先日、11月24日に公表された「インボイス制度開始後において特にご留意いただきたい事項」についてご案内しましたが、その際、登録通知が未達の場合の対応について少し触れました。
この場合は、インボイスとして認められるための方法でしたが、そもそも登録番号の記載がないことを理由にインボイスとして認められない場合に、仕入税額控除の適用ができないが、免税事業者からの課税仕入れ等に係る経過措置の適用は受けられないのでしょうか。
その点について、先日来ご案内している「多く寄せられるご質問(令和5年11月13日更新)」より問F(適格請求書発行事業者からの課税仕入れに係る経過措置の適用等)で、適用できる旨が記載されています。
具体的には、経過措置(仕入税額相当額の80%・50%相当を仕入税額とみなして)控除できるのは、インボイス発行事業者以外の者である場合に限らない、とあります。
つまり、インボイス発行事業者であっても問題ない、ということになります。
ただし、1点、気をつける点があります。
それは、経過措置を適用するには、区分記載請求書等の記載事項を満たしたものである、という点です。
これは、免税事業者からの課税仕入れについて経過措置の適用を受けるための条件です。同じ条件が付加されている、と考えればよいでしょうし、これまでも仕入税額控除の適用を受けるために区分記載請求書等として収受はしていたはずですから、確認も容易かと思います。
ですから、冒頭の「インボイス発行事業者から登録番号の記載がない請求書等」について、登録番号以外はインボイスの記載要件を満たしていれば、区分記載請求書等の記載事項を満たしていることと同等になるため、問題なく経過措置の適用を受けることができます。
現状であれば80%は控除できるため、影響する金額や確認数等によっては経過措置を適用する、という検討もできるかと思います。
実状に応じて判断いただくとよいでしょう。