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作成日:2022/11/18
対象資産として残った“主要な事業として行われる貸付け”の例示



令和4年度税制改正で、10万円未満の少額減価償却資産の損金算入制度、一括償却資産の損金算入制度について、対象資産から貸付けの用に供したものが除外されました

ただしこの“貸付け”は、主要な事業として行われる貸付けが除かれています

この主要な事業として行われる貸付けについては、法人税法施行規則に列挙されていますが、これらの具体的な取引の例示が法人税基本通達に新設されました。この通達の趣旨が国税庁サイトで掲載されています。

○令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明
○【新設】7−1−11の3(主要な事業として行われる貸付けの例示)(PDF/752KB)

【新設】(主要な事業として行われる貸付けの例示)

7-1-11の3 規則27条の17《少額の減価償却資産の主要な事業として行う貸付けの判定》〈27条の17の2《一括償却資産の主要な事業として行う貸付けの判定》において準用する場合を含む。以下7-1-11の3において同じ。)の規定の適用上、次に掲げる貸付けには、例えば、それぞれ次に定めるような行為が該当する。

(1) 規則第27条の17第1項第1号に掲げる貸付け 企業グループ内の各法人の営む事業の管理運営を行っている法人が当該各法人で事業の用に供する減価償却資産の調達を一括して行い、当該企業グループ内の他の法人に対してその調達した減価償却資産を貸し付ける行為

(2) 同項第2号に掲げる貸付け 法人が自己の下請業者に対して、当該下請業者の専ら当該法人のためにする製品の加工等の用に供される減価償却資産を貸し付ける行為

(3) 同項第3号に掲げる貸付け 小売業を営む法人がその小売店の駐車場の遊休スペースを活用して自転車その他の減価償却資産を貸し付ける行為

(4) 同項第4号に掲げる貸付け 不動産貸付業を営む法人がその貸し付ける建物の賃借人に対して、家具、電気機器その他の減価償却資産を貸し付ける行為

(注)本文の(1)から(4)までに定める行為であっても、同条第2項に規定する場合に該当するものは、令第133条第1項《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》又は第133条の2第1項《一括償却資産の損金算入》に規定する主要な事業として行われる貸付けに該当しないことに留意する。

規則に定められている貸付けと具体的な取引例示をまとめると、下表のとおりです。

貸付け 具体的な取引例
1 当該内国法人が当該内国法人との間に特定関係(一の者が法人の事業の経営に参加し、事業を実質的に支配し、又は株式若しくは出資を有する場合における当該一の者と法人との間の関係(以下この号において「当事者間の関係」という。)、一の者との間に当事者間の関係がある法人相互の関係その他これらに準ずる関係をいう。)がある法人の事業の管理及び運営を行う場合における当該法人に対する資産の貸付け 企業グループ内の各法人の営む事業の管理運営を行っている法人が当該各法人で事業の用に供する減価償却資産の調達を一括して行い、当該企業グループ内の他の法人に対してその調達した減価償却資産を貸し付ける行為
2 当該内国法人に対して資産の譲渡又は役務の提供を行う者の当該資産の譲渡又は役務の提供の事業の用に専ら供する資産の貸付け 法人が自己の下請業者に対して、当該下請業者の専ら当該法人のためにする製品の加工等の用に供される減価償却資産を貸し付ける行為
3 継続的に当該内国法人の経営資源(事業の用に供される設備(その貸付けの用に供する資産を除く。)、事業に関する従業者の有する技能又は知識(租税に関するものを除く。)その他これらに準ずるものをいう。)を活用して行い、又は行うことが見込まれる事業としての資産の貸付け 小売業を営む法人がその小売店の駐車場の遊休スペースを活用して自転車その他の減価償却資産を貸し付ける行為(収入等の規模の大小は問わず、新規事業として行う貸付けも含む)
4 当該内国法人が行う主要な事業に付随して行う資産の貸付け 不動産貸付業を営む法人がその貸し付ける建物の賃借人に対して、家具、電気機器その他の減価償却資産を貸し付ける行為

ただし、上記に該当する取引であったとしても、資産の貸付け後に譲渡人(当該内国法人に対して当該資産を譲渡した者をいう。)その他の者が当該資産を買い取り、又は当該資産を第三者に買い取らせることをあっせんする旨の契約が締結されている場合(当該貸付けの対価の額及び当該資産の買取りの対価の額(当該対価の額が確定していない場合には、当該対価の額として見込まれる金額)の合計額が当該内国法人の当該資産の取得価額のおおむね90/100相当額を超える場合に限る。)における当該貸付けは除かれます。(つまり、除外対象となる。)

なお、上記に該当しない取引が直ちに主要な事業として行われる貸付けに該当することはなく、実態に即して判断される点にもご留意ください。

ちなみに、昨日と同様、上記取扱いは、同様の改正がなされている中小企業者等の30万円未満の少額減価償却資産の損金算入特例制度に係る措通でも新設(67の5-2の3《主要な事業として行われる貸付けの例示》)されています。


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