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作成日:2016/03/25
国庫補助金等の交付事業年度後に固定資産等を取得等した場合の圧縮記帳の取扱いについて



 国税庁のサイト上では連日、照会事例が公表されています。先日は、国庫補助金等の交付事業年度後に固定資産等を取得等した場合の圧縮記帳の取扱いについて、公表されていました。


 ○国庫補助金等の交付事業年度後に固定資産等を取得等した場合の圧縮記帳の取扱いについて
  http://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/bunshokaito/hojin/160303/index.htm


 上記照会事例では、複数年度にまたいで工事を行い取得する固定資産に係る国庫補助金等の受領について、当該国庫補助金等は毎事業年度の工事進捗に応じて受取る(確定する)ため、完成年度で取得する固定資産に対して、国庫補助金等は工事進行年度に受領(返還不要も確定)することとなります。
 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入は、法法42では国庫補助金等の受領(返還不要の確定)と固定資産の取得事業年度が同一であるケースです。
 固定資産の先行取得の場合の国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入については、法基通10-2-2にありますが、上記照会のケースは見当たりません。
 そのため、圧縮記帳が認められるように、国庫補助金等の益金算入時期と圧縮記帳の時期を同一事業年度とするため、当該国庫補助金等について一旦仮勘定として経理、固定資産の取得事業年度において益金とすることとし、固定資産については取得事業年度において圧縮記帳を行うことは可能かどうかについて、照会されています。

 結論としては、「交付を受けた事業年度においては、これを仮勘定として経理し、固定資産を取得等した事業年度において、当該仮勘定を取り崩して益金の額に算入するとともに、固定資産を取得等した事業年度において、当該固定資産につき圧縮記帳の適用を受ける」ことについて、差し支えない旨が回答されています。

 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入については、もともとの法人税法上での要件は同一事業年度内の受領(返還不要確定)と取得、という厳しいイメージを受けますが、法基通での取扱いでもみられるように、割と柔軟な取扱いも示されています。
 今回の事例はケースとしては稀ですが、具体的な経理処理についても記載されていますので、ご参考ください。



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