
- 2025/10/29 オルツの粉飾決算の構造を仕訳で推測すると……
- 2025/10/15 freeeが黒字転換した
- 2025/10/01 緊急時の節税対策案
- 2025/09/17 調達担当者が分析する中小製造業の粉飾決算
- 2025/09/03 銀行向けの承継提案書をcopilotを使って作成しよう
- 2025/08/20 Copilotを使って税務相談してみた
- 2025/08/06 税理士事務所の開業計画書作成に、Geminiのリサーチ機能を使う
10年前に設立され、2024年10月に東証に上場を果たした「AI議事録サービス」の株式会社オルツは、上場後、
- 2025年4月:売上過大計上の疑いで第三者委員会の設置
- 2025年7月:売上高の最大9割を過大計上と公表し民事再生法の適用申請
- 2025年8月:上場廃止
- 2025年10月:元社長含む経営幹部4人が粉飾決算疑いで逮捕
[参考]株式会社オルツ IR情報
2024年12月期のオルツ社の有価証券報告書の連結損益計算書によると、
- 売上高は約60.5億円
- 販管費は約80.5億円
- 営業損失として▲23.2億円
となっている。さらに販管費の内訳を見ると、
- 広告宣伝費が約45.8億円(対売上高比75.7%)
- 業務委託費が10.2億円
- 研究開発費が13.6億円
となっており、広告宣伝費と研究開発費の合計と売上高がほぼ同額となっていた。
同社の売上高は、AI議事録サービスのシステム販売数及びアカウントの発行数量×単価で大半が構成され、直販及び販売代理店経由でサービスが提供されていた。
この事件は、札幌に本拠を置く監査法人、主幹事証券である大和証券、名だたるベンチャーキャピタル数社すべてが、粉飾決算を見抜けなかったことでも世間を賑わせた。
今回の粉飾決算を簡略的に仕訳で推測すると、
- 販売代理店等にアカウントを大量発注させ架空売上を計上
売掛金 / 架空売上 - 外部企業に広告宣伝費を支払い販売代理店等に資金を還流させ、売掛金の回収を行う
広告宣伝費 / 売掛金
実物資産の売買でなくアカウントの販売なので実態が分かりにくいこと、経営者及び少数の幹部で仕組まれていたこと、AI関連企業として急成長分野に属していたこと、等々の理由で、歪な財務諸表に誰も気づけないまま、上場から倒産に至ったと思われる。
早速、個人投資家が集団訴訟で損害賠償請求を行い、特に監査法人の責任は追及されることになるだろう。
会計ソフトのfreee社の2025年6月決算が公開された。その有価証券報告書(連結)によると、
- 売上高は対前年で78億円の増加
- 売上原価は対前年で15億円の増加
- 結果、売上総利益は対前年で63億円の増加
- 販管費では対前年で26億円の減少(主たる項目は下記)
- 開発費が対前年で36億円の減少
- 広告費が対前年で11億円の減少
- 人件費が対前年で12億円の増加
- 結果、税金等調整前の当期純利益は前期の▲101億円から+4億円と黒字転換を果たした。
freeeのビジネスモデルは「課金者数(個・法人)×平均課金単価」で売上の大半が構成されるので、この2つの数値の推移が今後の成長に繋がる。
課金者数は、2025年6月末時点で
- 法人ユーザーが234,072社
- 個人ユーザーが372,461者
- 合計 606,533者
個人法人合わせた課金単価は56,704円(月単価4,725円)で、売上高343億円に到達した。
2026年6月期の通期予想では、売上高が409億円〜415億円、営業利益で24.6億円〜25億円としている。
これで2025年6月期の1株当たり純資産(解散時価)は329円となり、現在株価の10倍を超えた。1株当たり利益も23円の黒字になり、現在株価の150倍で取引されている。
freee社がターゲットとする市場は、
- 個人事業主448万者
- 従業員19人未満の法人176万社
- 従業員1,000人以下の法人29万社
合わせて約650万者の個人事業主や小規模法人、中小・中堅企業で構成される。やっと、市場全体の10%の課金者数を達成して黒字転換を果たした。
ここ数年freee社は、
- 情報システム部門向けの自動化ツール「Bundlle」を提供するWhy社の買収
- インボイス・電子帳簿保存法の対応に「sweeep社」を買収
- Mikatus社、YUI社など連結会計ソフトを提供する企業の買収
などを行っている。
本業でのビジネスの安定期に入り、事業領域を拡大するための投資段階に入ってきたようだ。
建設業で月次決算を行っていても、突発的な工事受注があったり、未成工事勘定の処理が曖昧で、最終決算を組む段階で予想外の利益が増加したり等、想定以上の税金支出に経営者が悩むことは、よくある光景だ。この企業の場合は極端な「勘定あって銭足らず」の状況になっている。そこで、Copilotの登場。例によって、約10秒で主たる回答が出てきた。
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概要と課題認識:
今期中に実行可能な節税対策一覧:
現金が増えていない理由の考察:
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税務相談をAIで補完することは、業務の大幅な効率化につながる。これは誰もが認めることである。
問題として残るのは、上記赤字で記載した期限・数値が決算期時点で有効であるか、数値の間違いがないかを、人間が再確認する作業である。これをスルーして顧問先に提案することは、言語道断であろう。
自動車関税の実際の運用が今後のサプライチェーンにどう影響を及ぼしてくるか、特に下請け製造業の経営陣はやきもきしているに違いない。あってはならないことだが、今後の決算書作成について「粉飾を匂わす」行為を、会計事務所に暗に求めてこないとも限らない。
逆に「部品発注側の調達担当者が、取引先から得た決算書が粉飾であるか否かを見極めるポイント」について、会計事務所がセミナーを開催した。主催者によると、盛況だったようだ。
そこでCopilotに、次のように問うてみた。
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自動車部品の製造業の決算書から粉飾の有無を見分けたい。ポイントを教えてください。 |
Copilotの回答は、以下のとおり。
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もちろんです。粉飾の兆しは決算書全体に散らばって現れることが多く、単一の数値よりも「動きの不自然さ」や「整合性の欠如」に注目することが効果的です。特に自動車部品メーカーの場合、業界特性を踏まえて見ることで精度が上がります。 主なチェックポイント
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会計事務所と違って調達担当者は販売台数・部品生産量の推移、材料原価の変動、部品価格の推移等々、業界内にいるからこそ分かる変化を肌で感じているので、こういった数値の絡む勘定科目を下手にいじれば、粉飾も容易に発見できるかもしれない。
粉飾決算に誘惑されそうになっている経営者には、業界特有の数値との整合性を欠くことのないように、自己責任で対応してもらうしかない。
今回はGeminiのリサーチ機能を使って、○○市における▲▲業の開業について、「市場環境、提供するサービスの特性と競合先との差別化を加味し、将来の売上目標値を達成する計画書を作成して」と依頼してみた。
実際の文書量は、本原稿の2倍程度ある。よって、一部<中略>とした。
なお、今回の質問は、
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勤務税理士歴10年、一般の法人申告歴、医業申告・福祉法人の担当歴を有する税理士が、独立開業する際の開業計画 |
を念頭においている。
以下がGeminiリサーチの回答。
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三重県桑名市における税理士事務所開業計画:3年で年間収入2,000万円超達成への戦略的ロードマップ T.エグゼクティブサマリー 本報告書は、三重県桑名市における税理士事務所の開業を検討している税理士が、3年以内に年間収入2,000万円超という目標を達成するための包括的な計画を提示します。10年間の勤務税理士経験、特に法人税申告、医業、福祉法人の決算における専門知識は、桑名市の市場特性と合致し、高収益達成の強力な基盤となります。 主要な提言として、まず医業・福祉法人に特化した高付加価値サービスを事業の中核に据え、高単価顧客の獲得を最優先とします。 次に、専門特化型ウェブサイトの構築、Googleビジネスプロフィールによる地域検索対策、SNS活用といったオンラインプレゼンスの強化を図ります。これに加え、金融機関や他士業との連携による紹介ネットワークの構築、およびターゲット層に合わせた専門セミナーや個別相談会の開催を通じて、効率的な顧客獲得を目指します。 最後に、開業初期の資金計画を綿密に策定し、クラウド会計の導入などによる効率的な事務所運営と、段階的な成長戦略を実行することで、安定的な収益基盤を確立し、目標達成へと導きます。 U.桑名市における市場環境分析 桑名市の人口動態と経済概況 桑名市の総人口は137,481人、世帯数は62,089世帯であり、これは令和7年3月末現在のデータです。年齢別構成比を見ると、年少人口が13〜15%、生産年齢人口が58〜62%、老年人口が24〜27%を占めています。特に桑名地区の住宅団地では高齢化が急速に進むと予測されており、三重県全体で見ても、15歳未満人口と65歳以上人口の割合は全国平均を上回る傾向にあります。 このような人口構成は、高齢者向けの医療・介護・福祉サービスへの需要が今後さらに高まることを示唆しています。桑名市は、高齢者が住み慣れた地域で活動的な生活を送れるよう、「地域包括ケアシステム」の構築を目指しており、これは「住まい」「生活支援」「介護」「医療」「予防」を一体的に提供する地域づくりを推進するものです。 また、桑名市健康づくり計画では、生活習慣病予防、健康相談、各種健康診査、がん検診の受診勧奨、糖尿病対策、循環器疾患対策、栄養・食生活改善、身体活動の促進、休養・メンタルヘルス、喫煙対策、口腔保健などが重点的に取り組まれており、「桑名すこやか体操」は腰痛、四十肩などの予防に効果があるとされています。これらの市の取り組みは、単なる治療だけでなく、健康維持や生活支援に関するニーズが広範に存在することを示しています。 税理士の医業・福祉法人に関する10年の経験は、この拡大する市場において、単なる税務申告だけでなく、経営改善や事業承継といったより深いコンサルティングニーズに応える強力な差別化要因となり得ます。高齢者層は、複雑な医療費控除や相続、贈与といった個人向け税務相談のニーズも高まる傾向にあるため、これらの潜在的な需要も考慮に入れるべきです。 桑名市の一人当たり市町民所得は328万4千円で、三重県全体の県民所得を上回り、県内29市町中5位と比較的高い水準にあります(令和3年度)。この所得は企業の所得などを含んだ市町民経済全体の所得水準を表すものであり、住民個人の所得や賃金水準を直接表すものではない点に留意が必要ですが、地域経済が比較的豊かであり、企業や個人事業主が税理士サービスに支払う費用に対する許容度が高い可能性を示唆しています。これは、年間収入2,000万円超という高単価ビジネスモデルを構築する上で有利な環境であると考えられます。地域経済の豊かさは、高所得の個人事業主や富裕層の存在を示唆し、相続税対策や資産運用といった高付加価値な個人向け税務サービスへの需要も期待できるでしょう。 桑名市内の産業構造と事業所数 桑名市には6,291の事業所があり(全国179位)、特に第3次産業が4,975事業所(全国187位)と多く存在します。産業構造を見ると、「卸売業、小売業」が最も多く1,639事業所(全体の27.7%)を占め、次いで「製造業」が717事業所(12.1%)、「宿泊業,飲食サービス業」が699事業所(11.8%)と続きます。 特に「医療、福祉」分野に注目すると、桑名市における産業別従業者数では、「医療、福祉」が7,004人(全体の11.7%)を占めており、これは桑名市において医療・福祉分野が主要な産業の一つであることを明確に示しています。桑名市内の医療機関リストには、ヨナハ丘の上病院、多度あやめ病院、桑名病院、桑名市総合医療センターなど複数の病院や多数のクリニックが確認できます。三重県全体では、2024年に新設された法人が1,175社確認されており、これは2000年以降で過去4番目に多い数です。社会福祉法人についても、複数の施設が確認できます。このデータは、税理士の専門分野が地域に根差した大きな市場であることを裏付けています。医療・福祉法人は、一般的な事業法人とは異なる会計基準や税務上の特殊性を持つため、専門知識を持つ税理士への需要は高いと推測されます。新規設立法人の存在は、開業支援の機会も提供するでしょう。 桑名市の第3次産業就業者数は42,809人です。第3次産業には、医療・福祉、卸売・小売、宿泊・飲食サービスなどが含まれるため、この数値はサービス業や個人事業主が多いことを示唆しています。特に医療・福祉分野には、個人クリニックの医師や、訪問看護、介護サービスを提供する個人事業主なども含まれる可能性があり、これらの層も潜在的な顧問先となり得ます。個人事業主向けの税務顧問は、法人顧問に比べて単価は低い傾向にありますが、顧客数を増やす上で重要な基盤となり得ます。特に開業初期には、個人事業主からの依頼を積極的に受けることで、安定的な収益が確保しやすくなるでしょう。 <中略> 桑名市には115人の税理士会員と10の税理士法人が存在します。これは、税理士事務所間の競争環境が存在することを示しています。桑名市内の税理士事務所のオンライン評判を見ると、「親身で丁寧な対応」「迅速な対応」「話しやすい雰囲気」「経験豊富」といった点が顧客から評価されていることが分かります。 <中略> 税理士の専門分野における競合は存在するものの、ユーザーは10年間の勤務税理士経験があり、法人税申告、医業、福祉法人の決算経験という具体的な強みを持っています。競合が顧客対応の質に集中していることから、ユーザーは自身の専門知識の深さと、これまでの勤務経験で培った実務対応力を前面に出すことで差別化を図るべきであると考えられます。自身の専門性と経験に基づいた、より明確で競争力のある料金体系を提示することで、顧客獲得の優位性を築ける可能性があります。 医業専門税理士の成功事例では、独立を見据えて医業分野の経験を積むために転職した税理士が、自身の地元に病院が多いことを背景に専門分野を確立し、複数社から内定を得ています。また、介護・福祉事業者の税理士変更事例では、経理工数削減やアナログからの脱却といった具体的な課題解決が顧問契約に繋がっています。これらの事例は、税理士が自身の10年の経験を具体的な顧客メリット(例:効率化、適切な税務処理、経営改善)に変換して訴求することの重要性を示しています。専門分野の顧客獲得には、単に知識があるだけでなく、その知識が顧客のどのような課題を解決できるのかを明確に提示する「ソリューション提案型」のアプローチが有効です。セミナー開催やポータルサイト活用といった集客戦略も参考にすべきでしょう。 V.サービス戦略と顧客獲得計画 専門性を核としたサービスラインナップ 税理士の10年間の勤務経験で培った法人税申告、医業、福祉法人の決算経験を中核とするサービスを提供します。医業専門税理士の報酬相場は、医療法人で年商1,000万円以上5,000万円以下の場合、2ヶ月に1回訪問で月額25,000円〜、3〜4ヶ月に1回訪問で月額20,000円〜、決算のみで250,000円〜とされています。個人クリニックの場合、年商1,000万円以上3,000万円以下、3〜4ヶ月に1回訪問で月額15,000円〜、決算のみで150,000円〜が相場です。年間では医療法人で70〜90万円程度、個人クリニックで60〜70万円程度が相場とされています。社会福祉法人の顧問料は売上高2億円で年間70万円、3億円で80万円、2億円(介護・保育園)で90万円といった事例が報告されています。これらの医業・福祉法人の税理士報酬は、一般的な法人顧問料(年商1,000万円以下で月額1.5万円〜、決算10万円〜)と比較して高額であり、年間収入2,000万円超という高収入目標達成に直結する単価の高い顧客層をターゲットにできることを意味します。特に医療法人は年商1億円以上で月額40,000〜60,000円、決算料も高額になるため、高単価顧客の獲得が目標達成の鍵となります。高単価顧客は、単なる申告業務だけでなく、経営コンサルティング、M&A、事業承継といったより高度なサービスを求める傾向があり、税理士の10年の経験はこれらのニーズに応える基盤となり、さらなる収益機会を生み出すでしょう。 医業・福祉法人に特化しつつも、一般法人や個人事業主からの依頼も受けることで、開業初期の収益を安定させ、特定の業界に依存するリスクを分散できます。桑名市には「卸売業、小売業」や「製造業」など、医療・福祉以外の多様な事業所が存在するため、これらの顧客層も重要なターゲットとなり得ます。個人事業主の顧問料は月額1万〜3万円、確定申告料3万〜20万円が相場です。これらの顧客は、クラウド会計導入支援や記帳代行の内製化支援など、効率化を重視したサービスを求める可能性があります。専門分野以外の顧客を獲得する際には、クラウド会計ソフトの導入支援や記帳代行の効率化といった、コスト削減に繋がる提案が響きやすく、顧客獲得のフックとなります。 年間収入2,000万円超の目標達成には、単価の高い医業・福祉法人顧客からの高額な顧問料だけでなく、資金調達支援や事業承継、経営コンサルティングといった付加価値サービスが不可欠です。これらのサービスは、顧問料に加えて別途報酬が発生し、収益性を大きく高めます。資金調達支援は成功報酬として資金調達額の2〜5%、補助金・助成金申請は成功報酬15〜30%が目安です。特に、医業・福祉法人は、M&Aや事業承継、医療法人化・社会福祉法人化といった特殊なニーズを持つことが多く、税理士の専門性がここで最大限に活かされます。これらの高付加価値サービスは、顧客との長期的な関係構築にも繋がり、安定した収益源となります。 年間収入2,000万円超達成に向けた顧客獲得戦略 医業・福祉法人(病院、診療所、介護施設、保育園など)を最優先ターゲットとし、その上で一般法人、個人事業主(特に医療従事者、高所得者)をサブターゲットとします。桑名市に多数の医療機関・福祉施設が存在し、税理士の専門分野と合致することから、これらの法人を最優先ターゲットとすべきです。特に、新設法人は税理士を新たに探している可能性が高く、効率的なアプローチ先となります。ターゲットを明確にすることで、マーケティングメッセージ、使用する集客チャネル、提供するサービス内容を最適化し、限られたリソースを効率的に配分できます。 効果的な集客チャネルとしては、オンラインプレゼンスの強化と紹介ネットワークの構築が挙げられます。
<中略>
<中略> 報酬体系と価格戦略 税理士の10年の専門経験は、相場よりも高い料金設定を正当化する強力な根拠となります。ただし、競合の料金が不透明であるため、税理士は自身の料金体系を明確に提示し、その価格が提供する価値(専門性、迅速性、経営改善への貢献など)に見合うことを顧客に理解させる必要があります。創業支援特別価格や初回無料相談といったキャンペーンを導入することで、新規顧客の獲得ハードルを下げ、サービスの質を体験してもらう機会を創出することも有効です。 <中略> W.開業準備と事務所運営計画 開業手続きと必要書類 <中略> 事務所の立地選定と賃貸物件の検討 <中略> 初期費用と運転資金の概算 税理士事務所の開業費用は一般的に100万〜300万円程度と言われています。自宅開業なら30万円程度、レンタルオフィスなら70万円程度に抑えることが可能です。しかし、年間収入2,000万円超を目指すには、ある程度の事務所規模と来客対応可能な環境が必要となる可能性が高く、その場合、初期費用は約470万円程度に増え、事務所関連費用(賃料・内装費・備品)で350万円以上増えることがあります。 初期費用の内訳としては、税理士登録・入会費用(約20〜30万円)、PC・周辺機器・備品購入費(50万円〜)、ホームページ制作費(30万円〜)、会計・税務ソフト利用料(年間15〜25万円程度)、事務所賃料(敷金・保証金含む)、内装・設備費(10万円〜)、広告宣伝費(4.3万円〜)、運転資金(19万円/月〜)などがあります。開業後の運転資金として、最初の1〜2ヶ月分の生活費と事業費(100〜300万円程度)を用意することが推奨されます。開業初期の資金繰りを考慮し、レンタルオフィスやシェアオフィスの活用、あるいは自宅開業からスタートし、顧客が増えるにつれて事務所を移転するといった段階的なアプローチも有効です。これにより、初期投資のリスクを抑えつつ、事業の成長に合わせて柔軟に対応できます。初期費用を抑えることは、開業後の資金繰りのプレッシャーを軽減し、顧客獲得活動により多くのリソースを割くことを可能にします。 <中略> コスト削減策の検討 開業初期は特に、コスト削減が利益率向上に直結します。税理士費用の削減方法として、面談回数を減らす、オンライン面談の活用、記帳作業を自社で行う、依頼範囲を減らす、スポット契約への切り替えなどがあります。会計ソフトを活用し、領収書整理や会計ソフト入力を自社で対応することで月額1〜3万円の節約が可能になります。オンライン面談の活用は移動時間や交通費の削減に繋がり、業務効率化にも寄与します。 事務経費削減策として、リース契約の見直し、インフラ契約の見直し(電気、ガス、通信費)、業務のマニュアル化、出張費・交通費の見直し、アウトソーシングの活用、残業時間の削減、家賃交渉や移転、シェアオフィスの利用などがあります。これらの施策は、限られたリソースの中で最大限の利益を生み出すために不可欠です。クラウド会計ソフトの導入は、記帳業務の効率化だけでなく、顧客とのデータ共有を容易にし、オンラインでのサービス提供を強化する基盤となります。これは、将来的な業務拡大やリモートワーク導入の際にも有利に働き、人件費の削減や業務品質の向上に繋がり、結果的に収益性向上に貢献します。顧客の機密情報を扱うため、セキュリティ対策も同時に強化する必要があることを忘れてはなりません。 人員計画と業務効率化 開業初期は一人でスタートし、業務量に応じて採用を検討します。会計・税務ソフト、クラウドツールの導入は業務効率化に不可欠です。開業当初からクラウド会計ソフトや税務ソフトを導入することは、将来的な顧客増加に対応するためのスケーラビリティを確保する上で重要です。これにより、記帳業務の効率化、顧客とのデータ共有の円滑化、リモートワークへの対応などが可能となり、将来的にスタッフを雇用する際もスムーズな連携が期待できます。IT投資は初期費用となるものの、長期的に見れば人件費の削減や業務品質の向上に繋がり、結果的に収益性向上に貢献します。 X.財務計画と目標達成へのロードマップ 年間収入2,000万円超達成に向けた収益シミュレーション 年間収入2,000万円超の目標は、単価の高い医業・福祉法人顧客をどれだけ獲得できるかに大きく依存します。税理士の顧問料は年商や訪問頻度、記帳代行の有無で大きく変動します。具体的な顧客単価と必要顧客数の試算を以下に示します。
これらの顧客セグメントを組み合わせることで、目標達成に必要な顧客数を試算し、より現実的な顧客獲得目標と戦略を立てることができます。例えば、医業・福祉法人からの収入を全体の60%(1,200万円)、一般法人から25%(500万円)、個人事業主から15%(300万円)といった具体的な目標配分を設定し、それぞれの顧客単価から必要な顧客数を逆算することが考えられます。高単価顧客の獲得は時間がかかる可能性があるため、開業初期は個人事業主や小規模法人で顧客数を確保しつつ、並行して専門分野の顧客獲得に注力する段階的な戦略が重要です。これにより、安定したキャッシュフローを確保しながら、高収益体質への移行を目指せます。 3年間の収益・費用・利益計画 <中略> Y.結論と推奨事項 三重県桑名市における税理士事務所の開業は、高齢化の進展と医療・福祉産業の規模拡大という市場特性により、税理士の専門性を活かす大きな機会を提供します。年間収入2,000万円超という目標達成のためには、以下の戦略的推奨事項を実行することが不可欠です。
これらの戦略を計画的に実行することで、税理士は桑名市において自身の専門性を最大限に発揮し、3年以内に年間収入2,000万円超という目標を達成できる可能性が高いと考えられます。 |
税理士事務所の顧問先開拓のツールとして、地域・業種等を変更してGeminiのリサーチを使ってみるとよい。






















