作成日:2022/06/09
インボイス制度の円滑な導入・実施について 日税連
日本税理士会連合会は、「インボイス制度の円滑な導入・実施について」と題し、提案書を同会サイトで公表しました。
○インボイス制度の円滑な導入・実施について
ここで提案されている内容は、次の2点です。
- 免税事業者からの課税仕入れに係る仕入税額控除の適用について、経過措置となっている80%控除を当面の間維持すること
- 現状帳簿保存のみで認められている「3万円未満」の少額取引について、インボイス制度開始後も引き続き認めること
3万円未満の取引について、現状では、領収書等がもらえなくても帳簿保存のみで仕入税額控除の適用が認められています。
これがインボイス制度開始後は、例外を除き、認められません。
例外とは、以下のような取引を指します。(問82「帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合」より)
- @ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
- A 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(@に該当するものを除きます。)
- B 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
- C 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
- D 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
- E 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
- F 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
- G 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
- H 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)
3万円未満の少額取引については、インボイス制度が始まると実務では地味に痛いのではないかと思われていましたが、上記提案書に記載されるくらいですので、やはりそうなのだと感じました。
ただ、これを認めてしまえば免税事業者からの課税仕入れの問題は解消しないのではないか、という気もしますので、提案が受け入れられるか否かは不透明です。
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