2018/07/18 freeeが会計事務所になるのかも…
2018/07/11 銀行の決算対策に顧問先が巻き込まれないように!
2018/07/04 月額480円の衝撃
2018/06/27 不動産相続の相談窓口の今後
2018/06/20 従来とは違う顧客開拓ツール
2018/06/13 簡単・便利な決算予測ツール
2018/06/06 freeeのAI月次監査


freeeが会計事務所になるのかも…(2018/07/18)

 freeeとソフトバンクが共同でRPAロボットを開発した。ソフトバンクは昨年10月からRPAロボットのSynchRoid(シンクロイド)を提供しているが、今回、freee社と業務提携して20業務のRPAロボットを提供する。ソフトバンクのホームページでは、下記のようなオペレーションが自動で作成可能として一部掲載されている。これが提携第一弾のロボットだそうで、今後更に多くのfreeeと連携したロボットが出てくる見込みだ。
  1. 設定する口座情報の一括登録
  2. 支払通知書の一括作成や一括メール送信
  3. 部門損益計算書を作成しエクセルに出力する
  4. 従業員マスター情報の一括登録
  5. エクセルにある給与データで人事労務freeeで計算
  6. 勤怠の打刻時刻を一括で修正
 今まで会計事務所は、顧問先の会計ソフトに蓄積された多くの仕訳データから必要データを抽出し、エクセルのマクロ等で作成した表に転記し、決算・税務書類の一部を作成したり、経営者や取引銀行の求めに応じて、様々な経営資料を「データの抽出→集計加工→データチェック」の手順で、人手をかけて行ってきたりした。これらの作業がほぼ自動化できることになっていく。
 他の会計ソフトもRPA連携はしてくるだろう。RPAで「何をするか」を会計事務所主導で考えていかないと、顧問先側で大半のことが完了してしまうかもしれない。

 例えば顧問先の株式評価額を決算終了毎に計算し提供するといったサービスは、従来の手法であれば土地の評価や保有証券の時価を人手を介して行ってきたが、RPAロボットを使えば、自動で必要なサイトにログインし、データを抽出し、株価計算のフォーマットに転記する…といったことができてしまう。問題は誰が主導権を持って開発テーマを決めていくかだ。


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銀行の決算対策に顧問先が巻き込まれないように!(2018/07/11)

 銀行の平成30年3月期決算が出揃った。先の日経紙面でも報じられていたが、銀行が貸倒引当金の残高を減らしているというのだ。景気が良く貸出先の企業も業績が順調で、結果、債務者区分がランクアップすることで貸倒引当率が下がり貸倒引当金残高が減少したならば何ら問題ないのだが、マイナス金利が継続する中で、地銀の資金利鞘が減少し、国債等債券損益が赤字となり、実質業務純益が減益になる地銀が「貸倒引当金戻入益」の計上で経常利益を確保する決算も見受けられる。一例として青森銀行の過去5期分の決算短信で推移を見ると、以下のとおり。

  平成30年3月 平成29年3月 平成28年3月 平成27年3月 平成26年3月
資金利益 25,695 26,105 27,101 27,927 28,436
実質業務純益 4,164 3,931 6,363 7,719 7,971
貸倒引当金戻入益 580 2,443 837 0 0
経常利益 5,686 6,778 8,874 9,136 7,675

 資金利益は5期前の90.2%、実質業務純益は52.2%に急減している。青森銀行の平成29年3月の経常利益は、貸倒引当金戻入益を計上していなければ、対前年で48.8%の水準になってしまっていた。

 金融庁の唱える取引先の「経営改善支援」を通じて、債務者区分が正常先等に上がり、貸倒引当金の戻入益があったのも事実だろうが、債務者区分が低い(経営不振先)取引先の貸出金の回収によって、貸倒引当金戻入益が計上されたこともあったのかもしれない。

 昨秋に公表された金融レポートには、地銀の当期純利益に占める貸倒引当金戻入益の割合が10%以上あった地銀(平成29年3月決算)は20行あり、50%以上となった地銀も4行あった。

 保有株式や投資信託の含み益を益出しして決算対策に使う手法は、大半の地銀で既に行われている。融資を受ける中小事業者にとっては、自社の債務区分が悪くメインバンクが相応の貸倒引当金を積んでいるケースに該当しているならば、今度のメインバンクの9月中間決算対策に利用されないように、対策を講じておく必要もあるだろう。


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月額480円の衝撃(2018/07/04)

 クラウドソーシング大手のランサーズが、会員であるフリーランス向けの「専門家サービス」を6月28日から開始した。「Freelance Basics」と呼ぶサービスだ。法務・税務・教育・福利厚生・融資・保険等の項目は、サラリーマンであったなら当然のように「勤務先及び定職に就く人」という評価でサポートされる。Freelance Basicsは、これらの項目をフリーランスに対してランサーズが代行して行うという、言わば実験的なサービスである。

 今回の「専門家サービス」は、法務・税務の支援サービスで相談窓口を設け、フリーランスの不安や不明事項を取り除くとし、「月額たった480円で法律・会計相談できる」と謳っている。最初の月の利用は無料だ。Freelance Basicsの会員登録後にログインすると、法律サービスとして
  1. 弁護士監修・契約リスク判定(AI-CON)
     フリーランスが作った契約書をUPすると一定のリスク評価を行ってくれるサービス
  2. 契約書ひな形ダウンロード
     秘密保持契約、開発業務委託契約、システム等保守・運用契約等現時点では17種類掲載
  3. 弁護士相談窓口
     GVA法律事務所のメール相談フォームに繋がる
 会計サービスとしては「税理士相談窓口・リーズナブル確定申告(税理士紹介)」が表示されて、クリックすると、税理士紹介老舗のビスカス宛のメールフォームに繋がり、税務相談に対応できるようにしているようだ。ビスカスはHP上で登録税理士3,000人超、24時間365日対応と謳っているので、会員から税務相談があれば登録税理士に振って回答を促す仕組みのように思える。

 月額480円は衝撃だが、実のところ既存のサービス業者と繋いだだけで、現段階でフリーランスの期待に応えるものかどうかは定かではない。


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不動産相続の相談窓口の今後(2018/06/27)

 マザーズ上場のハイアス・アンド・カンパニー社が運営する「不動産相続の相談窓口」加盟店の相続教室が賑わっている。全国の地場工務店、中小ハウスメーカー、不動産仲介業者を対象に2016年10月から加盟店を募集し、半年で100店舗、今年6月時点では168店舗にまで拡大している。

 今年1月には全国一斉相続勉強会を各店舗にて開催し、開催数は113件に達した。昨年9月の同様の開催に比べ倍増となっている。「不動産相続の相談窓口」のサイトでは、7月実施予定の勉強会が約100回、8月予定が約80回開催となっており、ほぼ全エリアで受講者を募っている。内容は相続の基礎知識から中級・上級編や不動産相続、空き家相続等まで個人を対象にした勉強会である。

 今後、加盟店が増加し勉強会の開催が定例化すると、年間で1万人強が学ぶ相続勉強会に発展する可能性もある。


 6月21日、マザーズに上場した(株)ZUUの運営する金融・経済メディアのZUU onlineと「不動産相続の相談窓口」が協業し、「(仮称)相続online」の開設を公表した。

 ZUU onlineは金融・経済・不動産・資産運用等の専門コンテンツを配信するサイトで、月間訪問者数は400万人を超える。この強力なネットメディアとアナログな「不動産相続の相談窓口」店舗がタッグを組むことで、相続教室の集客能力がこれまで以上に増加する可能性がある。

 大相続時代を控え、一般家庭の資産相談に応じるインフラが求められている中、このネットとリアルの融合は興味深い。一般個人が「相続online」で知識を高め、「店舗」で資産分析や不明点を解消し、専門士業が評価・チェックし、対象者の相続事案が終結する。このサイクルにまで発展していくと、面白い展開になるだろう。


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従来とは違う顧客開拓ツール(2018/06/20)

 ネットを通じて税理士が新規開拓する手法の大半は、業界専用のwebサイトに掲載し、自社の紹介および他所との違いをサイトの閲覧者(潜在顧客)にアピールする形式である。しかし潜在顧客からすると、サイト上に登場する多くの税理士のアピール内容に違いが見えないため、誰を自身の問題解決者として選定していいのかわからないのが実情であろう。

 専門家と仕事を依頼したい人をマッチングするプラットフォームである「Zehitomo(ゼヒトモ)」に、現在500人近い税理士が登録されている。顧客側が依頼したい内容を詳細に書き込み、郵便番号を入力すると、登録されている税理士にメールで「依頼内容」が届く。地域や依頼内容を見て、「応募」したい税理士が顧客とチャットでその後のやり取りを行い、契約をしていく手順で運営されている。

 Zehitomoには、税理士だけでなく英会話の講師やカメラマン、webデザイナー等、様々な専門家が登録されている。その登録数は50,000人以上、依頼者からの依頼件数が週に1,000件以上あるという。他のマッチングサイトとの違いは

依頼者側:
  1. 相談内容に対して複数のプロから提案・見積もりが得られる
  2. 様々な検索条件を駆使してプロを探す必要がない
  3. 契約開始前にチャットを通じてプロと直接対話で不明点を聞ける
  4. 依頼者側は無料でこのサイトを利用できる
専門家側:
  1. 登録料や月額課金は無い
  2. 応募課金システムなので成約に関わらず応募案件数に対してコストがかかる
 Zehitomoは昨年7月の1.5億円の調達に続き、今年の5月に4億円の資金調達を行った。プロフェッショナルなスキルを持つ専門家やフリーランスへの認知度を高め、全国を網羅するような登録者数を確保すれば、「地元密着ビジネス向けの顧客獲得支援」プラットフォームに育っていく予感がする。

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簡単・便利な決算予測ツール(2018/06/13)

 会計士・税理士が運営するナレッジラボのmanageee(マネージー)というクラウドソフトは、小規模な法人及び個人事業主向けの決算予測を行うのには便利なツールだ。

 決算予測は従来、エクセル等を使って実績値に決算までの「残月数の予測値」を加算して利益計算を行う形式で、会計事務所でも昔から顧問先向けに行ってきたサービスである。ただ、「残月数の予測値」を勘定科目別に数値入力する際に、担当者の力量等で決算予測の出来栄えが変わってくることもあった。

 決算予測は「売上高予測→変動費率→限界利益→固定費予測→営業利益→税金予測」といった手順でシミュレーションするのが通常だが、固定費の「残月数の予測値」を勘定科目・補助科目単位でその性質に照らして積算していくことが重要になる。小規模な事業では限界利益の予測値は経営者・事業主の感覚の数値のほうが正しい場合が多く、逆に言えば、固定費の見積もりの精度如何で利益予想がずれることのほうが多い。

 manageeeは「残月数の予測値」入力において、勘定科目単位で6つのパターンが選択できるようにしている。
  1. @前年同月の値を使用
  2. A前期の年間平均値を使用
  3. B実績最終月の値を使用
  4. C今期予算値(見込額)から実績値を控除した残額の平均値を使用
  5. D今季予算値(見込額)から実績値を控除した残額を前期の季節変動を加味した数値を使用
  6. E自身で考えた数値を使用
 役員報酬やリース料、賃借料、減価償却費等はBのパターンを選択し、広告宣伝費や消耗品費や交際費等はC若しくはDのパタ―ンを選択するといった使い方ができるようになっている。

 現在、連動可能な会計ソフトはMFクラウド、弥生、ICSの3つ。今期の実績値と前期決算をmanageeeに取り込んで上記パターンのどれで予測するかを決めれば、たぶん5分程度で今期の利益予測ができる。税金予測の入力欄も簡易なパターン、国税・地方税の税率で計算するパターンが用意されている。

 企業も、会計事務所も無料で試算できるので、使い勝手を確かめておくと良いだろう。


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freeeのAI月次監査(2018/06/06)

 freeeが「AI月次監査」なる新機能のサービスを公開した。当面は会計事務所向けのサービスで、freeeの認定アドバイザーに登録されている会計事務所しか使えないようだ。

 freeeを使って月次決算している顧問先の会計上のエラーを自動チェックする機能で、入力の自動化に続き月次決算の精度を高めるための仕訳エラーのアラーム及び修正仕訳提案を行う機能を実装したとしている。

 月次決算の精度は「発生主義で仕訳処理する勘定科目」の範囲をどこまで拡充するかに掛かってくる。売掛・買掛勘定は当然として未収・未払も月次で行うのか、売掛金にしても締め日から月次決算日までの計上を毎月行うのかどうか等々で精度は変わってくる。今回の機能にはこうした点には触れられていない。

 「AI月次監査」では次のようなアラームが画面で表示されるようだ。
  1. 受取利息・受取配当金の源泉税の処理がされているか
  2. クレジットカードの未払金勘定がマイナスになっていないか
  3. 銀行の同期残高と帳簿残高に差異がある
  4. 貸借対照表、損益計算書でマイナス残高になっている
  5. 消耗品費等の勘定科目で固定資産計上が必要な可能性がある
 freeeで自動入力は効率化できたが、各残高にマイナスが生じるとか異常に大きな数値が経費計上されたままとか、月次の試算表を出してみたら「とても顧問先や銀行に提出できる」試算表ではなかったという経験を持つ会計事務所職員もいるだろう。現状のAI月次監査はfreeeの機能を理解して使用していれば、このような自動チェックはあまり必要のないものかもしれない。

 資本的支出や交際費・会議費の判定等は顧問先とのコミュニケーションが無ければ解決しないであろうし、上記のアラーム機能も顧問先単位でAIが自動修正し、職員は修正箇所の確認のみで月次作業が終了するようになれば、会計事務所の月次決算作業も大きく変化することになるだろう。



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