2018/09/19 顧問先に有利な契約書の作成ポイントを知れる…
2018/09/12 税理士業務とRPA
2018/09/05 会計事務所員が起業して上場会社にM&Aした
2018/08/29 金利よりもスピード
2018/08/22 遺言サービスが激化するかも…
2018/08/08 これからの税理士事務所の差別化要因は…
2018/08/01 相続手続き支援業務の競争激化


顧問先に有利な契約書の作成ポイントを知れる…(2018/09/19)

 AIを駆使したリーガルテックサービスが登場した。現役弁護士が代表を務めるVGA TECH社が行う「AI-CON(アイコン)ドラフト」のサイトが無料で公開されている。

 ログインすると、現時点で17種の契約書テンプレートが表示される。最初の秘密保持契約書をタップすると「契約書ドラフト作成サービスβ版」が表示され、契約書作成のためのいくつかの質問がされる。
  1. 秘密保持契約の対象は従業員か外部委託者か?
  2. 従業員は雇用形態の社員か、委託契約で社内で勤務するものか?
  3. 秘密情報に関わる競業禁止の条項を入れるか?
  4. 違反した場合の損害賠償の範囲をどこまで広げるか?
等々、およそ20項目までの質問に回答すると、AIが契約書文書を自動作成する機能がある。

 現時点では秘密保持契約の自動作成のみだが、今月中には17種類の契約書に対応するようだ。

 契約書テンプレートは
  1. 開発業務委託契約書
  2. コンサルティング・アドバイザリー契約
  3. 販売代理店契約
  4. 売買契約
  5. 株式譲渡契約  etc
が掲示され、今後、各種のテンプレートにその契約書作成に見合った質問が表示され、契約書の自動作成に進んでいくものと思われる。

 この契約書テンプレートの特徴の一つは、
  1. 委託者が有利な契約書
  2. 受託者が有利な契約書
  3. 中間的な契約書
の3つのスタイルで契約書テンプレートが掲示されていることだ。これも無料で利用できる。

 例えば販売代理店契約であれば
  1. 販売促進資料の作成はどちら側の負担にするか?
  2. 取次業務の進捗状況の報告は委託者の条件に従うのか受託者側で適宜行うのか?
  3. 解約を行うのは委託者側が受託者の申し出で可能か?
  4. 取次業務の独占性を条項に表現するか否か?
 受託者にとって有利・不利のテンプレートを比較するだけで、契約書作成の注意点が浮かびあがってくる仕組みだ。契約書に関して相談されることの多い会計事務所も、このサイトは利用価値大と言えそうだ。

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税理士業務とRPA(2018/09/12)

 税理士事務所で行う手作業の一部を、最近話題のRPAツールを使ってロボット化する試みが始まりつつある。
 RPAの持つイメージは、金融機関や大手企業を中心に「繰り返し作業が大量にある業務」をロボット化することで、大幅な業務効率化に成功した事例にあるように、少量の「繰り返し作業」がメインの中小企業や税理士事務所には向かないのでは、と考えられる風潮にあった。

 最近、web等で公開されている税理士の事例を見ると
  1. 顧問先からエクセルで作成された現金出納帳が添付ファイルで送付されてくる、それを開封し、会計ソフトを立ち上げ、データをインポートする作業をロボット化した
  2. 決算終了時に顧問先企業の相続税評価額ベースでの株価を計算しているが、会計ソフトからBSをダウンロードし税務ソフトに転記していたことをロボット化した
  3. 飲食業で多店舗展開している顧問先の各店舗から毎日「売上表」がメールで送信されてくるので、店舗合算の売上集計や客単価及び前年対比をエクセルで作成し、本部にメールで送信する一連の作業をロボット化した
 RPAツールはエクセルのマクロのように自動化できるので、パターン化できるルーティンな作業をロボット化するには適していると言える。

 税理士事務所内で行う「仕事」を「繰り返し作業」と「判断する」ことに分けて、会計事務所業界で共通する「繰り返し作業」のロボット化された事例が共有できるようなればと願ってしまう。


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会計事務所員が起業して上場会社にM&Aした(2018/09/05)

 九州の大手税理法人グループの元職員が昨年12月に資本金100万円の会社を設立し起業した。会社の名前は(株)ワクフリと言い、中小企業向けに会計・給与等を含めた業務用のクラウドソフトの導入指導等のコンサルティングを行っていた。

 freeeクラウド会計、MFクラウド会計、飲食店用のクラウド予約管理のトレタ、勤怠管理のジョブカン、クラウド契約書作成・管理のHolmes、スマホ決済のAir Pay、リクルートグループのAirレジ等、数多くのクラウドソフトについて、設定から導入までの支援を行うユニークなベンチャー企業で注目されていた会社であった。

 社員数は4名で、中小企業や小規模事業主の現場を理解し、他社が作ったクラウド系のソフトを中小企業が使いこなせるように社内に浸透させるノウハウがこの会社のセールスポイントだった。特別な技術がある、世にないアイデアを持った俗に言うベンチャー企業とは一味違う。

 このワクフリが上場会社であるマネーフォワードに買収されることになった。ワクフリが実施する第三者割当増資にマネーフォワードが全額応じ、マネーフォワードの子会社となった。

 マネーフォワードやfreeeは自社の会計ソフトの普及には、会計事務所の協力が必要不可欠と、会計事務所向けに啓もう活動を行ってきたが、クラウド会計ソフトの普及率は未だ10数パーセントに過ぎず、会計事務所の営業力の弱さ・ソフトの継続的な導入支援に割ける人材の少なさが、当初の見込みよりも成果が乏しい要因と感じ始めてきつつあるのかもしれない。

 会計事務所にすれば、クラウドソフトの利点を顧問先に提案することができても、実際問題、手取り足取りで顧問先に使い方を浸透させるのは本来の業務ではなく、ITに関心ある人材の層も薄いのが現実だ。

 企業の側もクラウド会計を導入してみたものの、勘定残高が合わない、決算後の繰り越し処理がうまくいかない等で、使用が止まってしまう、結果、会計事務所が後始末に追われることもなくはないだろう。

 中小企業の経理や総務の現状を体験したコンサルタントを、freeeやマネーフォワードが資金力で待ち構えているかもしれない。


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金利よりもスピード(2018/08/29)

 リクルートグループの子会社が、法人事業者向け融資を実施してほぼ1年が経過する。リクルートパートナーズローンという名称で、旅館・ホテル予約サイトに登録する約3万店のうち、法人事業として運営する旅館業が申し込める対象となっている。

 特徴をあげると
  1. じゃらんネットでの宿泊数実績、予約数推移、口コミ等のデータによる融資可否の判定
  2. 融資期間12ヶ月以内の証書貸付及び契約期間6年以内の極度貸付
  3. 無担保保証、代表者保証不要
  4. 最短即日融資
  5. 決算書不要
  6. 運転免許証等の本人確認書類のみ必要、来店不要でwebで完結
  7. 金利は2.0〜14.9%
  8. 証書型の融資金額10万〜1,500万円、極度型も同額で旅館業は両方同時申込可能
 今後、「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」に参画する飲食・美容業の法人にも極度型のローンの提供を開始する。

 ホットペッパーグルメサイトでのネット予約人数は累計約7,100万人、ホットペッパービューティーサイトでのネット予約数は累計約7,800万人(2018年3月期)と、グルメ予約は前年対比約4割増、美容の予約も前年対比で約3割の増加となっている。

 リクルートグループが囲い込む中小事業者数は30万社を超えると言われ、パートナーズローンを利用して、既存の金融機関とは別の資金調達手段を現実的に確保することが可能になってきた。旅館・グルメ・美容業からスタートしているが、Airレジを使う小売業、不動産サイトに登録する不動産業等、今後融資業種の範囲を拡大していくだろう。

 リクルートグループが、事業者と消費者を繋ぐマッチングサイトの運営で、中小事業者のマーケティング支援を行い、同時に資金調達も行う取り組みが進んでいく。「「決算書作成」を必須とするのは納税しかない」となる時代の始まりなのかもしれない。


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遺言サービスが激化するかも…(2018/08/22)

 約40年ぶりの相続法改正に関する法律案が国会で可決された。中でも、「自筆証書遺言の要件緩和」及び「自筆証書遺言の保管制度の創設」については、従来制度以上に「遺言」に関してハードルを下げる改正になるのではないかと思う。

 従来の自筆証書遺言は遺言の全文を「自書」することが求められ、高齢者には負担であり、字句を間違えば無効になることもあり、手軽ではあるが実行する段で多くの課題もあった。

 今回の要件緩和では、遺言書に記載する不動産や預金等の財産目録に関してはパソコンで記載してもよく、家族の人に代筆をしてもらうことも可能になる。但し、枚葉ごとに遺言者のサイン・押印を付すことが条件になるが。

 次に「自筆証書遺言を作成して、どこに保管するか、紛失したらどうするか」といった従来の不安を軽減するために、全国に約370ヶ所ある法務局(支局、出張所等)に保管してもらうことが可能になる。遺言書を預かった法務局は遺言者の死後、相続人の問い合わせに応じ遺言書の閲覧ができ、同時に他の相続人にも遺言書保管の通知が来るようになる。

 この仕組みで最も便利になるのは、家庭裁判所の「検認」が不要になることだ。死後、遺言書に従って速やかに財産相続の手続きが進むことになる。

 公正証書遺言の作成件数は昨年1年間で約11万件あるが、全国の公証人が約500名で対応しており更に作成件数の増加に応じ切れるかは定かでなく、遺言者からすれば相応のコストも必要なので、今回の「自筆証書遺言の保管制度」は「遺言書」を作成しておくことの良いきっかけになるだろう。

 「要件緩和」の施行は来年1月、「保管制度」の施行はこれから2年以内と決まっており、各士業の専門家や金融機関も財産評価や遺言書内容の妥当性等についてのコンサルティングサービスの激化が予想される。


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これからの税理士事務所の差別化要因は…(2018/08/08)

 税理士事務所にとって避けて通ることのできない業務の一つになりつつあるのが、「自事務所のRPA導入」と「顧問先へのRPA導入支援」ではないだろうか?
 RPAについて、「定型的な反復作業で極めてボリュームのある業務を中心にロボット化し、効率を上げる」と思い込んでいる会計人なら、「RPAなんて関係無し」とやり過ごしてしまってはいないだろうか。

 しかし、例えば、売上規模は小規模でも従業員数が100名を超える事業所の場合、給与データから決算時の「預り金残高」を確定する作業等は、顧問先の経理能力が低いほど、大変な業務負荷が担当者に寄りかかる。税務調査では殆ど触れられることのない「預り金残高」を確定させるのには多大な時間を要するが、一方でこの作業は、顧問先から評価されることが少ない業務の一つである。

 顧問先が旅行代理店の場合は、各種の「手付金」や顧客の「預り金」が発生し、旅行終了時点で売上や経費の確定が行われるが、仮にエクセル等で取引がデータ化されていても、会計ソフトへの入力作業が待っている。
 介護施設の場合には、提供する週間のメニューに即して食材の発注を「何を、いつ、いくつ」行うかといった作業も、事務処理業務の中で相当の部分を占めることがある。

 こうした意味では、税理士事務所も小規模な顧問先でも、「定型・反復型」の業務がRPAに置き換えられないかと検討することは重要ではないか?
 しかし、どんなRPAツールを使って、どの業務からロボット化すれば良いのか、現実にロボットソフトを作り上げる人材もいない中小企業は途方に暮れてしまうことにもなる。

 会計ソフトのfreeeが、15業務のRPAロボットをダウンロードできるプラットフォームを作った。入出金明細消し込みロボットや支払い通知書作成ロボット等、部分的ではあるが人を介さないで行える業務ソフトだ。今後、RPA研修を受けた在宅主婦等を組織化し、小規模事業所の意向に従ったロボットを作り上げていく方向だそうだ。

 また9月からは、パナソニック子会社のOCRと、RPAテクノロジーのRPAツールと、クラウドソーシングに登録するRPA技術者が共同で、「RPA導入ワンストップサービス」を始める。

 税理士事務所が顧問先から今後期待されるのは、「自社のどの業務にRPAを導入するのが効果的か」という時代に入ってくるのではないか。


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相続手続き支援業務の競争激化(2018/08/01)

 一般社団法人信託協会の統計によると、「遺言書の保管・執行件数」の累計は平成30年末で128,366件となり、特に平成24年度以降からの新規案件数は毎年7,000件〜11,000件のペースで増加している。信託銀行が受注した「遺産整理業務」も、平成29年度は5,927件の過去最高の取扱件数となっている。

 葬儀費用や配偶者等の当面の生活費など、被相続人の死亡後に簡単な手続きで金銭の支払いを受けることのできる「遺言代用信託」も、累計で約16万件に達し、毎年1万〜2万件の新規受託がある。

 このほど、みずほ信託銀は、「遺言代用信託」の商品や「遺産整理業務」のノウハウを全国の提携地銀に提供し、相続関連の信託ニーズに応えるプラットフォームを目指すと公表した。現在は北海道銀行、北洋、筑波、愛媛、三重など8行の地銀と提携、今後数行が参加する予定という。8行の店舗数だけでも900店舗あり、数行の参加があれば全国1,000店舗以上で信託業務を行う代理店網ができあがる。

 「遺言代用信託」は地銀の一般行員でも販売しやすく手数料収入も望めるし、その後の「遺産整理業務」へ展開ができる。本業の利鞘縮小の中で、手数料ビジネスの軸に育てていきたい思惑があり、他の大手信託の代理店確保も合わせ、競争が激しくなっていくだろう。

 みずほ信託の「遺産整理業務」の手数料は最低でも108万円と、財産額の少ない人には敷居が高く、今後は約40万円程度の低コストで遺産整理を望む顧客の開拓をする予定だそうだ。

 その肝の一つは対面でなく「LINE」を使い、相続人5人以下と対象を絞り、遺産整理作業を極力デジタル化する方向。会計事務所の新しい競争相手ともなる。



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影山勝行経営フォーラム
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