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作成日:2015/07/23
財産債務調書制度のFAQが公表



 平成27年度税制改正により、これまで確定申告の付属物として取扱われてきた「財産債務の明細書」について、対象者を絞った上で、これを法定資料(調書)として位置づけ、「財産債務調書」という名称に変えた、改正がなされました。

 ○財産債務調書制度に関するお知らせ
  http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/zaisan_saimu/index.htm

 まず、対象者はこれまで、
  • その年分の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2千万円を超えた者
でしたが、平成27年分(平成28年3月15日までの提出分)からは、上記に加え、
  • その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産(注)を有する者
という条件が加わりました。
つまり、いずれの条件をも満たす場合に、財産債務調書を提出する必要があります。

 さらに、法定調書となったことで、
  • 財産債務調書
  • 財産債務調書合計表
の作成が必要になります。



 税理士とすれば、作成前にこれまでなかった財産の合計額を把握(提出の有無を判定)しなければならない、かつ、提出期限がこれまでと同様に確定申告期限合計表の作成も必要ということになります。
これまで提出の有無は、確定申告書の作成時に所得金額で自動判定していたのですが、今後は所得金額が2千万円を超える依頼者に対して、財産の合計額をヒアリングして条件に当てはまった場合に、調書+合計表を作成して確定申告期限と同様の期限で提出することとなります。

 この財産債務調書について、FAQが国税庁サイト上で公表されています。

 ○財産債務調書の提出制度(FAQ)平成27年6月
  http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/zaisan_saimu/pdf/zaisan_faq.pdf

 48のQで構成されており、目次は次の通りです。指輪やネックレス等の装身具については、100万円以上の価値があれば家庭用動産として記載することなどが掲載されています。

T 通則
【制度の概要等】
Q1 財産債務調書の提出制度の概要について教えてください。
Q2 財産債務調書を提出しなければならない場合について、具体的に教えてください。
Q3 12月31日において保有する財産の価額の合計額が3億円以上であるかどうか又は国外転出特例対象財産の価額の合計額が1億円以上であるかどうかを判定するに当たって、含み損があるデリバティブ取引に係る権利の価額も含める必要がありますか。
U 財産債務調書の記載事項等
【基本的な考え方】
Q4 財産債務調書には、氏名及び住所(又は居所等)及び個人番号(注)のほか、財産の種類、数量、価額、所在並びに債務の金額等を記載することとされていますが、記載事項を具体的に教えてください。
Q5 財産債務調書に記載する財産の種類、数量、価額、所在並びに債務の金額等は、その財産債務の用途別(一般用及び事業用の別)に記載することとされています。保有する財産債務の用途が「一般用」であるのか、「事業用」であるのかについては、どのように判定すればよいのですか。
Q6 財産債務の用途が「一般用」及び「事業用」の兼用である場合、財産債務調書にはどのように記載すればよいのですか。
Q7 避暑用のリゾートマンション(土地付建物)を保有しています。売買契約書を確認しても「土地」と「建物」の価額に区分することができません。このような財産の場合、財産債務調書にはどのように記載すればよいのですか。
Q8 証券会社に特定口座を開設しています。この口座内で保有する上場株式等については、財産債務調書にどのように記載すればよいのですか。
Q9 証券会社に非課税口座を開設しています。この口座内で保有する上場株式等については、財産債務調書にどのように記載すればよいのですか。
【事業用の財産の価額及び債務の金額の記載】
Q10 個人で事業を営んでいます。12月31日現在の事業上の売掛金が多数あります。この売掛金についても所在別に記載する必要がありますか。
Q11 不動産賃貸業を営んでいます。12月31日現在の未払金や預り保証金が多数あり
ます。これらの債務についても所在別に記載する必要がありますか。
【財産の所在の記載事項】
Q12 財産債務調書に記載する「財産」の所在は、どのように判定するのですか。
Q13 財産の所在について、基本的には相続税法第10条第1項及び第2項の規定により判定するとのことですが、相続税法以外の規定により所在を判定する財産もあるのですか。
Q14 社債、株式等の有価証券等の所在は、具体的にどのように記載するのですか。
【土地の記載事項】
Q15 借地権を保有していますが、財産債務調書にはこの借地権をどのように記載すればよいのですか。
【委託証拠金の記載事項】
Q16 先物取引を行うに当たり、保有するA社の株式(上場株式)を委託証拠金として証券会社に預託しました。この預託した株式について、財産債務調書にはどのように記載すればよいのですか。
【債務に係る所在】
Q17 「債務」に係る所在については、財産債務調書にどのように記載するのですか。
【国外財産調書との関係】
Q18 「国外財産調書」には国外財産を記載して提出することとされていますが、「国外財産調書」を提出する場合でも、所得金額が2千万円を超え、かつ、保有する財産の価額の合計額が3億円又は国外転出特例対象財産の価額の合計額が1億円を超える場合は、財産債務調書を提出する必要があるのですか。
V 財産の価額等
【基本的な考え方】
Q19 財産債務調書に記載する財産の価額は、その年の12月31日における時価によらなければならないのですか。
Q20 財産の「時価」とは、どのような価額をいうのですか。
Q21 財産の「見積価額」とは、どのような価額をいうのですか。
Q22 財産債務調書に記載する財産の価額は、財産評価基本通達で定める方法により評価した価額でもよいのですか。
【財産の見積価額】
Q23 財産の「見積価額」の合理的な算定方法について、財産の種類ごとに具体的に教えてください。
【有価証券の価額等】
Q24 金融商品取引所等に上場等していない法人の株式を保有しています。その法人の決算期は毎年12月末ですが、各期の決算が確定する時期が翌年の3月末です。この場合、この株式の見積価額をどのように算定すればよいのですか。
Q25 ストックオプションに関する権利を保有していますが、その価額はどのように算定すればよいのですか。
Q26 財産債務調書には、有価証券等の取得価額を記載する必要があるとのことですが、どのように取得価額を算定すればよいのですか。
【匿名組合契約の出資の持分の価額】
Q27 匿名組合に出資をしています。その匿名組合の計算期間は毎年12月末日に終了しますが、計算書は翌年の3月末に送付されています。この場合、その出資の持分の見積価額をどのように算定すればよいのですか。
【家庭用動産の価額】
Q28 自宅に多数の家庭用動産を保有しています。この家庭用動産について、財産債務調書にはどのように記載すればよいのですか。
Q29 自宅に多数の指輪やネックレスなどを所有しています(事業用ではありません。)。この場合、財産債務調書にはどのように記載すればよいのですか。
【保険に関する権利の価額】
Q30 生命保険に加入していますが、この生命保険の価額はどのように算定すればよいのですか。なお、加入している生命保険契約は満期返戻金のあるものです。
【定期金に関する権利の価額】
Q31 生命保険契約に基づく定期金(年金)を受け取っていますが、その価額はどのように算定すればよいのですか。
【民法に規定する組合契約等その他これらに類する契約に基づく出資の価額】
Q32 不動産投資を目的とした民法上の組合に対して出資していますが、財産債務調書には出資額を記載すればよいのですか。
【信託に関する権利の価額】
Q33 保有している国債を金融機関に信託して運用しています。このような財産の価額は、どのような方法で算定すればよいのですか。
【預託金等の価額】
Q34 リゾート施設を利用するための会員権を保有しています。会員権を取得する際に、リゾート施設経営会社に預託金を支払っていますが、この預託金も財産債務調書の対象になりますか。
【無体財産権の価額】
Q35 特許権(無体財産権)を保有していますが、その価額はどのような方法で算定すればよいのですか。
【共有財産の価額】
Q36 外国に別荘を保有していますが、その別荘は配偶者との共有財産として取得しており、持分が明らかではありません。このような財産の価額はどのような方法
で算定すればよいのですか。
【相続により取得した財産の価額】
Q37 財産の相続があった場合における財産債務調書の提出義務について、教えてください。
【借入金で取得した財産の価額】
Q38 財産を金融機関からの借入金で取得している場合、その財産の価額の算定に当たり、借入金元本を差し引いてよいのですか。
【外貨で表示されている財産の邦貨換算の方法】
Q39 財産債務調書に記載する財産の価額は邦貨(円)によることとされていますが、外貨で表示されている財産の価額はどのような方法で邦貨に換算すればよいのですか。
W 債務の金額
【基本的な考え方】
Q40 債務の「金額」とは、どのような金額をいうのですか。
【連帯債務等の金額】
Q41 金融機関からの借入金について連帯して債務を負っている場合、財産債務調書にはどのように記載すればよいのですか。
【外貨で表示されている債務の邦貨換算の方法】
Q42 財産債務調書に記載する債務の金額は邦貨(円)によることとされていますが、外貨で表示されている債務の金額はどのような方法で邦貨に換算すればよいのですか。
X 過少申告加算税等の特例
【特例の概要】
Q43 財産債務調書を提出等している場合の、過少申告加算税等の特例措置について教えてください。
【加重措置の適用要件】
Q44 所得税等の申告漏れが生じた場合の過少申告加算税等の加重措置の適用要件について教えてください。
【加重措置における「財産債務に関する所得税等の申告漏れ」とは】
Q45 過少申告加算税等の加重措置における、「財産債務に関する所得税等の申告漏れ」とは、具体的にどのようなことをいうのですか。
【年の中途で財産債務を有しなくなった場合】
Q46 平成28年中に国内で保有していたB社株式の全てを譲渡し、これに伴い生じた所得の申告漏れがあった場合、過少申告加算税の加重措置の適用を判断すべき財産債務調書は、どの年分の財産債務調書になりますか。
【提出期限後に提出された財産債務調書の取扱い】
Q47 提出期限内に財産債務調書を提出することができなかった場合、過少申告加算税等に係る軽減措置の適用を受けることはできないのですか。
Y その他
【提出した財産債務調書に誤りがあった場合】
Q48 提出した財産債務調書の記載内容に誤りのあった場合の訂正方法について教えてください。





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