作成日:2020/10/01
婚姻歴のある人は「ひとり親」の対象になりうるのか
令和2年分の所得税より、未婚者に配慮した「ひとり親控除」が適用開始となり、他方、これまであった「寡婦(寡夫)控除」が見直されました。
ところで、「ひとり親控除」の適用対象となる『ひとり親』に、これまで「寡婦(寡夫)控除」の対象者である「寡婦」「寡夫」「特別の寡婦」、いわゆる婚姻歴のある人は含まれる可能性はあるのか、という質問をいただきました。
回答は、「含まれる可能性はある」です。
冒頭でもご案内したとおり「ひとり親控除」の創設趣旨は未婚者への配慮、という前提がありますので、未婚者でなければ対象にはならないのでは? と思われる方がいるようです。
しかし、「ひとり親控除」は、婚姻歴に関係ありません。
このことについては、すでにご案内の国税庁「ひとり親控除及び寡婦控除に関するFAQ(源泉所得税関係)」内にも記載されています。
〔問〕 「ひとり親」とは、どのような人をいうのですか。
〔答〕
「ひとり親」とは、現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、次に掲げる要件を満たすものをいいます。
(略)
このように、ひとり親は、婚姻歴の有無や性別にかかわらず、その者と生計を一にする子を有するなど、上記要件を満たす単身者が該当することとなります。
そのため、改正前は寡婦(寡夫)控除の対象ではなかったいわゆる未婚のひとり親が「ひとり親」に該当することとなる場合や、反対に、改正前は寡婦(寡夫)控除の対象であった方が「ひとり親」に該当しないこととなる場合がありますので、ご注意ください。
(略)
なお、改正後の「寡婦」と「ひとり親」の要件両方該当する方がいらっしゃいます。この場合、「寡婦控除」と「ひとり親控除」どちらも適用されるわけではありません。「ひとり親控除」のみが適用されることになるため、その点もご留意ください。
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