2019/03/13 相続や新規開業で差別化したホームページを作るには…
2019/03/06 専門士業とITが連結すると…
2019/02/27 顧問先向けビジネス教材として…
2019/02/20 顧問先からM&Aの相談を受けたら…
2019/02/13 医療費控除の計算がRPA化された…
2019/02/06 税理士法人の経営統合
2019/01/30 入力丸抱えで競争力をつける


相続や新規開業で差別化したホームページを作るには…(2019/03/13)

 オンライン登記簿申請やオンラインで印鑑証明書取得サービスを運用する(株)グラファー(graffer)の手続きガイドは、会計事務所業界でも運用可能な「タスク洗い出しエンジン」を実装した、簡単な質問形式で回答者に必要となる手続き一覧を提供するサービスである。

 自身の会計事務所サイトで、顧問先や将来の見込み客に対し、grafferのエンジンを利用した「相続手続きガイド」で営業活動を展開することも可能になるかもしれない。考えうる手続きとその条件を並べた1枚のエクセルシートをgrafferに提示すれば、自身の事務所の手続きガイドとしてHP上で表現できる。手続きの追加・編集も可能なようだ。

 実際の運用ページを見ると、ライフイベントに応じた7つの手続きが事例として紹介されており、「死亡」の際の手続きを試してみると
  1. 約20項目の質問が出てきて、「はい」「いいえ」で回答
  2. 回答は正味2〜3分で終了する
  3. 回答に応じて約10〜20項目の手続き一覧が作成される
  4. 各手続きには「概要」と「手続き場所」が表示される
 「死亡」の際の手続きガイドだが、そっくり「相続手続ガイド」として使え、素人でもストレスなく回答していける仕組みになっている。今後、死亡届のオンライン申請や法定相続情報証明の取得もオンラインで可能になっていけば、相続税申告書作成代行を主業務とし相続手続き代行に人員を配置したり、他士業に外注しなくても良い環境が生まれてくる。

 自治体でもgrafferの手続きガイドに注目しており、鎌倉市は試験運用中ではあるが「鎌倉市の手続きガイド」を市のホームページのトップに掲載している。

 会計業界なら、相続以外に、新規開業者向けなどにも活用できる。「はい、いいえ」形式で「いつまでに、何を、どこで」をガイド一覧で提供するのは、事務所ホームページの差別化になるかもしれない。


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専門士業とITが連結すると…(2019/03/06)

 会計事務所の顧問先の大半は法務に明るい人材を抱えていない。故に、会計事務所への法務に関する相談機会も増える。
  1. 各種契約書作成に関わること
  2. 作成した契約書の内容が顧問先にとって内容が有利か不利かの判定
  3. 本店移転や役員変更、商号変更、目的追加等の商業登記に関すること
 こうした相談を受けると、大半の会計事務所は普段連携している弁護士、司法書士、行政書士に繋ぎ、その対応をお願いすることになる。しかし相応のコストも顧問先には負担が生じ、問題解決へのスピードも求められる。

 GVA TECH社(経営者は弁護士)が展開する法務サービスは、中小企業向けに開発されたもので
  1. 人工知能による契約書レビューのAI-CON(アイコン)レビュー
  2. 約20種類の契約書ひな形の作成支援を行うAI-CONドラフト
  3. 商業登記支援のAI-CON登記
等がリリースされている。

 AI-CON登記は、現在は株式会社の「本店移転」登記と「増資」登記しか対応していないが、今後は商号変更や目的追加、株式分割等の登記支援サービスも予定されている。

 因みにAI-CONにログインして「本店移転」登記を行うには、「登記情報」と「株主名簿」が必要になる。登記情報は、AI-CONに依頼すれば無料で取得し、PDFファイルでメール添付してくれる。添付データを確認し、エクセル等で作った株主台帳と一緒にAI-CON登記にアップロードすれば、登記書類が自動作成される。画面の指示に従い、「印刷→製本→押印→印紙貼付→封筒準備→投函」を行うことで、法務局に出向いたり司法書士に依頼したりせずとも、登記申請が可能になる。

 弁護士ドットコムもそうだが、士業の専門家が自身の体験上で得た「作業」をITで効率化し、独自のサービスを開発して世に登場させる傾向が強くなっている。


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顧問先向けビジネス教材として…(2019/02/27)

 12月決算の上場企業で注目の大塚家具の決算短信が公開された。過去3期分の推移を見ると(抜粋)

  2018/3月 2017/3月 2016/3月
営業損失(百万) ▲ 5,168 ▲ 5,136 ▲ 4,597
粗利率(%) 44.3 51.0 53.4
在庫日数(日) 107 121 112
土地(百万) 178 2,357 2,414
投資有価証券(百万) 595 2,753 5,513
短期借入金(百万) 130 0 0

 在庫日数ではさほど変化が見られない中、粗利率は二期前と比して約10%低下している。既存の商品のバーゲンと同時に、期中仕入れ商品も従来の粗利は取れず、セールに走ったように数字上からは見受けられる。結果、3期合計で約150億円の赤字を出した。無借金企業の代名詞だった大塚家具が借入金を計上し、土地資産は簿価で20億円以上売却、投資有価証券も約50億円を売却して営業赤字の穴埋めに充てている。

 しかし、もう資産の切り売りで凌ぐ手立ては無く、現在報じられている中国系企業の出資を仰ぐことになるようだ。

 ビジネスモデルを変えることに挑戦したが、結果は中途半端なものになり、上場企業としての経営者責任は免れないはずだが、現在の経営者の姿勢は同族企業のオーナーそのものだ。無借金の優良企業がわずか3年で転落した今回の決算は「良いビジネス教材」になるのかもしれない。


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顧問先からM&Aの相談を受けたら…(2019/02/20)

 M&A専任者がいない会計事務所で、顧問先社長から「会社を売却したい」と相談されたら、どのような対応をするだろうか?
  1. M&A仲介実績のある地域金融機関に対応を任せる
  2. 大手M&A仲介会社のネットワークに相談を持ち掛ける
  3. 自治体の事業引継ぎ支援センター等を利用する
  4. M&Aマッチングサイトに登録してもらう
 顧問先の社長が信頼する会計事務所に相談してくるのだから、簡単に外部委託する訳にもいかない。

 M&A案件を自身で担当するには
  1. 売却先の企業概要書の作成
  2. 売却先の企業価値算
  3. 買い手候補発掘
 少なくとも上記の作業は絶対に必要となる。日常の業務がある中で、これらの業務が加わると負荷が一挙に高まる。こうした作業がほぼ自動化されるようなサービスが生まれようとしている。

 VANDDD(バンド)というベンチャーが、クラウド型サービス「M&Aディールメーカー」を開始した。売却を希望する顧問先企業の財務諸表及びURLを準備するだけで
  1. インカム、コスト、マーケットの3タイプのアプローチによる企業価値算定
  2. 企業サイトの解析データをクローリングする技術を用いた買い手候補発掘
  3. 実務能力を要しなくとも作成可能な企業概要書作成手順をリード
 こうした一連の作業が早ければ20分程度で完成するようだ。

 このサービスは月額19,800円〜から購入でき、試してみる価値はあるようだ。早速、大手の辻・本郷グループもVANDDDと業務提携したようである。

 M&A専任担当者がいなくとも、M&A事業の立ち上げはどこの事務所でも可能になってきている。


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医療費控除の計算がRPA化された…(2019/02/13)

 会計事務所の担当者が顧問先経営者や従業員の確定申告書作成に伴い、医療費控除に必要な領収書の束を預かって明細書を作る。こうした光景は何十年もこの業界で続いてきた。

 医療費控除の計算は、確定申告作業の中でも一番単純で且つボリュームもあるものだ。

 昨今、PRAが叫ばれる中で、ついに「医療費控除集計機能」というRPAサービスが登場した。サービスの特徴は対象となる領収書等をスキャンニングすると以下のことが自動化される。
  1. 画像データから明細形式で集計データを作成し
  2. 異常値や対象外の可能性があると思われるものには付箋マークがついて絞込みができ
  3. 付箋のあるデータとスキャン画像を比較して手直しが可能になり
  4. 家族単位の集計と明細書も作成され
  5. データを一部の申告書ソフトへインポートできる
 このサービスは記帳代行会社の「スキャる」と辻本郷税理士法人が共同開発し、今後、税理士事務所専用バージョンの仕訳業務のRPA化サービスも提供していく予定だそうだ。

 辻本郷税理士法人はNTT東日本の開発したAI-OCRとRPAを連動させたシステムのプロジェクトにも参加しており、全国64支部の税理士事務所業務にRPAを本格導入するようだ。

 この巨大税理士法人に参画する大半の税理士事務所は業歴も深く、各支部それぞれに「仕事のやり方」があり、統一するのには相当の難題を抱えているはずだが、ここにきてRPAやAI-OCRの新サービスの導入で、「単純・反復・繰り返し」作業を伴う業務は全国共通化が可能になってくるのかもしれない。

 こうした形で人手不足感や社員のより高度な業務への期待感が高まると、会計業界もこれに倣う同業者も多く出現してくるだろう。同時に、「どういうタスク」をRPA化するかの競争も始まる。


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税理士法人の経営統合(2019/02/06)

 確定申告の時期到来で個人事業主による税理士の新規依頼や税理士交代が活発になる。

 主なクラウド会計ソフトメーカーの税理士検索サービスを見ると、
メーカー 税理士掲載総数 検索上位優遇会員
弥生 5765件 470件(ゴールド会員)
MFクラウド 1994件 38件(プラチナ会員)
freee 2342件 28件(★印5個会員)

 検索項目は各社サイトとも得意業種とか対応範囲等似た項目が多いが、MFクラウドやfreeeのサイトでは「英会話、英文書類対応可」といった検索項目もある。

 各社とも会員登録した税理士をランク付けしており、検索優遇や税理士紹介などのサービスを、上位ランクの会員に提供する仕組みは共通している。

 弥生はゴールド会員とメンバー会員に分かれ、会費の額で区分せず、事務所を通した弥生製品の販売で貢献のあった事務所をゴールド会員にしている。事業主からすればゴールドの訴求力は強くはないだろう。

 MFクラウドはプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズと4つのランクがあり、年会費の額でランクが決定される。最上位のプラチナ会員は年額50万円で、ブロンズ会員は無料である。シルバー以上の有料会員は登録税理士数の約半数未満のようだ。ランクと会費が連動するランク付けでは、検索サイトを利用する事業主の意図が生かされないだろう。

 freeeは認定アドバイザーに登録し、アドバイザースコアをfreeeの普及活動に応じて点数化し、ランク分けしている。★印5個から★印なしの6段階で設定、★印5個の最上位クラスになろうと思うと、スコア300点以上が必要になる。月額で4万円程度のソフト利用料を支払う法人企業なら、約30社強にfreeeを導入する必要があり、月額4000円程度の利用料を支払う小規模法人なら80社程度の導入社数が必要になる。

 freeeを熟知してる会計事務所を探したい事業主からすると、この検索サイトは有用になるであろう。


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入力丸抱えで競争力をつける(2019/01/30)

 全国展開している大手税理士法人が、NTT東日本が提供するAI-OCRとRPAを連動させた紙帳票のデータ化サービスのトライアルに参加していた。

 NTT東日本のホームページによると、税理士法人が用意した一冊の銀行通帳をAI-OCRでスキャンしてCSVファイルに保存する作業を行ったところ、通帳の活字の読み取り精度が97.04%を達成した。精度は全文字数に対する正解数で計算される。他業界のトライアルでは、手書き文字の読み取り精度も94.73%〜96.13%と紹介されている。

 次に、CSVファイルのデータを会計ソフトにRPAツール(WinActor使用)で入力する作業では、従来の人による手入力で54分42秒要したものが、RPAでは9分15秒で完成し、業務削減率が83%に達した。

 紙帳票→AI-OCRで読み取り→RPAで入力という連動サービスが会計業界に具体的に提供されるようになった。

 NTT東日本はこのサービスを月額課金制で行う。データ読み取りまでは月額10万円、RPA使用は月額7.5万円、全部で17.5万円で利用できる。機器を購入する必要はない。

 業歴のある中小企業の経理担当は、自身のやり方に固執する傾向が強い、従ってIT武装も拒んでしまう。この連動サービスなら、むしろ顧問先には思うようにやってもらって丸抱えできる。

 全国64支店展開している事務所がこうしたトライアルに参加する背景には、中小企業の経理現場の実情があるようだ。会計事務所がこうした連動サービスの活用で業務の生産性を上げることで、昔ながらの紙帳票に拘る顧問先の会計ソフトへの入力全面代行を掲げて、顧客開拓競争がまた始まるだろう。



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影山勝行経営フォーラム
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