作成日:2023/07/31
令和6年以降に110万円を下回る相続時精算課税による贈与を行った場合
令和5年度税制改正により、相続時精算課税制度について、基礎控除110万円の控除が適用されます。
この基礎控除は、特別控除額(2,500万円)よりも前に控除をします。
贈与額−基礎控除(110万円)ー特別控除(2,500万円)
ところで、この贈与額が110万円を下回る場合、暦年課税では贈与税の申告は不要ですが、相続時精算課税制度を適用する場合は、どうなるのでしょうか。
その点については、先日ご案内した「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」のパンフレットにQ&A形式で掲載されています。
問 私は相続時精算課税を選択しており、令和6年中に特定贈与者である父から贈与により財産を取得しましたが、その財産の価額の合計額は基礎控除額(110万円)以下でした。他に贈与は受けていません。この場合、贈与税の申告をする必要がありますか。
答 令和6年中に特定贈与者から贈与により取得した財産の価額の合計額が基礎控除額以下ですので、令和6年分の贈与税の申告は必要ありません。
つまり、基礎控除額以下の贈与については、暦年課税と同様、申告は不要、ということになります。
なお、基礎控除額以下の贈与であった年に相続時精算課税制度の適用開始年であった場合には、贈与税の申告自体は不要ですが、贈与税の申告書の提出期間内に「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。贈与税の申告が不要である場合には、届出書の提出が漏れやすいです。気をつけましょう。(当該届出書の提出は適用開始年のみでOKです。)
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