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作成日:2019/01/21
飲食料品の製造業者が発注元から有償又は無償で支給される原材料等を使用して飲食料品を製造し、発注元へ納品した場合の資産の譲渡等に係る適用税率について



 軽減税率は、消費税率が上がる10月1日から施行されますが、この軽減税率が適用できるかどうかの判断は慎重に行う必要があります。対消費者向けの販売関連については、報道等を含め情報が出ていますが、製造業者や中間業者にあっては公な情報は少なく、その判断に迷うケースも見受けられます。


 そのような中、この軽減税率が適用できるか否かについて、発注元から原材料を有償又は無償で支給されるケースを例とした文書回答事例が東京国税局から公表されました。確認しましょう。

 ○飲食料品の製造業者が発注元から有償又は無償で支給される原材料等を使用して飲食料品を製造し、発注元へ納品した場合の資産の譲渡等に係る適用税率について
http://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/shohi/181207/index.htm
 
 発注元から原材料等を有償又は無償で支給を受けて製造し、納品している製造業は一般的にあるケースだと思います。 
 そのような場合に、対象となる製品が軽減税率の対象となる「飲食料品」であるときは、この軽減税率の適用となるのか否かを判断しなければなりません。

 そのことについて、次の5つのケースを例に、軽減税率の適用可否が示されています。

  原材料A(※1) 原材料B(※2) 包装資材A(※3) 包装資材B(※4) 適用税率
発注元1 有償支給 自社調達 有償支給 軽減税率
発注元2 有償支給 自社調達 自社調達 有償支給 軽減税率
発注元3 無償支給 自社調達 無償支給 標準税率
発注元4 無償支給 自社調達 自社調達 無償支給 標準税率
発注元5 無償支給 標準税率
  1. (※1)原材料A:コーヒー豆、茶葉、砂糖又は乳等
  2. (※2)原材料B:基本的に添加物
  3. (※3)包装資材A:ペットボトル容器の素となる原材料
  4. (※4)包装資材B:キャップ、ラベル、梱包用のダンボール

 発注元1と2のケースは、原材料等は自社調達で管理し、完成物の所有権の移転時期は発注元への完成品引渡し時期とし、販売代金は現材料等に賃料を加えたものとしています。これらを踏まえ、製作物供給契約における製造販売方式として、飲料製品の製造販売契約と考え「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率を適用する、とあります。

 一方、発注元3、4、5のケースでは、原材料等が基本的に無償支給であること、自社調達分は副次的な原材料等であること、また実態でも製作物供給契約における賃加工方式として、賃料+資材代(調達分)=加工賃料として請求(取引)をしていることから、「役務の提供」に該当し、標準税率を適用する、とあります。


 簡易課税においても、それが加工賃料なのかどうかによって事業区分が異なるように、軽減税率の適用に関してもその取引がどのようなものなのか、をよくよく検討して結論を出す必要があります。 ご注意ください。



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