温室効果ガス排出削減目標の達成等に向けた取組の一つとして、森林整備等があります。この整備等を行う財源確保のため、平成31年度税制改正により、森林環境税及び森林環境譲与税が創設されました。
森林環境譲与税は、財源を各自治体へ配分することを指しており、令和元年度からすでに施行されています。取組状況等は、林野庁のサイトが参考になります。
他方、森林環境税は、令和6年度から徴収が開始されます。
具体的には、毎年1人1,000円納めることとなります。
森林環境税は国税ですが賦課徴収は市町村が行うため、実質、住民税に上乗せして納付するかたちとなることが想定されています。
ただし、どの税金にもあるように、課税されない一定の者は存在しています。
法律(森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律)では、以下の3つが規定されています(第4条)。
- 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の規定による生活扶助その他これに準ずるものとして政令で定める扶助を受けている者
- 障害者、未成年者、寡婦又はひとり親(これらの者の当該年度の初日の属する年の前年(次号において「前年」という。)の合計所得金額が百三十五万円を超える場合を除く。)
- 前年の合計所得金額が政令で定める金額以下である者
このうち、上記3.の「政令で定める金額」について、施行令が9月9日公布されたことで具体的な金額が明らかとなりました。
第一条 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律(以下「法」という。 ) 第四条第一項第三号に規定する政令で定める金額は、第一号に掲げる金額に、法の施行地に住所を有する者の同一生計配偶者(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第二百九十二条第一項第七号に規定する同一生計配偶者をいう。以下この条において同じ。 ) 及び扶養親族(地方税法第二百九十二条第一項第九号に規定する扶養親族をいい、年齢十六歳未満の者及び同法第三百十四条の二第一項第十一号に規定する控除対象扶養親族に限る。 以下この条において同じ。 ) の数に一を加えた数を乗じて得た金額に、十万円を加算した金額(その者が同一生計配偶者又は扶養親族を有する場合には、当該金額に第二号に掲げる金額を加算した金額)とする。
一 三十五万円に、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第八条第一項の規定により厚生労働大臣が定める保護の基準における地域の級地区分(当該年度の初日の属する年の前年(以下この条及び第五条において「前年」という。 ) の十二月三十一日における地域の級地区分とする。 )ごとに、総務省令で定める世帯につき前年において同法第十一条第一項第一号から第三号までに掲げる扶助に要した費用として算定される金額を勘案して総務省令で定める率で、住所所在市町村(法第七条第一項に規定する住所所在市町村をいう。次号において同じ。 ) が同日において該当した当該地域の級地区分に係るものを乗じて得た金額
二 二十一万円に、前号に規定する総務省令で定める率で住所所在市町村が前年の十二月三十一日において該当した同号に規定する地域の級地区分に係るものを乗じて得た金額
読んでいただくとお分かりのとおり、現状の住民税が非課税となる合計所得金額と同一です。
なお、上記の非課税とは別に災害等による免除の場合もあり、その際の申請手続や免除額などについても今回公布された施行令で定められています。本日現在は、法令検索サイト(e-GOV)上には掲載されていないため、詳細は官報、あるいは総務省から各自治体へ発出した通知等で確認されるとよいでしょう。