作成日:2015/10/29
「給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨の記載をすることで、マル扶の個人番号欄の記載が省略可能に
平成28年分の扶養控除等申告書(以下、「マル扶」)について、個人番号欄に記載がされるとその書類のやり取りを躊躇される税理士の先生方もいらっしゃることでしょう。
本人交付用の源泉徴収票に個人番号の記載が不要となったため、マル扶への個人番号の記載についても何らか変更がされるのではないか、と巷では話題となっていましたが、これが実現されたようです。○社会保障・税番号制度<マイナンバー>FAQ(平成27年10月28日現在)
http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQindex.htm
新たに設置された「源泉所得税関係に関するFAQ」で、明らかとなっています。
○源泉所得税関係に関するFAQ
http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/gensen_qa.htm
Q1-9
扶養控除等申告書の個人番号欄に「給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨の記載をすることで、個人番号の記載に代えることはできますか。
(答)
平成28年1月以後に提出する扶養控除等申告書には、従業員本人、控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等の個人番号を記載する必要がありますので、その記載内容が前年以前と異動がない場合であっても、原則、その記載を省略することはできません。
しかしながら、給与支払者と従業員との間での合意に基づき、従業員が扶養控除等申告書の余白に「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨を記載した上で、給与支払者において、既に提供を受けている従業員等の個人番号を確認し、確認した旨を扶養控除等申告書に表示するのであれば、扶養控除等申告書の提出時に従業員等の個人番号の記載をしなくても差し支えありません。
なお、給与支払者において保有している個人番号と個人番号の記載が省略された者に係る個人番号については、適切かつ容易に紐付けられるよう管理しておく必要があります。
(注)
1 この取扱いは、原則として税務署に提出されることなく給与支払者が保管することとされている扶養控除等申告書について、給与支払者の個人番号に係る安全管理措置への対応の負担軽減を図るために、個人番号の記載方法として認めるものであることから、個人番号以外の扶養控除等申告書に記載すべき項目については、前年と変更ない場合であっても、記載を省略することなく扶養控除等申告書に記載する必要があります。
2 「給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨が記載された申告書について、税務署長から提出を求められた場合には、給与支払者は扶養控除等申告書に従業員等の個人番号を付記して提出する必要があります。
3 この方法をとった場合には以下の点に留意が必要です。
(1)給与支払者において保有している従業員等の個人番号(従業員等の個人番号に異動があった場合は異動前の個人番号を含む。)については、扶養控除等申告書の保存期間(7年間)は、廃棄又は削除することはできません。
(2) 保有する個人番号については、個人番号関係事務に必要がなくなったとき及び個人番号を記載すべきであった扶養控除等申告書の保存年限を経過したときには、速やかに廃棄又は削除しなければなりません(廃棄が必要となってから廃棄作業を行うまでの期間については、毎年度末に廃棄を行う等、個人番号及び特定個人情報の保有に係る安全性及び事務の効率性等を勘案し、事業者において判断してください。)。
(3)給与所得の源泉徴収票(税務署提出用)には適切に個人番号を記載する必要があります。
これにより、
従業員と合意した場合には、
- 従業員が扶養控除等申告書の余白に「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨を記載
- 給与支払者において、既に提供を受けている従業員等の個人番号を確認し、確認した旨を扶養控除等申告書に表示
ただし、個人番号の紐づけが容易にできるように管理する必要があります。
この点は、個人番号の管理をデータ管理し、各々のシステムと連動させることができればこの要件は簡単にクリアできるものと考えます。そのため、これまで退職した場合には、個人番号の適切な廃棄をなるべく早く行う必要がありますが、このような運用とした場合にはマル扶との連動の必要があることから、すぐに廃棄することはできません。個人番号の廃棄に関する運用方法についての見直しも必要となります。
また、もし税務署の調査があり、マル扶の提出を求められた場合には、給与支払者がマル扶に該当する従業員等の個人番号を付記して提出する必要がある点もご留意ください。
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