eLTAX(地方税ポータルシステム)を利用して、給与支払報告書を提出している場合、提出先である地方公共団体の状況によって、平成28年度分より特別徴収税額通知をデータで受取ることが可能となっています。
○eLTAX地方公共団体のサービス状況の一覧(Excel形式)2017年5月12日現在
http://www.eltax.jp/www/contents/1402214565617/index.html
この特別徴収税額通知をデータで取得する場合には、「電子署名有り」と「電子署名無し」の2種類あります。両者の違いは次のとおりです。
○2種類の「特別徴収税額通知データ」の違いについて
https://eltax.ba.accelatech.com/publish/213605/0
5月12日現在で公表されている上記データによれば、「電子署名有り」は131、「電子署名無し」は791の地方公共団体がそれぞれ対応しているようです。
ただし、下記フローチャートにあるとおり、「電子署名有り」に対応している地方公共団体であっても、受取方法を「電子データ」に設定しない限り、個人番号が記載されている特別徴収税額通知はデータとして届きませんし、この場合に当該地方公共団体が「電子署名無し」に対応していなければ、個人番号の記載がないデータを取得することもできません。
データで取得した場合に気をつける点としては、「電子署名有り」に対応している地方公共団体の場合には、取得したデータには基本的に個人番号が記載されていますので、データの取得と保存、それから管理を厳格にしていく必要があります。また、このデータ自体に法的効力があるため、別途書面による通知がないことも留意すべき点といえるでしょう。
一方、「電子署名有り」に対応していないが「電子署名無し」には対応している地方公共団体の場合、“特別徴収税額通知データ”が電子送信されてきますが、ここには個人番号の記載はなく、この書類自体に法的効力はないため、別途書面で通知が届きます。書面での通知については、基本的には個人番号が記載されているはずですが、地方公共団体によって番号が伏せられている場合もあるようです。個人番号の記載がある場合の取扱いについては、データによる取得と同様、番号法に基づく関係事務の範囲で特定し、かつ、それを本人に通知又は公表していることが必要であるとともに、その利用目的の達成に必要な範囲に限って利用する必要があります。
このことに関しては、日税連サイト上でも<総務省からのお知らせ>として掲載されていますので、ご確認ください。
○<総務省からのお知らせ>「特別徴収税額決定通知書(特別徴収義務者用)」に記載される個人番号の取扱いについて
http://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/p170414/
ところでeLTAXに関連することについては、同サイト上でFAQとして掲載されていますが、このFAQが先日更新されました。
○FAQの掲載について
http://www.eltax.jp/www/contents/1495498370395/index.html
今回の更新では、特別徴収税額通知に関連するものを含め、4つのFAQが追加されています。
なお、平成29年度の特別徴収税額決定通知データ(電子署名無し)の送信スケジュールは、次のURL先に掲載されています。
○平成29年度個人住民税特別徴収税額決定通知データ(電子署名無し)の送信について
http://www.eltax.jp/www/contents/1492132061797/index.html
“データ”“書面”いずれにしろ、特別徴収税額決定通知はそろそろお手元に揃っている頃ではないでしょうか。
来月(6月)の給与支給分から、新しい年度(29年度)の住民税額の控除がスタートします。給与計算ソフトを利用している場合には、控除する住民税額を誤らないように各人の決定通知を確認し、適宜データ更新等の処理をしましょう。