新型コロナウイルス感染症に関連した助成金等について、課税の取扱いは、先日ご案内したとおりです。
実務上、問題となっていたのが、医療機関・薬局等における感染拡大防止等の支援として、新型コロナ疑い患者とその他の患者が混在しない動線確保など院内での感染拡大を防ぐための取組を行う医療機関・薬局等について、感染拡大防止対策等に要する費用に対する補助金の収入計上時期です。
これに関して、国税庁は、1月13日付で更新した「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」に、追加する形で明確化しました。
端的にいえば、経費補填の補助金については、経費の支出との見合いで収入計上する、との取扱いです。
ただ、実務上の問題は残ります。
たとえば、冒頭でご案内した医療機関・薬局等への補助金ですが、これは概算で申請することも可能です。この場合、その経費が補填に見合う経費として認められるのは、実績報告の段階です。
概算申請に関しては、事前に経費申請して承認を受けてから当該申請書に記載された経費を支出するのではなく、先に概算で収入を受け取り、対象となると思わしき経費を支出、その後、実績報告をして認めてもらえるかどうかを判断してもらう、という流れです。
つまり、実績報告の段階で、経費が対象外と判断されてしまう可能性を秘めています。
このような状況下で、実績報告が年を跨いだ場合に、果たして認めてもらえるかどうかわからない経費の支出に対して、見合う補助金を収入計上するの? という実務上の問題が発生します。
上記FAQでは、この点にまで踏み込んでいませんが、経費と紐づけて収入計上することは明確化されました。
そのため、年末までに確定していない先については、どの経費が対象になるのか、洗い出さなくてはなりません。対象経費が少数ならいいのですが、多数ある先については、早急に事務処理を行いましょう。