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作成日:2014/07/04
NISA、非課税枠拡大なるか?



 NISA口座の利用状況等に関する調査結果が、6月23日付けで金融庁ホームページで公表されています。

 ○NISA口座の利用状況等に関する調査結果の公表について
 http://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20140623-1.html

 口座総数は、3月末現在で650万3,951口座。60歳代以上で59.8%占めているとあります。
 買付額は1兆34億4,608万円で、商品の内訳として投資信託が61.9%、上場株式36.3%、占めていました。

 ところで、NISAに関して利用者の意向や販売現場の実態に関するアンケート調査がここで行われており、それぞれの結果が次のとおりです。


 まず、利用者の投資スタンスとしては「一括投資への意向」が最も多く67.7%、次いで「少額・定額投資への意向」20.9%でした。また、投資対象は配当重視が45.6%、長期保有への意向も48.4%との結果が出ています。

 顧客のニーズが、上アンケートのとおり“一括投資への意向”“配当重視”であったのなら、有名どころの上場株式銘柄を見ても、100万円未満ですと投資できる数や非課税の配当として享受できる金額が少ないと感じます。

(7月2日の終値×売買単位で計算)
任天堂(株) 12,505 ×100株=1,250,500
(株)ファーストリテイリング 33,335 ×100株=3,333,500
日産自動車(株) 984 ×1,000株=984,000
(株)デンソー 4,810 ×100株=481,000
(株)しまむら 10,090 ×100株=1,009,000
(株)良品計画 12,130 ×100株=1,213,000
味の素(株) 1,608 ×1,000株=1,608,000


 また同アンケートによる現場の実態として、現場が推奨する商品と顧客のニーズの高い商品がほぼ一致しており、毎月分配型投資信託、値上がりが期待できる株式等、配当が期待できる株式等でした。

 

 ただし、毎月分配型投資信託に関してはニーズが高いものの、分配金のうち、特別分配金は元本払戻金であるためもともと課税がされていません。毎月分配型でもその分配金が特別分配金ばかりであれば、NISA口座で享受できる非課税としてのメリットは薄いといえるでしょう。

 さらに、NISAの説明に関して顧客から質問が多いものは、次のとおりでした。



 NISAの非課税枠に関しては麻生大臣が7月1日の会見時で、甘利大臣の発言をきっかけとした質問に対して自身の考えを述べています。

 ○麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成26年7月1日(火曜日))
 http://www.mof.go.jp/public_relations/conference/my20140701.htm

「今、100万円を200万円にということを言っておられますけれども、あれは、何となくみんな自分でやったことがない人が多いからよく分かっていないのだろうけれども、払っておられる方々は、だいたい毎月10万円ずつというふうな積立預金みたいな感覚で、まずはそういうものだと、NISAに移っておられる方が多いので、だったら毎月10万円にして年間120万円でスタート、次にやるなら毎月20万円で年間240万円とか、そういうような感じにしないと、100万円にすると12ヶ月で割って月8万何千円というふうな話になりますと、結果的に割り算が面倒くさいから、12カ月掛ける5万円で年間60万円の口座が非常に多くなっているというのは、そういう理由ではないかと思います。次を考えるなら、年間240万円とか、そういった感じの方が、より現場に合った感覚かなとは思います。」

 この発言を受けて、「非課税枠、240万円に検討」などと一斉に報道されていました。

 なお、そもそもNISAをはじめたのは、麻生大臣が同会見時で述べている次の点が大きく影響しています。

「一番大事なことは、今、個人で860兆円という現預金が寝ている。その現預金が、企業もそうですけれども、現預金からいわゆる投資の方に金が回っていくということが、景気とか経済ということを考えた時に一番大事です。NISAは、その手段の1つです。」

 果たして、非課税枠拡大となるでしょうか。




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