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作成日:2023/09/20
お問合せの多いご質問 9月15日更新 国税庁



国税庁サイトで公表されている『お問合せの多いご質問』が9月15日に更新されました。

○お問合せの多いご質問(随時更新)(PDF/610KB)

全体の問は、4月14日更新と同一でしたが、追加問として整理しているもののうち、今回新たに2問追加されています。そのうちの1問にはETCの利用料金の保存書類について、以下のように掲載されていました。

(高速道路利用料金に係る適格簡易請求書の保存方法)

問C 当社では高速道路を頻繁に利用するのですが、高速道路利用について、いわゆるETCシステムを利用し、後日、クレジットカードにより料金を精算しています。この場合、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書の保存により仕入税額控除を行うことはできますか。

【答】

クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付するクレジットカード利用明細書は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成及び交付する書類ではなく、また、課税資産の譲渡等の内容や適用税率など、適格請求書の記載事項も満たしませんので、一般的に、適格請求書には該当しません。

そのため、高速道路の利用について、有料道路自動料金収受システム(ETCシステム)により料金を支払い、ETCクレジットカード(クレジットカード会社がETCシステムの利用のために交付するカードをいい、高速道路会社が発行するETCコーポレートカード及びETCパーソナルカードを除きます。)で精算を行った場合に、支払った料金に係る仕入税額控除の適用を受けるには、原則、高速道路会社が運営するホームページ(ETC利用照会サービス)から通行料金確定後、適格簡易請求書の記載事項に係る電磁的記録(以下「利用証明書」といいます。)をダウンロードし、それを保存する必要があります。

他方、高速道路の利用が多頻度にわたるなどの事情により、全ての高速道路の利用に係る利用証明書の保存が困難なときは、クレジットカード会社から受領するクレジットカード利用明細書(個々の高速道路の利用に係る内容が判明するものに限ります。また、取引年月日や取引の内容、課税資産の譲渡等に係る対価の額が分かる利用明細データ等を含みます。)と、利用した高速道路会社及び地方道路公社など(以下「高速道路会社等」といいます。)の任意の一取引(複数の高速道路会社等の利用がある場合、高速道路会社等ごとに任意の一取引)に係る利用証明書をダウンロードし、併せて保存することで、仕入税額控除を行って差し支えありません。

(注)1 利用証明書については、クレジットカード利用明細書の受領ごとに(毎月)取得・保存する必要はなく、高速道路会社等が適格請求書発行事業者の登録を取りやめないことを前提に、利用した高速道路会社等ごとに任意の一取引に係る利用証明書を令和5年10月1日以後、一回のみ取得・保存することで差し支えありません。また、例えば、A高速道路会社からB高速道路会社を経由してC高速道路会社の料金所で降りた際、C高速道路会社がまとめて利用証明書を発行している場合には、C高速道路会社の利用証明書を保存することになります。

2 空港と内陸部を結ぶ連絡橋の通行料金(空港連絡橋利用税)など、消費税の課税対象とならない金額がある場合、その金額は仕入税額控除の対象外となりますのでご留意ください。

消費税の仕入税額控除を適用する場合、クレジットカードを利用した課税仕入れについて、当該クレジットカード明細書では保存を要する請求書等として認めてもらえません。そのため、それぞれの請求書や領収書等の書類を準備して保存する必要があります。当然、インボイス制度下では、記載事項要件を満たしておらず、インボイスにも該当しません。

上記高速道路料金、いわゆるETC料金について、ETCクレジットカードによる精算についても例外ではなく、これまでETC利用照会サービスのサイトにログインし、利用証明書をダウンロードして、それを保存する必要があると考えられてきました。

ところが、上記FAQが出たことにより、『高速道路の利用が多頻度にわたるなどの事情により、全ての高速道路の利用に係る利用証明書の保存が困難なとき』には、クレジットカード利用明細書と、利用した高速道路会社等ごとに任意の一取引に係る利用証明書をダウンロードし、併せて保存することで仕入税額控除を行うことが可能であることが判明しました。

このことについて、ETC利用照会サービスサイトで、図解付きで紹介されています。

○ETCクレジットカードを利用した高速道路利用に係るインボイス対応について

図解で見た方が理解しやすいと思います。

いずれにしろ、緩和されたとしてもクレジットカード明細書の保存だけではダメだ(高速道路会社等ごとに最低限1回分の利用明細書も必要)ということを理解しておきましょう。

そのうち国税庁のQ&Aが更新されるでしょうが、それまでの間は、上記サイトで内容をご確認いただくとよいでしょう。


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