2018/01/17 繁忙期の「手間」を分散する方法
2018/01/10 今が生前贈与のタイミングでは…
2017/12/27 弥生のオンライン融資始まる
2017/12/20 平成28年相続税申告の速報から…
2017/12/13 英文に強い士業の助っ人になるかも…
2017/12/06 過去最高の6千万円を集めた
2017/11/29 認定仮想通貨税理士、募集開始


繁忙期の「手間」を分散する方法(2018/01/17)

 会計事務所も確定申告時期を迎えて繁忙期に入る。人手不足はこの業界でも例外ではない。今年から始まるセルフメディケーション税制も、税金の額としては取るに足りない程度のものと思うが、顧客から持ち込まれる領収書等を整理して「有利・不利」の「手間」は確実に増える。

 クラウドソーシングの老舗であるランサーズも、創業10年を迎え「仕事の依頼」件数も180万件を超え、マザーズ上場のクラウドワークスも登録ユーザー数も165万人、仕事を発注する企業・自治体等も22万社に達する勢いである。この大手2社で「会計事務所業務に関連するキーワード」で登録者の検索をしてみると(1月13日現在)

キーワード ランサーズ クラウドワークス
確定申告の作成 89人 34人
会計ソフトへのデータ入力 98人 5人
記帳代行 146人 207人
会計事務所勤務 313人 103人

 両社とも報酬の支払い・受け取りに関してはエスクローサービスを行っており、仕事の納品・検収を終えて報酬が支払われ、発注者は発注時に「仮払い金」として両社に支払う形で安全・安心を担保している。

 臨時的に人手が必要な会計事務所は、早めに「依頼できるタスク」を確定して、評価の高いフリーランスや在宅ワーカーを探して確保しておく必要があるだろう。

 1月11日にプレスリリースされた「ビズアシとマネーフォワードの協業」を見ると
  1. ビズアシはクラウドワークスの100%子会社で子育て中の在宅ワーカーを中心に確保
  2. MFクラウド公認メンバーである会計事務所にビズアシがスタッフを斡旋
 この仕組みが動き出すと、クラウドソーシングの画面で必要スキルを検索する手間が省け、会計事務所業務に精通した在宅ワーカーを確保することが可能になるかもしれない。

 会計ソフトも人手不足・働き方改革時代に合わせてサービス領域を広げていく競争が始まりそうだ。


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今が生前贈与のタイミングでは…(2018/01/10)

 日経平均株価が大発会の1月4日に741円、翌日の1月5日には208円と、合わせて約950円の上昇となった。26年ぶりの高値を更新し、日経平均25,000円はほぼ達成するところまで来ている。

 1989年の所謂バブル期の株価は、1株当たり利益の80倍程度買われていたが、現時点は約17倍程度に過ぎない。2018年9月期の企業業績も増収増益が見込まれる中、日本の株価上昇のトレンドがはっきりしてきたことは疑いないだろう。

 さて年初になると、相続税対策として生前贈与を検討する富裕層が多くなるが、これだけの上げ相場になってくると、贈与税の節税策として上場株式の贈与契約が有効になってくる。

 上場株式を贈与する際の評価額は、以下の4つの評価額の最も低いもので良いことになっている。
  1. 贈与日の終値
  2. 贈与した月の終値の平均値
  3. 贈与した月の前月の終値の平均値
  4. 贈与した月の前々月の終値の平均値
 例えばトヨタ自動車の株価の1月5日の終値は7,552円、前々月である11月の終値の平均値は7,044円で、贈与時点の時価の概ね93%の評価で贈与税の計算を行うことができる。同様に、三菱UFJフィナンシャルグループの株価は1月5日終値が866円に対し、11月の終値の平均値は792円で贈与時点の時価に対し91%の評価で済む。

 上記2. 3. 4. の平均値は、日本証券取引所のホームページで「株式相場表」を閲覧すればすぐに判る。上場株式を贈与するには「贈与契約書」と「上場株式等口座間移管依頼書」を証券会社に提出すれば良い。

 現在の上場株式の単位は大半の会社で100株となっているので、子供や孫に分割して贈与しやすくなっている。将来、争いごとが多くなる不動産の共有名義での贈与策より、上場株の贈与策のほうが優れていると思われる。


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弥生のオンライン融資始まる(2017/12/27)

 弥生の子会社アルトア(旧商号ALT)が12月7日よりオンライン融資の営業を開始した。親会社のオリックスの与信ノウハウ、弥生の60万社の会計データ(匿名利用)、d.a.t株式会社の人工知能による分析力を用いて無担保・少額・短期融資の市場に参入する。

 融資の概要は
  1. 融資金額は50万〜300万円
  2. 金利は3.8〜14.8%
  3. 無担保、無保証
  4. 期日一括返済、最大12ヶ月後
 先に弥生がユーザーに対して行ったオンライン融資に関するアンケートでは
  1. 「許容できる金利水準」の回答が全体の30.5%
  2. 「利便性の重視」が24.1%
  3. 「代表者連帯保証が不要」が18.7%
との回答が多く、従来のメイン行による融資と並行して利用を検討する中小企業は多いだろう。

 与信管理の理想は、「各取引先とどれだけの取引が発生しているか」をリアルタイムで把握し、可視化することであり、今回のアルトアでは「現預金の推移を取引単位で精査」することを可能にしているので、従来のスコアリングによる与信管理とは発想が違う。

 逆に言えば、取引単位での仕訳を精緻に入力して、返済能力の可視化が叶う会計データの提供が重要事項となってくるだろう。


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平成28年相続税申告の速報から…(2017/12/20)

 平成28年中に死亡した人の相続申告状況の概要が国税庁、及び各国税局から報道があった。

 それによると、平成28年中に死亡した人は約131万人(対前年2万人増)で、課税対象となった被相続人数は106千人、課税割合は8.1%(対前年0.1%増)であった。

 課税対象の被相続人数は税制改正前に比べると確実に倍増しているが、地域単位で見ると課税割合に相当のバラツキ感がある。12月15日時点で報道された国税局の資料では(金沢、広島は除く)

国税局 平成28年 課税割合(%) 対前年(%) 増減(%)
札幌 3.9 4.0 -0.1
仙台 4.0 3.8 0.2
関信越 7.5 7.4 0.1
東京 12.8 12.7 0.1
名古屋 11.0 11.0
大阪 8.4 8.2 0.2
高松 6.4 6.2 0.2
福岡 4.7 4.6 0.1
熊本 3.6 3.3 0.3
沖縄 5.8 5.6 0.2

 課税割合の高い順位では、東京に次いで大阪ではなく名古屋管内が2番目にあり、札幌・福岡の都市を含む管内の課税割合は東京管内の概ね1/3になっているのが見て取れる。

 相続財産の主要な財産の構成比で見ると、

地域 土地等(%) 現預金(%) 有価証券(%)
全国 38.0 31.2 14.4
札幌 20.4 43.6 13.9
東京 41.2 29.4 15.0
名古屋 40.9 28.6 14.2
大阪 32.3 32.8 18.1
福岡 30.3 33.4 16.4

 相続財産に占める土地等の割合が東京・名古屋管内を除くと概ね3割前後を占め、現預金・有価証券の割合が高まってきているようだ。相続税対策=不動産対策とまでは言えない時代に入ってきている。



国税庁「平成28年分の相続税の申告状況について


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英文に強い士業の助っ人になるかも…(2017/12/13)

 中小企業の海外進出に伴い、英文表記の「契約書」や「仕様書」「物品説明書」等々の文書が増えてきている。Google翻訳も、従来より翻訳の精度が高まってきたとは言え、専門用語を含んだ翻訳及び日本語的な翻訳にはハードルが高いという声も聞かれる。

 東証マザーズに上場する「人工知能型機械翻訳の研究・開発」を行うロゼッタという会社が、「T-400ver2」というwebサービスを11月27日からスタートさせた。

 同社のHPを見ると、工業製品や医薬関連等の機械翻訳のサンプルがあるが、素人でも読みやすく、日本文の表現力で比べてもGoogle翻訳より優っているようだ。

 このwebサービスは2000分野に細分化されたデータベースから成り、分野ごとの専門用語や公的文書等が登録されている。例えば「ビジネス専門」というカテゴリーから「法務」→「契約書」とドリルダウンしていくと、「建物・土地売買契約」「販売代理契約」「秘密保持契約」「知的財産ライセンス契約」「業務提携契約」「人事労務契約」等々、「契約書」データベースだけでも約20に細分化されたデータベースが「T-400ver2」に登録されているのだ。

 先般、ロゼッタ社とクラウドサインを運営する弁護士ドットコムが業務提携した。中小企業が取引先の海外企業から送付された契約書等を、ロゼッタ社の「T-400ver2」で機械翻訳し、クラウドサインで海外企業に承認のメールを送るといったことが現実的になってきた。「T-400ver2」は和文→英文その他言語にも活用できるようになるという。

 税理士・弁護士等士業も先進的なツールを早く使いこなすことで、事務所の優位性をアピールできるようになるだろう。


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過去最高の6千万円を集めた(2017/12/06)

 日本クラウドキャピタルが運営する株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」が、個人投資家から未公開株式の募集による資金調達を4月に開始して約半年が経過するが、この間に資金調達を実施した企業は12社で、累計調達額が3.5億円を突破した。投資人数も延べ2,325人に達した。

 規制により投資家1人当たり1社で50万円以下の出資に限られ、調達する側の企業も調達金額は1億円未満と制限されているが、順調に投資家数も企業数も伸びているようだ。

 11月にはFUNDINNOに登場したプレスサービスというソフト会社は、募集開始後数時間で、予定の募集金額である3,800万円の資金調達に成功した。

 また、4月にFUNDINNOの第一号案件として登場したBank Invoice社は1回目が1,460万円、2回目の11月には、クラウドファンディングでは過去最高の6,000万円を短時間で集めたという。

 9月には株式投資型クラウドファンディングを行うDANベンチャーキャピタルが運営する「GoAngel」が2社目として登場した。既に2社がそれぞれ2,000万円の資金調達を行い、1社はFintech絡みの企業で、もう1社は株式会社立の小学校が運営に絡む企業である。現在もこのサイトでは別の企業の募集も始まっている。

 更に、国内第三号となる「エメラダ・エクイティ」がリリースされ、日本初のクラフトビールカンパニーが資金調達に成功した。ここの株式投資型クラウドファンディングの特徴は以下のとおり。
  1. 議決権のない新株予約権を投資家に交付
  2. 行使期間が10年で、その間にIPO、M&A等のEXITがあれば普通株に転換
  3. VC等のプロの目利きを通して上がってきた企業を個人投資家に提供する
 米国並みのスタートアップ企業の資金調達場所としての独自性を狙っているようだ。

 12月のIPO銘柄数は過去最高になるようだ。IPOの予備軍に株式募集型クラウドファンディングで個人投資家を育成し、中小企業の資金調達力を高める手段として更に注目を浴びることになるだろう。


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認定仮想通貨税理士、募集開始(2017/11/29)

 ビットコインの今年1月の価格は10万円台だったのが、先週の価格は90万円台を突破した。仮想通貨の売買による儲けは、雑所得での申告という見解が国税庁から出て、該当者は確定申告に臨まねばならない。仮想通貨は世に約1000種類以上存在するともいわれ、流通量で1位のビットコインの時価総額は約15兆円に達している。次にイーサリム、リップル、ビットコインキャッシュ…と続く。

 仮想通貨を売買する取引所も国内でも10数社存在し、あるデータによると仮想通貨の口座を5か所以上持つユーザーは全体の4割を超えるという。

 こうした背景で、仮想通貨に関する所得税の確定申告が本格化することになる。単純に10万円で買ったビットコインを50万円で売却し、40万円の儲けがありました…だけなら確定申告に税理士を悩ますことはないだろうが、下記のような複雑系の問題も覚悟しておかねばならないだろう。
  1. FX取引同様に年間通じての売買回数が多く、且つ、複数の取引所でも売買している
  2. ビットコインをリップルに交換し売買しているようなケース
  3. 海外の取引所で仮想通貨を購入し、日本に送金して売却、円転しているようなケース
  4. 手持ちの仮想通貨で商品代金として決済し、決済時点で価値が上昇している場合
 売買回数が多ければ収支計算の記帳が必要になり、海外取引があれば為替差益・損の計算も必要になる。確定申告を必要とするユーザーがこうした作業を行ってくれれば良いが、「先生お願いします」と丸投げされたのでは、税理士もたまったもんじゃない。

 Aerial Partnersが運営する「GUARDIAN」というサイトで「認定仮想通貨税理士」なるものを呼び掛けている。12月1日から始まるサービスだ。サイト上で確定申告を求めるユーザーに「記帳代行」や「仮想通貨に精通した認定税理士」の紹介を行うようだ。

 記帳代行は、APIを公開している仮想通貨の取引所には自動で収支状況を取得し、公開していない取引所にはCSV等でデータを集め所得計算の代行をする。税理士には仮想通貨の税務について研修を実施し、「認定仮想通貨税理士」の称号を与え、ユーザーを紹介する仕組みを構築するようだ。12月1日からまず100名の税理士の募集を行うという。

 仮想通貨は三菱やSBI等の金融大手も参加してくる、仮想通貨の税務に強い! とアピールできる体制を持っておくことも必要ではないか。



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