作成日:2019/12/27
令和2年度税制改正 厚生労働省公表資料より
12月12日に与党から令和2年度税制改正大綱が公表され、翌週の20日には閣議決定されました。それを受け、各省庁から政策に関連した税制改正の概要について公表されています。
その中から、前回は、経済産業省をみました。
今回は厚生労働省が公表した資料を確認してみましょう。
○令和2年度厚生労働省関係税制改正について
- 健康・医療
- 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置の延長〔相続税、贈与税〕
- マイナポータルを活用した医療費控除の申告手続きの簡素化〔所得税、個人住民税〕
- 健康サポート薬局に係る税制措置の延長〔不動産取得税〕
- 社会保険診療報酬に係る非課税措置の存続〔事業税〕
- 医療法人の社会保険診療報酬以外部分に係る軽減措置の存続〔事業税〕
- 子ども・子育て
- 認可外保育施設の利用料に係る消費税の非課税措置の拡充〔消費税、地方消費税〕
- ひとり親に対する税制上の対応〔所得税、個人住民税〕
- 医療保険
- 国民健康保険税の課税限度額の見直し及び低所得者に係る国民健康保険税の軽減判定所得の見直し〔国民健康保険税〕
- 個人所得課税の見直しを踏まえた国民健康保険税の見直し
- 介護
- 介護保険制度の見直しに伴う税制上の所要の措置〔所得税、個人住民税等〕
- 雇用
- 雇用保険制度の見直しに伴う税制上の所要の措置〔所得税、個人住民税等〕
- 障害者を多数雇用する場合の機械等の割増償却制度の適用期限の延長〔所得税、法人税〕
- 労災保険制度の見直しに伴う税制上の所要の措置〔所得税、個人住民税等〕
- 年金
- 企業年金・個人年金制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置〔所得税、法人税、相続税、個人住民税、法人住民税、事業税〕
- 企業年金等の積立金に対する特別法人税の課税停止措置の延長〔法人税、法人住民税〕
- 生活衛生
- 交際費課税の特例措置の延長〔法人税、法人住民税、事業税〕
- 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の延長〔所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、事業税〕
- 中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の延長〔登録免許税、不動産取得税〕
- その他
- 認定NPO法人等のPST算定における休眠預金等からの助成金の除外〔所得税〕
“医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の特例措置”は、持分あり医療法人から持分なし医療法人への移行を税制面で後押しするために設けられています。下図のとおり、認定時+6年の認定要件を必須とするわけですが、満たせば
- 出資者死亡による相続税
- 出資者の持分放棄に伴う他の出資者への贈与税
- 出資者の持分放棄に伴う医療法人へのみなし贈与税
を回避することができます。
厚生労働省「令和2年度 税制改正の概要(厚生労働省関係)https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000579030.pdf」
認定はどんな医療法人でも受けられるわけではなく、認定を受けるための準備に時間がかかる場合があります。今回の改正によりそのまま3年延長されれば、もう少しだけ時間に余裕ができます。ただし、認定を受けるための決算書は直前期が原則ですから、悠長に構えることはできません。延長されたとしても、検討は早めになさることをお勧めします。
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