検索すると、所謂大手事務所よりも、職員数で一桁人数程度の事務所のアピールが強烈だ。

 更に彼らのホームページには、顧問先がZoomにログインする方法を画面付きで紹介するページを先頭に持ってきているところが多く、Zoomで何ができるかよりも、Zoomでご相談に乗ります、先月の試算表の説明をします…とZoom導入前提で訴求しているのが印象的である。逆に言えば「Zoomを使える事務所」を探している中小企業者が増えている証なのかもしれない。

 Zoomの特徴は

  1. 複数人で可能なweb会議システムで会議の録画システムもある
  2. 事務所側がZoomを導入していれば、顧問先は送られたIDでログインするのみ
  3. お互いに顔を見て面談してもオフで面談も可能
  4. 画面共有の機能を使って試算表や決算検討書を見せながら説明できる
  5. 顧問先が使用する会計ソフトをリモート操作で事務所側が訂正や設定を行う
  6. 税制改正の顧問先向けセミナーや社員向け年末調整説明会などを開催できる

 ある関東の事務所は開業4年目で15件から220件まで顧問先が増えた。帯広から沖縄まで顧問先が広がっているようだ。税務調査のみクリアすれば、Zoomで事足りるそうだ。

 会計事務所の従来の巡回監査・訪問監査で同質のサービスの提供なら、単価が安いほうが競争力があるのは当然で、まして今回のコロナ禍では我々の業界にも強烈なコストダウン要請が来るものと思ってかからねばならない。Zoomの利用であれば、時間を調整すれば1日5件程度のweb監査ができるのかもしれない。

 ただ、Zoomで個人情報や会社の秘匿事項などについて、音声でのやり取りを好まない顧問先もいるだろうから、その時はMyKomonで電子会議室を使ったほうが良いだろう。

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社長を探すお手伝い(2020/06/10)

 事業承継・世代交代集中支援事業の内の「承継トライアル実証事業の企業側の応募期間が、8月31日まで延長された。コロナ禍で応募の対応に間に合わせられない企業が多くいたものと推される。

 この実証事業の委託先はデロイトトーマツ(事務局)で、応募対象の企業は親族内後継者がいない、M&Aの選択もない……といった後継者不在の企業。一方で事務局は、将来に企業経営者を目指す人材も募集する。事務局の差配でマッチングさせ、その後5ヶ月間、入社後の事務局による観察や現経営者との面談状況等を踏まえて後継決定の是非を判断する仕組みになっている。

 大企業も含めた大量のリストラ人材や、ビジネスモデルが大きく変革する銀行員の退職、ベンチャーを発足したもののコロナ禍等で断念した人材等々、コロナの影響で、地方の中小企業の社長になって従業員の雇用を守り、地域活性化の一助として活躍したいと願う人材は相当数いるだろう。

 この実証事業では約60者の後継者教育・選定を目指しており、1件当たり140万円を限度として経費補助が出る。この原資も雇用保険からなので、後継者が存在しない企業が廃業すると従業員の雇用に大きな問題が出るためだと思われる。

 応募する企業側の手続は3パターンあり

  1. 申請書記載
    1. 株主名簿、役員名簿に続き、自社の主たる事業の売上割合やその付加価値
    2. 仕入れ、販売先、流通網、主たる協業先
    3. 取引先企業の規模、業種
  2. 後継者人材要件書
    1. 年齢、経験職種、保有する知識、資格、語学力……
    2. 雇用時の年収、部署、役職
    3. 休日休暇、福利厚生
  3. 育成計画書
    1. 5ヶ月間で配属部門でのリーダーシップ
    2. 社内に自身のフォロワーができたか
    3. 主な取引先やステークホルダーと信頼関係の構築

 この5ヶ月のステップによって、経営権のみの承継か、所有権・経営権の承継か、現時点では未定か、を現経営者が判定し、この実証事業が終わることになる。
 会計事務所もこの事業を使って、後継者のいない顧問先企業の新社長を探すお手伝いができるのではないか。

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コロナ禍での銀行の貸付条件変更の具体事例(2020/06/03)

 コロナ禍で金融庁が、金融機関に「貸付条件の変更等の状況」の報告を3月から求めたが、5月28日に更新されたデータによると(中小企業向け貸付)

期間 令和2年3月10日〜4月末日
申込件数 75,904件
 内、取下げ件数 1,249件
実質申込件数 74,655件
 内、審査中件数 32,882件
審査済み件数 41,773件
条件変更実行件数 41,688件
条件変更の割合 99.8%

 この値からしても、条件変更を申し込めば、ほぼ全ての中小企業の貸付条件の変更を、メガバンク・地銀とも認めている。

 昨年に、金融庁は金融検査マニュアルを廃止し、貸付条件の変更においても個々の金融機関の自主性を重視する政策に舵を切ったので、今回のコロナ禍での中小企業の資金繰り難については「貸付条件の変更への各金融機関の具体的取り組み」を公開することで、銀行がリスケ申込に対して柔軟かつ迅速な対応を行っていることに繋がっているようだ。

 4月20日に公開した「金融機関における対応状況(詳細版)」では

  • 事業者からの条件変更の相談があれば審査を行うことなく3ケ月の元金据置ないし期限延長を実施
  • 今後も事業を継続させていくため1年間の元金据置・期限延長を実施
  • 返済期限の見通しが立たない場合に一旦6ケ月程度の短期資金の貸出で対応
  • 最短即日、最大でも3営業日以内で融資判断するコロナ対応のファンドの創設
  • 条件変更の際の手数料を一律に免除
  • コロナ関連の特別のプロパー融資の返済期間を10年から15年へ、元金据置期間も2年から5年に延長
  • テナントビル所有者への融資について1年間の元金据置を実施
  • 2年以内の元金据置であれば案件問わず支店長先決権限で条件変更の実施

等々、全国の金融機関で実際に行われた条件変更等の実施についても具体例が記載され、金融庁のホームページに張り付いている。

 資金繰りの相談を受け、既存の借入金の返済方法について金融機関と交渉する際に、経営者や助言に当たる会計事務所は上記事例を頭に入れておくべきである。

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非対面サービス時代にはMyKomonが欠かせない(2020/05/27)

 コロナ騒動をきっかけに、対面サービスから非対面サービスへのビジネスモデルの転換にいち早く踏み切った企業に注目が集まっている。

 不動産賃貸業では、動画・VRで室内を案内し、ビデオ会議で契約等の交渉・締結を行っている会社が、コロナ禍をきっかけにして成長スピードを高めている。IT重説が解禁されたこともあり、こうした非対面サービスへの誘導はコロナ禍の前から提供されていたが、営業マンによる物件案内、面談による契約説明のほうが顧客の要望も高く、非対面型サービスは思ったより普及しなかった。しかし今回の騒動をきっかけにして不動産賃貸営業の在り方が根本的に変わった。他社も追随し、今後は動画作成の技術やビデオ面談での営業マンのコミュニケーション力に、競争のポイントが移ってくるであろう。

 税理士業界も、毎月の巡回(訪問)監査によって、資料をチェックし経営者から経営状況を聞き、担当者は仕訳の背景にある疑問点を聞き出してサービスを終了することが基本であった。しかし、コロナ禍で毎月の訪問に会計事務所も顧問先も「面談による接触」にリスクを感じ、有効な代替案(例えばMyKomon)があれば非対面でのサービス提供が主流になってくるだろう。

 対面サービスも非対面サービスもどちらでも可能という時代では、事務所担当者も顧問先経営者も「慣れ親しんだ」対面サービスを望むのは当然のことであり、便利なシステムがあってもその普及スピードは遅く、コロナ禍といった外圧によって「過去の習慣」を打破し新しい方式に変遷していくのは世の常であった。

 MyKomonは、顧問先との重要なデータのやり取りや経営状況の相談等はメールでなく会議システムを使って行っており、同時に会計事務所の所長(上司)も加わって双方のやり取りを確認し、助言も行える仕組みになっている。また「共有フォルダ」の機能では双方に必要な資料(定款、決算書、謄本、契約書等)をデータとして保存し、いつでも双方で閲覧できる機能も有す。双方の過去にわたるやり取りも全て履歴に残っており、必要に応じて検索もでき「聞いた・聞かない」といったトラブルも回避できるようになっている。

 MyKomonでも双方の理解が足りないときは「電話」による確認が行え、紙帳票が必要な際には「郵送」という手段も使える。コロナ禍は短期的な出来事でなく、共生しながらビジネスモデルを模索していく時代に突入することであり、その意味でも非対面サービスが主流のビジネスモデルにこの業界も確実になっていくであろう。


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