作成日:2019/04/24
医療用機器等の特別償却 〜4月1日から対象となる高額医療用機器等〜
平成31年度税制改正により、医療用機器等の特別償却について、対象資産の見直し等が図られ、適用が2年延長されています。
見直しの内容としては、従来からの制度の他、次の2つの医療用機器等に関して措置が新設されています。- 医療提供体制の確保に資する勤務時間短縮用設備
- 構想適合病院用建物等の取得等
今回ご案内するのは、取得価額の12%を特別償却費とすることができる従来からの制度です。
従来から適用されている、対象となる医療用機器等とは、『取得価額500万円以上の高額医療用機器等』になります。
この場合の高額医療用機器等とは、高度な医療の提供に資するものとして指定をされたもの、又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第5項等に規定する高度管理医療機器・管理医療機器・一般医療機器で厚生労働大臣の指定を受けてから2年以内のものに限られています(措令6の4他)。
この“高度な医療の提供に資するもの”としての指定は、税制改正にあわせて厚生労働大臣が財務大臣と協議し、厚生労働大臣が告示します。
今般行われた告示第150号により、別表1、2、3、5および6が改正されています。
一覧表は別途ご用意しますのでそちらをご参照いただくとして、ここでは各別表において新設・削除された資産を以下ピックアップしました。ご参考ください。
(別表1) 主にがんの検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
- 超音波式角膜厚さ・眼軸長測定装置
- 内視鏡用ビデオカメラ
- 自動細胞診装置
- 自動染色装置
- 超音波式角膜厚さ計
- 眼科用超音波画像診断・眼軸長測定装置
- 超音波式角膜厚さ計・眼軸長測定装置
- 超音波装置用シンクロナイザ
(別表2)主に心臓疾患の検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
- 経皮心筋焼灼術用電気手術ユニット
- 循環補助用心内留置型ポンプカテーテル用制御装置
- ホルタ解析装置
- 心臓マッピングシステムワークステーション
(別表3)主に糖尿病等の生活習慣病の検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
- 可搬型手術用顕微鏡(眼科医療又は歯科医療の用に供するものに限る。)
- 顕微鏡付属品
(別表5)主に歯科疾患の検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
- 炭酸ガスレーザ
- ネオジミウム・ヤグ倍周波数レーザ
- ダイオードレーザ
- 罹患象牙質除去機能付レーザ
- 歯科矯正用ユニット
- 歯科小児用ユニット
- 可搬型手術用顕微鏡(歯科医療の用に供するものに限る。)
(別表6)異常分娩における母胎の救急救命、新生児医療、救急医療、難病、感染症疾患その他高度な医療における検査、治療、療養のために用いられる機械等のうち次に掲げるもの
新設:
- 質量分析装置
- 血液培養自動分析装置
- 微生物分類同定分析装置
- 微生物感受性分析装置
- 微生物培養装置
- 手術用ロボット手術ユニット
- 能動型上肢用他動運動訓練装置
- 混合ガス麻酔器
- 医用ガス調整器
- ポータブル麻酔ガス送入ユニット
- 吸入無痛法ユニット
- 電気麻酔用刺激装置
- 麻酔ガス送入ユニット
- 高周波病変プローブ
- 高周波病変ジェネレータ
なお、平成31年度税制改正により、高額医療用機器等であっても以下の4つについて、構想区域等に所在する病院において医療保健業の用に供する場合には、一定の要件を満たすものに限られます(告示第151号)。この点は、平成31年度税制改正により追加された要件です。あわせてご確認ください。
- 超電導磁石式全身用MR装置
- 永久磁石式全身用MR装置
- 全身用X線CT診断装置(4列未満を除く。)
- 人体回転型全身用X線CT診断装置(4列未満を除く。)
厚生労働省告示第百五十号(平成31年3月29日)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H190402G0030.pdf
厚生労働省告示第百五十一号(平成31年3月29日)
https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/hourei/H190401G0130.pdf
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