2021/04/21 第二地銀と信用金庫の統合が実現すると……
2021/04/14 気軽に10年・20年後一括返済ローンを手にしよう
2021/04/07 専門士業を必要とするターゲット層の掘り起こし
2021/03/31 当社のことを全てわかってくれている……
2021/03/24 資金調達の新しい流れに乗る
2021/03/17 顧問先で手形がなくなると……
2021/03/10 電子申告以外に電子申請の助言も必要な時代

第二地銀と信用金庫の統合が実現すると……(2021/04/21)

 顧問先である中小企業の取引銀行が「地銀再編」の対象行になっているのかを探ってくことは、経営者にとっても会計事務所の担当者にとっても重要な事柄の一つになってきた。

 「地銀再編」というと

  1. 地域内での有力地銀が他の地銀を統合するパターン
  2. 地銀規模に差がなく隣接地域同士での統合を目指すパターン

が一般的であったが、合併転換法の改正案として俎上にあがっている

  1. 第二地銀が協同組織金融機関に戻り、有力な信用金庫と統合するパターン

も考えられている。

 借主である中小企業にとっての「地銀再編」は

  1. 再編によって店舗の統合・廃止が進み、自社の永年の取引店舗がなくなるリスク
  2. 同様に支店長及び担当者との継続的な引継ぎによる定性的情報が途切れるリスク
  3. 統合後の銀行の取引先数が増加することでマッチングの機会が増えるメリット
  4. 再編によって銀行の数が減ることで事業者による銀行取引の選択の幅は狭くなるリスク

がある。

 大規模な金融緩和は今後も続き、銀行の収益環境は確実に悪化する。コロナ禍で倒産を防ぐために大量の資金が中小企業に流れたものの、結果として、過剰債務に陥った中小企業を大量に作ってしまったツケの後始末が、銀行の体力を更に奪ってしまうだろう。

 京都中央信用金庫は貸出残高3兆円、預金残高5兆円を達成した。信用金庫255行のうち1兆円以上の貸出残高を有する信用金庫は17行ある(2019年4月時点)。

 38行ある第二地銀での貸出残高1兆円を超す第二地銀は15行に過ぎない(2019年4月)。

 地域の優良な中小企業は地銀がメインバンクとなり、地域の優良な小規模事業体は地元の信金に取られ、結果、一部の第二地銀が相当の苦しみを抱えている。

 今国会で合併転換法の改正が行われると

  1. 地域内の有力な第二地銀と有力な信用金庫の統合
  2. 地域内の有力な信用金庫が苦境の第二地銀を吸収統合

というケースもありえるかもしれない。

 自社の取引銀行が今後どのような再編劇の役割を果たすのか注視しておかねばならない。

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気軽に10年・20年後一括返済ローンを手にしよう(2021/04/14)

 自民党政務調査会による「金融調査会・地域金融に関する小委員会緊急提言」が、3月4日に公表されている。

 コロナ禍の終焉が見えない中、多くの中小企業がコロナ特別融資で得た資金も底が尽きはじめ、返済期限も近づく中での、今後の中小企業金融面での対応についての提言である。

 主たるポイントは

  1. 日本政策金融公庫のコロナ対策資本性劣後ローンの活用
  2. 信用力向上に繋がせ
  3. 民間金融機関からの融資協力を得られやすくする
  4. 第二次補正で3兆円の予算がついているのに、2,600億円程度しか利用されていない
  5. 資本性劣後ローンの理解を中小事業者に浸透させ
  6. 認定支援機関のサポートによる事業計画書の策定を強力に進めよう

 日本公庫の資本性ローンには、小規模事業向けの「国民生活事業」と中堅企業向けの「中小企業事業」があり、年商で5億円未満程度の小規模な中小企業は「国民生活事業」の資本性ローンが使える

 コロナ対策資本性ローン(国民生活事業)を簡単に言えば

  1. 無担保・無保証
  2. 期限一括返済(5年、10年、20年)
  3. 導入したローンは負債でなく資本として査定される
  4. 最初の3年間の金利は0.95%、その後は利益額によって4.7%までの金利水準になる
  5. 融資限度額は7,200万円、コロナ特別融資を満額受けていても申請は可能
  6. 対象となる企業は、民間金融機関の協調支援があるか、税理士等の認定支援機関の指導による事業計画書の策定が要件

 この制度の利用が進まないのは、資本性劣後ローンなどという悪いネーミングゆえかもしれない。いくら国が使え・利用せよと発破をかけても、意味が解らない人のほうが多いだろう。「10年・20年後の一括返済でバランスシートには負債として計上されないローン」といったネーミングの方が解りやすい。

 会計事務所の職員ですら、小規模な顧問先では「非該当」として片付けてしまう恐れもある。事業計画書は公庫のホームページでダウンロードできる。記入例も掲示されている。

 今回の自民党の政策調査会の提言で、日本公庫へも圧力がかかるかもしれない。

 特別融資を使い果たし、今後更に追加融資を望んでいる顧問先があれば、10年後一括返済の資金を獲得して、コロナ禍での生き残りの提案をすることも必要ではないか

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専門士業を必要とするターゲット層の掘り起こし(2021/04/07)

 公認会計士・税理士が運営する(株)betterでは、個人がweb上で行うbetter相続税申告を69,000円の定額でサービス提供している。このサービス利用者が相続で取得した不動産の名義変更登記も、「better相続登記」で法務局に提出する登記申請書が作成でき、コストは20,000円の定額である。

 今回、「better相続登記」単独の利用も可能になった。「better相続税申告」同様、ごく一般的な通常人にある相続登記なら、司法書士等の専門家に依頼しなくても完成させることができるという触れ込みである。

 web画面では、最初に相続登記に必要な書類を「どこで」収集し、「いくら」コストが必要かも明記される。資料収集が終わると申請書の自動作成画面に移行し、法務局への提出準備まで画面上でリードされる。

 問題は、一般的な通常人に発生する相続登記なら「自分でできる」という触れ込みなので、「better相続登記」が謳う「自分でできる……」要件(赤字は特に重要)は

  1. 相続する不動産の洗い出しができている
  2. 遺言書の検認手続きが終わっている
  3. 遺産分割協議が完了している
  4. 相続する不動産の権利関係が複雑でない
  5. 不動産を相続する人のなかに未成年(満18歳未満)がいない
  6. 「配偶者居住権」の登記は必要でない
  7. 法定相続人の中に行方不明者、音信不通の者はいない
  8. 法定相続人の中に高齢・病気等で判断能力がない者はいない
  9. 相続不動産の名義が被相続人である

 逆に言えば、上記要件のうち一つでも「否」があれば専門家の助言を要し、webで簡単に済ませることではない。しかし、2023年から相続する不動産の名義変更は「必然」となるので、「相続税申告」は対象者が限られても「相続登記」は大半の国民に課せられてくるから、「better相続登記」のようなwebサービスは重要な地位を占めるだろう。

 会計事務所も地域の一般人にデジタル化された行政手続き等をリードすることは、今後も必要とされるだろう。
 専門家はこうしたwebサービスが「どういうターゲット」なら適しているかは理解できるので、自らの手間をあまり要しないですむwebサービスの普及活動を通じて、本当に専門サービスを必要とするターゲットの掘り起こしに使えるのではないか。

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当社のことを全てわかってくれている……(2021/03/31)

 2回目の緊急事態宣言も解除されたが、同時にリバウンド傾向が全国で見られるようになってきた。欧州では「現在の感染予防の生活スタイルは数年以上かかる」との報道もあった。

 北陸の地銀の北國銀行は、勘定系のシステムを全国初のクラウドに置き換えるなど、業務のデジタル化を進める急先鋒の存在である。北國銀行がこのたび「同業の銀行のコンサルティング」を事業として開始するといった報道があった(3/23日経)。ライバル行にデジタル化によるコスト削減の手法を伝授するそうだ。

 デジタル化により、北国銀行の取引先担当者の定期訪問による対面サービスが減っていく中で、顧客経営者からは「メインバンクは北國銀行だが、重要な相談は他行にもするようになった」と、日常業務の合理化の副反応とも言える現象も生じてきているようだ。

 会計事務所も月次の定期訪問を欠かさないことで、顧問先の「すべてを知ってもらっているという安心感」が顧問契約の長期化に繋がっていた。しかしコロナの長期化で、非対面・オンライン相談が今後も続き、やがては非対面相談が会計事務所と顧問先のコミュニケーションを取る主流の様式に変わっていく可能性が高くなってくるのかもしれない。

 逆に言えば、非対面相談が主になっても、「当社の強み・弱みを把握してくれている」「個人資産も把握しているので相続問題も安心して任せておける」など顧客の絶大な信頼があればよいが、そうでない場合には、冒頭の銀行のように「重要な相談はメインでない他行に頼る」ようなことが、会計事務所業界でも起こらないとはいえない。

 昨今の「アイミツ」や「比較ビズ」のような新規顧客マッチングサイトで、「税理士」の需要が高まっているのをみると、「当社を分かってくれる」税理士探しがマッチングサイトを更に活性化させることになるのかもしれない。

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資金調達の新しい流れに乗る(2021/03/24)

 日本証券業協会の「株式投資型クラウドファンディング統計情報」を見ると、2020年の1年間での募集金額が「株式申込」ベースで約16.4億円、「新株予約権申込」ベースで5.4億円、合わせて約22億円の資金調達が行われたことになる。成立件数が双方で約70件なので、1社あたり約3,000万円の資金が各クラウドファンディングの個人会員からの応募で調達できた勘定である。

 今年の2月までの2ケ月間での実績は、株式払込で3.5億円、新株予約権で1.3億円となり、合計約5億円を個人会員からの資金調達を可能にした。株式型クラウドファンディングの知名度が浸透し始めてきた結果であろう。

 株式型クラウドファンディングの運営会社の選定ポイントは、既存会員数及び運営会社と協業する大手企業の集客力にあるといっても過言ではない。会員一人が投資できる金額は50万円までと定められているため、一定の資金調達を達成するには多くの会員数を必要とする。

 2017年からサービスを開始したファンディーノは、会員数約6万人で累計48億円を集めた実績がある。

 2019年サービス開始のユニコーンは、マザーズ上場のZUU(会員数400万人 金融情報サービス)が大株主で、今後の会員集客力が期待できる。3月19日に同社18号案件として登録された「顔認証受付管理システム」をサービス提供する会社は、僅か1日で2,200万円強の応募があり、目標金額を上回った。
 同じく、3月16日に募集開始した医療関係のレセプトチェックサービスの会社は6,000万円強の応募があり、目標上限額の金額を数日で達成した。

 2020年開始のイークラウドは大和証券グループと協業している。最近では、全国の農産物等をカタログギフトで紹介し贈答品用に販売、前年比3倍の売上をあげた企業が、イークラウドで6,000万円の資金調達に成功した。

 事業再構築補助金の指針も公開されたが、この指針による「新規性」を計画に掲げる中小企業や小規模事業なら、株式型クラウドファンディングでも取り上げられる可能性は高い。
 事業再構築補助金は計画達成で資金が下りるが(資金先行)、クラウドファンディングは個人から自社の公募資金として使えるので、十分な検討がなされても良いと思う。

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電子申告以外に電子申請の助言も必要な時代(2021/03/10)

 顧問先から「gBizID(ジービズアイディ:GビズID)の取得の方法判る? IDのアカウントにエントリー、プライム、メンバーと3つの種類があるようだけど、当社はどれを取得すれば良いの?」と質問されて、税理士事務所の担当者は即答できるだろうか?

 昨年4月から開始されたGビズIDを使った社会保険の電子申請は、顧問社労士が顧問先に助言しているだろうし、経産省の補助金申請を行政書士を使って行っている中小企業や個人事業主は、GビズIDのことも知らされているだろう。

 しかしながら、社労士も行政書士も関与していない関与税理士のみが相談相手といった中小企業・個人事業主は多いが、税理士も社会保険や補助金申請は専門外なのでと敬遠したがる傾向があるので、GビズIDを税理士側から積極的に助言することは難しいだろう。

 政府の行う行政サービスはe-Govで電子申請や届け出を行うようになっていたが、それには電子証明書が不可欠で利用者側はコスト及び手間が負担で、正直、殆ど普及していないと言っても過言ではない。

 昨年4月から始まったGビズIDの最大の特徴は

  1. 電子証明書を必要としない
  2. 一つのアカウントで補助金申請や社会保険申請・手続き等の複数の行政サービスが利用できる
  3. 近い将来、マイナポータルとの連携で個人が必要とする手続きの簡素化が期待できる

 大型補助金である事業再構築補助金の申請もGビズIDで行うことができ、非対面での一気通貫型の申請手続きとなるが、ここで必要なGビズIDのアカウントの種類はプライム(gBizIDプライム)であることを知っておかねばならない。

 gBizIDプライムは法人代表者若しくは個人事業主しか取得できず、補助金申請にはgBizIDプライムでしか申請できない。gBizIDプライムを取得するには専用ページで必要情報を入力、プリントし、実印を押印をして、印鑑証明書を同封の上、郵送で審査を行い、問題なければGビズIDで社会保険や補助金のサイトにログインでき手続きが受けられる。

 特に事業再構築補助金の申請を検討している顧問先には、このgBizIDプライムの取得を急がせておかねばならない。

 審査には通常で2週間程度、混んでいればさらに時間を要することになり、補助金申請期限に間に合わなくなるかもしれない。

 同じアカウントで各種の行政サービスが受けられる体制が整い始めた。「士業」も専門領域と異なるものには関心がないでは済まなくなった


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