2019/05/22 無料の遺言書自動作成サービス
2019/05/15 社員が1時間で6万円を稼ぐ会社
2019/05/08 freeeアプリストアに要注目
2019/04/24 スマホ申告が大きく変わる?
2019/04/17 銀行の事務所に対する評価を上げる活動
2019/04/10 早い事務所はロボットを使いこなし始めている…
2019/04/03 API連携が始まった法人インフォを見てみる


無料の遺言書自動作成サービス(2019/05/22)

 相続法の改正で、今年から自筆証書遺言の作成が「手書きの自筆」でなく、パソコンで作成しても良いことになった。誰に何を相続させるかという遺言者の「想い」はイメージできているとしても、「書式」に戸惑う人は少なからずいるだろう。

 昨年、朝日信託が遺言自動作成システムを開発したが、提携する地銀等の金融機関に提供するものであり、個人が「想い」を入力すれば「書式」ができあがるサービスは無かった。

 今月に入り、大阪の弁護士が代表を務めるベンチャー企業が、webで遺言書の案を自動作成する「遺言書.com」の提供を開始した。現在のβ版では無料で使用でき、会員登録すれば作成した遺言書を「保存」することもできる。これも現在は無料だ。

 作成手順は
  1. @ 本人情報として氏名、性別、住所、誕生日を入力する
  2. A 相続人・受遺者の氏名、遺言者との続柄、生年月日を入力、最大10名まで登録可能
  3. B 遺言執行者が決まっていれば遺言執行者の指定欄に入力
  4. C 個人に遺贈、団体への寄付等があれば入力
  5. D 相続させる財産の情報として土地、建物、預貯金、株式、株式以外の有価証券、動産、他の財産等が各種10件まで登録可能
  6. E 財産の振り分けとして相続人と振り分けの割合を登録
  7. F 祭祀継承者を相続対象者から選択
 画面の指示に従って上記を入力していくと遺言書ができあがってくる。印刷して内容をチェックしても良いし、会員登録して保存しておいても良い。

 遺言書を作成したが「書式」の敷居が高いと思っている人にはスムーズに利用できるサービスになっている。

 会計事務所の顧問先にもこうしたサービスを知らせておいてあげると、喜ばれると思う。


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社員が1時間で6万円を稼ぐ会社(2019/05/15)

 先週末から上場企業の2019年3月期決算の発表が相次いでいる。中でも時価総額8兆円を超すキーエンスの決算が目を引く。決算短信によると
  1. 自己資本比率 94%
  2. 無借金
  3. 流動負債の半分以上が税金と賞与引当金
  4. 売上高経常利益率 54%
  5. ROE 14.3%
 キーエンスは工場を持たないファブレス企業の代表格で、FA機器の制御に必要なセンサーや工場で使う計測器、マイクロスコープなどの製造販売が主である。

 更に驚くべき事項として、2018年3月期の有価証券報告書によると、キーエンス単体の従業員数は2,253人、その平均年収は2,088万円となっている。

 2018年3月期でのキーエンス単体の売上高は4,307億円、材料費が701億円、外注費が145億円とあり、ざっくりであるが単体の変動費率は20%、結果、限界利益率が80%に達するメーカーである。決してサービス業やIT企業ではない。

 従業員1人当たりの年間で稼ぐ粗利益は1.5億円になり、年間2,400時間の稼働とすると従業員1人が1時間で稼ぐ粗利益(人時生産性)が約63,000円になる。中小企業は人時生産性が5,000円超せば優良企業と言われるくらいであり、6万円を超すキーエンスは化け物企業のように映る。

 キーエンスも創業時は電機機器を扱う個人事業であった 。営業が徹底して顧客のニーズを聞き取り、それを開発メンバーに託し、生産は外注で管理する。部品在庫をしっかりと保有し、トラブルがあっても即納体制で顧客に対応し顧客の支持を集める。

 働き方改革で、中小企業も一人当たりの稼働時間を減少させる経営が必要になってくる。稼働時間が減って人時生産性が変わらなければ、自ずと会社は更に儲からなくなる。人時生産性の向上が待ったなしでやってくる。


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freeeアプリストアに要注目(2019/05/08)

 今年1月に公開された「freeeアプリストア」に掲載されているアプリの数は約50本近くに達している。freeeの佐々木社長は「2020年12月までにfreeeに連携するアプリ数を300本にする」との目標を持っている。「freeeアプリストア」はfreeeのユーザー(主に中小事業者)とfreeeのサービス連携先の事業者をつなげるプラットフォームになっている。

 「請求・支払」「勤怠」「経費精算」「決済」……、10のカテゴリーに連携可能なアプリを分け、ユーザーは自社に必要な業務改善アプリや経営力強化のために使用したいと思うアプリを、このプラットフォームで検索できるようになっている。

 また、中小事業者ではあるが会計処理が特異な業種が、管理上メインとなる帳票をfreeeと連携させることで、必然の財務諸表を作成できるアプリもある。例えば
  1. スマホアプリで動く「Agrion」の農業日誌のデータをfreeeに連携することで、農業会計が可能に
  2. 税理士法人が作成したNPO法人の経営管理ソフト「Nport」をfreeeに連携して、NPO会計を行う
  3. 税理士法人が作成した「社会福祉法人with freee」は通常の会計記録はfreeeで行い、その後に社会福祉法人会計専用クラウドに連携することで、社福に必要な帳簿作成が可能になる
  4. 医療界で使用するレセコンで計算された日々の窓口収入を6つのカテゴリに区分し、freeeに現金入金処理をデータ連携することが可能なClinic Cloud
 freeeとのデータ連携は、金融機関の入出金データ、経費精算アプリ、人事給与アプリ等、多くの連携が進んでいるが、NPO法人や農業法人、社会福祉法人、医療法人等の特殊法人の独特な会計慣行を持つ業種のアプリ+freeeで、中小規模の事業者の強力なお助けマンになる予感がする。

 「freeeアプリストア」掲載のアプリ数が本当に300本に達したら、会計事務所の顧客への関与はどう変化していくのであろうか。


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スマホ申告が大きく変わる?(2019/04/24)

 今年の1月から導入されたスマホ専用画面による所得税の確定申告(以下 スマホ申告)が、どれだけの納税者に利用されたのか現段階では不確定だが、評判が良くなかったことは確かなようだ。

 「年調済みの給与所得が1ヶ所」かつ「医療費控除か寄付金控除の所得控除のみ」で確定申告する納税者用に作られている。年調未済の給与や上記の所得控除以外の所得控除等を専用画面に入力すると、国税庁の確定申告作成コーナーを利用するように誘導されるので、スマホで簡単入力と思った納税者からは顰蹙を買うことになった。

 今年の3月13日に開催された、第20回国税審議会で議論された「税務行政のICT化」の項目によれば、スマホ申告の利用対象者は平成31年分(2020年の確定申告)から大きく範囲が拡大される予定になっている。
  • 給与所得は年調未済、2ヶ所以上に対応。公的年金等、その他雑所得、一時所得に対応
  • 全ての所得控除に対応
  • 税額控除は政党等寄附金等控除、災害減免額に対応
  • 予定納税、本年分で差し引く繰越損失額、財産債務調書
 これなら、ID・パスワード方式でスマホ専用画面での個人の確定申告者は相当増えるかもしれない。申告不要としない配当所得も利用対象になってくれば、さらに使い勝手の良いソフトになるだろう。

 マイナンバーを活用した医療費控除手続きの簡素化も、2021年分の確定申告から導入予定と日経が報道した。これが動き出すと「紙書類」の保存といった既存の仕組みが、一般家庭からも崩れ去ることにもなる。当然、スマホ申告にも「医療費通知」のボタンをタップするとデータが連動することにもなろう。

 会計事務所にとっての個人のスマホ申告の到来は、自己完結型を進めるのか、節税や有利不利のアドバイスを含めた業務委託を有償で納税者に進めるかで方向が分かれることになろう。


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銀行の事務所に対する評価を上げる活動(2019/04/17)

 金融庁の「経営者保証のガイドラインの活用」(以下 ガイドライン)が導入されて約5年が経過する。半年単位で金融庁が民間金融機関(546金融機関)にガイドラインの活用実績を調査公表しているが、平成30年度4月〜9月の期間での新規融資件数約168万件のうち、経営者保証に依存しない融資の割合は19.1%、前半期比で2.8ポイント増加という結果であった。

 銀行から新規に融資を受けるのに、「個人保証は要りません」と言わるのが5件に1件という状況で、ガイドラインが5年経過していても、これが現実の姿でもある。

 確かに中小企業の多くは
  • 企業経営に重要な資産でその所有に関して法人・個人の明確な分離がされていない
  • 法人からの代表者貸付が多額である
等の理由により、融資する側からすれば法人・個人一体で経営している以上、「個人保証がないと融資金の回収に万一のことがあれば」と考えるのも当然のことではある。

 先般、地域銀行に対する「経営者保証に関するガイドライン」のアンケート調査の結果が、金融庁より公表された。対象となった金融機関は地域銀行105行で、計8問からなるアンケートであった。興味深い項目をあげると
  • 貸出債権に対する経営者保証からの回収率は1.0%未満とする金融機関が63%ある
  • ガイドラインの活用で経営者の「規律付け」の低下を危惧するという回答が52%ある
 要は個人保証をとっても金融機関の融資金回収の役には殆どたたず、「個人保証を取っているから経営に気を抜かずにね」といった金融機関の忠告に近いものが、経営者保証を取ってきたことの証であることが、今回の調査で明らかになった。

 ガイドラインを積極的に活用する金融機関と消極的な金融機関では、次のような差異が見られる。活用を積極的に行う金融機関のメリットとしてあがったのが
  • 顧客との信頼関係の強化
  • 事業性評価の活用促進につながる
  • 職員の目利き力の向上
  • 取引先の円滑な事業承継に繋がった
 会計事務所も顧問先の事業承継が更に進む中、「所有と経営の分離」を経営者に促して、金融機関から経営者保証を削除してもらう取り組みを活発化させていくことが、金融機関からの評価をあげることに繋がっていくのではないかと思う。

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早い事務所はロボットを使いこなし始めている…(2019/04/10)

 会計事務所業界にRPAソフトを普及させるための「会計事務所RPA研究会」なる団体ができて、会員募集とRPAのメニュー開発をスタートしている。電子申告、会計処理、確定申告書作成等の会計事務所の定型業務の一部若しくは大半を、RPAソフトで自動化するプログラムを目指す。

 一方で、年末調整の電子申告を全くやってこなかった税理士法人が、2名の女性スタッフで無料のRPAソフトを使って500人規模の電子申告を約9時間で完成させたり、一人税理士が「法人税別表」の一部入力をRPAで作成したり、相続税申告で「上場会社の評価明細書」を東証のホームページに掲載されている「月間相場表」をコピペして、評価額を決め明細書に転記させるRPAを作った事例等も、ブログ等を通じて発信され始めた。

 RPAというと、定型的且つ反復する大量の業務を自動化するイメージがあり、大企業のバックオフィスの合理化ソフトとして語られることが多いが、会計事務所の業務にも、データ量は多くなくても「あれば便利」な、「サービス品質向上」に繋がるRPAソフトの開発は待ったなしになってくるのかもしれない。

 顧問先の決算が終了すると同時に、顧問先の株価を「非上場株式の評価方式」に従って計算するRPAソフトが完成すると、必要だが「手間がかかる」理由で一部の顧問先に提供していたサービスを、全ての顧問先に提供できることになる。

 会計ソフトで「資金繰り表」は作成可能だが、商品ごとの限界利益率で算定した売上計画に基づく回収計画や、社員一人単位の昇給率や賞与を予定した人件費計画など、会社固有のデータを入れ込んだ資金繰り表の作成となると、会計ソフトや給与ソフトの元データの必要な部分をコピペしてエクセルで作成することができるが、この作業の部分をRPAで作成することで「手間がかかる」から卒業できるかもしれない。

 安価なRPAソフトも出てきており、会計事務所スタッフの中でRPAソフト開発に専従できるメンバーを一人でも育てておくことが、今後の業界内競争に勝ち残る要件の一つである。


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API連携が始まった法人インフォを見てみる(2019/04/03)

 法人インフォが厚労省の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」や金融庁の電子開示システム「EDINET」とのデータ連携を始めた。

 検索サイトで「トヨタ自動車」を検索すると、
  1. 法人番号公表サイトから
    1. 法人基本情報(3情報)
      1. 法人番号
      2. 法人名
      3. 法人名ふりがな
      4. 本店所在地
  1. 職場情報総合サイトから
    1. 法人基本情報(3情報以外)
      1. 代表者名
      2. 資本金
      3. 従業員数
      4. 設立年月日
      5. 営業品目
      6. 事業概要(企業ホームページ)
      7. 勤務実態に関する情報
  1. 全省庁統一規格から
    1. 補助金情報
    2. 表彰情報
    3. 届出・認定情報
    4. 調達情報
    5. 特許情報
  1. EDINETから
    1. 財務情報
 基本的には上記書式で閲覧できる。しかし中小企業での利活用を考えると、法人基本情報(3情報以外)は職場情報総合サイトからデータ連携しているので、職場情報総合サイトに入力していない中小企業も多いことから、自社の職場環境や採用情報の入力を促す対策を講じないと、法人の代表者名すら表示されない格好になってしまう。

 財務情報に至ってはEDINETとの連携なので、大半が上場企業で中小企業の財務情報は全くない。

 国交省所管の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムには、法人基本情報(3情報以外)もあり経営審査事項通知から財務情報もある。各自治体で閲覧できる医療法人の財務情報などもあわせて法人インフォにデータ連携させれば、内容も多少は充実してくる。

 freeeなどの民間サービスで「決算公告」ボタンをクリックすると、法人インフォの財務情報にデータが連携されるなどすれば、情報開示に消極的な中小企業が淘汰される時代が到来するかもしれない。



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影山勝行経営フォーラム
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