平成30年度税制改正に向け、国税は13府省庁から、地方税は12府省庁から税制改正要望が提出されています。どのような要望が出されているのか、主要な官庁の要望項目を抜き出しました。確認しましょう。
経済産業省:
- 第4次産業革命に対応した「攻めの経営・投資」の強化
・事業ポートフォリオ転換の円滑化措置の創設
・自社株式等を対価とした株式取得による事業再編の円滑化措置の創設
・Connected Industriesに向けたIT投資の抜本強化
・所得拡大促進税制の拡充・延長 - 中小企業の生産性向上・地域経済の活性化
・中小企業経営者の次世代経営者への引継ぎを支援する税制措置の創設・拡充
・非上場株式についての相続税・贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)の見直し
・中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設
・企業のベンチャー投資促進税制の延長
・中小法人の交際費課税の特例の延長
・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の延長
・個人事業者の事業用資産に係る事業承継時の負担軽減措置の創設等 - エネルギーの安定供給
・先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設
・電気・ガス供給業に係る法人事業税の課税方式の変更 - 車体課税の抜本見直し
申告納税手続の環境整備
制度整備・改善
・印紙税のあり方の検討
・国際会計基準を踏まえた収益認識基準の導入に伴う所要の措置
・事業再編を円滑化するための組織再編税制における適格要件の見直し
・スピンオフの実施の円滑化のための適格要件の見直し等組織再編税制における所要の措置
・BEPS(Base Erosion and Profit Shifting)を踏まえた国内の制度整備に係る配慮
・地方法人課税の見直し
・事業所税のあり方の検討
・コージェネレーションに係る課税標準の特例に係る所要の措置
国土交通省:
- 豊かな暮らしの実現と地域の活性化
・住まいの質の向上・無理のない負担での住宅の確保
新築住宅に係る税額の減額措置の延長 等
・地域交通ネットワークの構築
・都市の魅力の向上 - 成長力・国際競争力の強化
・不動産市場の活性化
土地等に係る固定資産税の負担調整措置及び条例減額制度の延長 等
・観光先進国の実現
・産業の生産性・国際競争力の確保・強化 - 安全・安心な社会の実現
・交通運輸における安全・安心の確保
・災害に強い強靭な国土・地域づくり
厚生労働省:
- 健康・医療
・医療に係る消費税の課税のあり方の検討
・医療機関の設備投資に関する特例措置の創設
・高額な医療用機器に係る特別償却制度の適用期限の延長
・地域機能を確保するための個人開設医療機関への軽減措置の創設
・社会医療法人・特定医療法人の認定要件の見直し
・受動喫煙防止対策に伴う税制上の措置
・健康サポート薬局に係る税制措置の延長 - 子ども・子育て
・子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設
・働く人のための保育の提供に取り組む企業に対する税制上の優遇措置の創設 - 社会福祉
・協同組合等に係る受取配当等益金不算入制度における特例の適用除外等
- 雇用
・障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長
・特定の地域において雇用者の数が増加した場合の法人税額等の特別控除の延長
・駐留軍関係離職者等に対して支給される職業転換給付金に係る非課税措置等の延長 - その他
・交際費課税の特例措置の延長
金融庁:
- 家計の安定的な資産形成の実現
・NISA等の利便性向上・充実
・公募投資信託等の内外二重課税の調整
・金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大) - 金融のグローバル化への対応
・外国子会社合算税制(CFC税制)の抜本的見直し
・店頭デリバティブ取引の証拠金に係る利子の非課税措置の恒久化又は延長 - その他の重要項目
・生命保険料控除制度の拡充
・上場株式等の相続税に係る見直し