作成日:2016/08/05
消費税率引上げ再延期に係る法案の原案 与党が公表
6月の安倍首相による消費税の税率引上げ再延期表明に伴い、与党は8月2日、税率引上げ再延期に係る法案の原案を公表しました。
○消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置
https://www.jimin.jp/news/policy/132828.html
すでに先日、「消費税率引上げが延期されると、消費税だけでなく他の税目にも影響が」として、消費税そのもの以外にも、影響が生じる税目について記載をしましたが、この点についても言及されています。
上記税制上の措置に関して最もまとまっているのは、財務省が発行している税制メールマガジンです。具体的には、8月3日付発行の「税制メールマガジン 第89号」内で次のようにまとめています(一部抜粋)。
■税率引上げ関係
(1)税率引上げ時期:
【現行】 【改正後】
平成29年4月1日 ⇒ 平成31年10月1日
(税制抜本改革法で規定)
(2)請負契約等に係る経過措置の指定日:
平成28年10月1日 ⇒ 平成31年4月1日
■軽減税率関係
(1)軽減税率導入時期:
平成29年4月1日 ⇒ 平成31年10月1日
(2)適格請求書等保存方式の導入時期:
平成33年4月1日 ⇒ 平成35年10月1日
(3)税額計算の特例の適用期間:
○ 売上税額の計算の特例(中小事業者向け)
4年(平成29年4月〜平成33年3月末)
⇒ 4年(平成31年10月〜平成35年9月末)
○ 仕入税額の計算の特例(中小事業者向け)
1年(平成29年4月〜平成30年3月末)
⇒ 1年(平成31年10月〜平成32年9月末)
○ 大規模事業者には措置しないこととする
■軽減税率財源確保関係
○ 歳入および歳出における法制上の措置等を講ずることによる安定的な恒久財源の確保:
平成28年度末までに ⇒ 平成30年度末までに
■転嫁対策
○ 消費税転嫁対策特別措置法の適用期限:
平成30年9月30日 ⇒ 平成33年3月31日
■住宅ローン減税
○ 住宅ローン減税(10年間合計で最大500万円の税額控除)等の適用期限:
平成31年6月30日 ⇒ 平成33年12月31日
■住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置
(1)住宅の取得対価等に含まれる消費税の税率が10%である場合の
非課税枠の適用期間:
平成28年10月1日から平成31年6月30日まで ⇒ 平成31年4月1日から平成33年12月31日まで
※非課税枠を段階的に縮小させる時期も2年半延期
(2)上記(1)以外の非課税枠の適用期限:
平成31年6月30日 ⇒ 平成33年12月31日
※非課税枠を段階的に縮小させる時期も2年半延期
■車体課税の見直し
○ 自動車取得税(地方税)の廃止と環境性能割(地方税)の導入時期
平成29年4月1日 ⇒ 平成31年10月1日
■地方法人課税の偏在是正
○ 法人住民税法人税割の税率引下げ、地方法人税の税率引上げ、地方法人特別税・譲与税の廃止等の時期
平成29年4月1日 ⇒ 平成31年10月1日
※以上の概要は、平成28年8月2日に「消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置」として自由民主党・公明党により取りまとめられたものを、当省にて独自に整理したものですので、ご留意ください。
すでにメールマガジンを購読されている方はご存知でしょうが、そうでない方は、財務省サイト上でバックナンバーが掲載されますので、そちらをご確認いただくとよいでしょう。
○税制メールマガジン
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/mail_magazine/
(配信後、2週間を目処に掲載されるようです。)
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