2017/10/18 デビットで現金取引仕訳を無くす
2017/10/11 仮想通貨が税理士業に与える影響
2017/10/04 IT重説の解禁は業界を活性化するか?
2017/09/27 飲食店の新規開業者を開拓する方法
2017/09/20 融資にだけ頼らなくても…
2017/09/13 給与日まで待たなくても…
2017/09/06 銀行支店長の顧問税理士への評価


デビットで現金取引仕訳を無くす(2017/10/18)

 海外に行くとクレジットカードよりデビットカードのほうの利用シーンを見かけることが多い。日本でもVISAやJCB等のブランドカードが発行するデビッドカードが急速に普及し、今年4月時点で500万枚の発行枚数を超えたようだ。中でもネット専業のジャパンネット銀行は、140万枚のVISAデビットカードを発行している。今月からりそな銀行も口座開設するとキャッシュカードにデビット機能がついたカードを発行してくれる。

 デビットカードはクレジットカードと違い、普通預金の残高の範囲内で決済するので、使い過ぎに心配することはない。同時に、レジにて決済した瞬間にメールで利用案内が来るので、ある種の安心感がある。VISAデビット利用明細画面で日付、金額、加盟店名が閲覧できるため「現金出納帳」の代わりになり得る。ソニー銀行のSony bank WALLETのアプリにも、利用した加盟店名が表示されるようになった。これを見る限り「現金出納帳」は過去のものになった。freeeやマネーフォワードは、デビットカードの利用明細の会計ソフトへの取り込みで連携する金融機関もある。

 デビットカードはクレジットカードと違って与信審査はないので、創業したばかりの法人でも発行が可能だ。ジャパンネット銀行では従業員5人以下の法人の利用が7割だそうだ。デビットカードが利用できないガソリンスタンド・新幹線等は、電子マネーかクレジットカードで補い、後は極力デビットカードで「現金支払い」をなくし、会計ソフトへの取り込み機能を利用することで、レシートスキャン → 仕訳変換よりも、もっと入力の手間は軽減するだろう。

 今月3日より、freeeとジャパンネット銀行が更新系APIを使用した振込機能連携を開始した。freeeの会計ソフト内で、買掛先への振込を実行できるようになった。

 これで、企業の「出金」に関しては
  1. 小口現金はデビットカードか電子マネー
  2. その他支払いはクレジットカード
  3. 買掛、給与等の振込決済は会計ソフト
 会計ソフトと銀行の参照系・更新系API連携をフル活用することで、仕訳入力作業の99%が自動化に向かうのではないかと思われる。

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仮想通貨が税理士業に与える影響(2017/10/11)

 先週、家電見本市「CEATEC JAPAN 2017」が開催され、三菱東京UFJ銀行のMUFGコインがお披露目となった。現在、同行行員1500名ほどで試験導入されている。

 MUFJコインは1コイン=1円と決められており、ビットコインのような投機性はない。アプリのトップ画面上には上段からの表示には
  1. コイン残高
  2. コインに交換(自身の普通預金からコインに交換する)
  3. 円に交換(コインを円に交換、普通預金に戻す)
  4. コインを送る(指定した宛先に送金)
  5. コインをもらう(コインを請求する機能)
 主だった機能はこの4つで、電子マネーと違うのはコイン残高を円に交換できること、「送金」という決済機能が備わっていることだろう。

 従来の中央集権型で巨大なコストを投じて作った取引記録システムを、ブロックチェーン技術を使った分散型の取引記録システムが構築できたことで、手数料の安いP2P送金が可能になった。仮に送金額の1%の手数料になれば、1000円の送金が10円の手数料で済むことになる。

 みずほ銀行も「Jコイン」をゆうちょや数十の地銀と共同で発行する計画がある。SBIホールディングも「Sコイン」の発行予定がある。三井住友銀行の生体認証システムも加わって、メガバンクが共通のプラットフォームを作る動きもある。

 税理士や医者や弁護士等、専門家が一般個人にワンコインや1000円で相談に乗ったりすることが来年以降、急速に登場してくるだろう。

 ネット回答の価値の値決め、ネット回答から新規継続顧客への誘導、ネット回答のデータベースの準備等、来年は専門家ビジネスにも大きな波が来そうだ。


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IT重説の解禁は業界を活性化するか?(2017/10/04)

 2015年8月から国土交通省が社会実験として行ってきた「IT重説」が、不動産賃貸契約に関してのみ10月1日より解禁となった。

 従来なら借主は物件内覧後、賃貸契約を交わす際には宅建士から不動産重要事項説明書を「対面」で説明を受ける必要があり、店舗に出向く手間や時間の負担が借主に生じ、賃貸仲介を行う業者も「対面」というアナログな業務を避けて行うことは許されなかった。」

 「IT重説」の解禁は以下のことを遵守する前提で可能になった。
  1. テレビ会議等のツールを利用
  2. 重要事項説明書等の事前送付
  3. 宅建士と相手方の本人確認
  4. 双方了解を前提にした録画録音の実施
 ただ今回の約2年間に及ぶ社会実験で「IT重説」を賃貸で試したのは1000件超で、売買に関しては2件に留まり、売買に関しては再度実験を続行することになった。

 この実験に参加登録した300社超の事業者のうち、大手3社のシェアが賃貸で8割を超え、中小の事業者は参加登録はしたものの「IT重説」の経験は0というところが大半だったようだ。このままでは規制緩和で登場した「IT重説」も大手で独占され、仲介手数料のコストダウン競争になれば、中小の事業者は益々厳しい環境に置かれることになる。

 今後は地方から首都圏、都市部に移り住む学生や転勤予定のサラリーマン等が「IT重説」の恩恵を受けることになるだろうが、不動産業界自体のITによる業務効率化や仲介手数料引き下げの果実が国民に得られるのは少し先だろう。今後は個人の不動産売買の「IT重説」も解禁になり、相続に伴う不動産売買や空き家対策に繋がっていけば業界の活性化策にもなる。


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飲食店の新規開業者を開拓する方法(2017/09/27)

 テンポイノベーションが10月にマザーズに公開すると発表があった。名古屋本拠の東証一部のクロップスが約85%所有する子会社上場である。

 テンポイノベーションは東京23区内を中心に「居抜き物件」を専門に取り扱う業者である。しかも飲食専門の居抜き物件のみを扱い、飲食店の開業希望者向けの「居抜き店舗.com」にて、賃料・造作含めた投資総額・築年・立地等々で物件検索ができる。

 現時点の物件数は43,830件、サイトに登録する会員数は約46,000人。

 通常、店舗を閉めるときは、大家さんから保証金を返還してもらい、原状回復に要する費用や償却費が大きな支出になる。開店して間もなくの閉店の店なら造作設備の再利用ができ、大家さんの了解があれば、居抜きの状態で次の事業者へローコストでバトンタッチさせることが可能になる。
  外食と不動産の目利きに加えて、大家と出退店主の間に入ってコンサルする能力が必要なビジネスになっている。

 飲食店を開業予定している人なら、賃貸物件の保証金・内部造作金の資金手当てに、国や自治体の制度融資を使う人が多い。そのための簡単な経営計画も必要になる。開業後のすぐに行うべき諸手続き、その後の経理指導や、税務申告といったバックオフィスの業務も待ち構える。

 テンポイノベーションで飲食の開業者は46、000人を抱える。すべてが新規の開業者ではないだろうが、テンポイノベーションと会計事務所がタッグを組めば、会計事務所の持つ顧客の店舗情報とテンポイノベーションの持つ開業者情報を相互に活用できる仕組みを提案できないだろうか。


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融資にだけ頼らなくても…(2017/09/20)

 先月、ソニー銀行が投資型クラウドファンディング「Sony Bank GATE」の運営を開始した。日本国内の銀行として投資型クラウドファンディングの仕組みを提供するのは、初めてだという。
 第一号案件は、IoTデバイスの開発企業で、調達目標金額1000万円に対して206名の出資口数で総額1030万円の募集金額だった。ソニーブランドでこうしたプラットフォームができたので、未公開株という「胡散臭さ」は多少無くなるのかもしれない。

 2015年5月に改正金融商品取引法が施行され、新たに“株式投資型”のクラウドファンディングが解禁となった。未上場企業による1年間1億円未満の資金の募集がインターネット上で可能になり、個人投資家は1社50万円以下の範囲で、将来IPOを目指す未公開株に投資できるようになった。

 今年4月、株式会社日本クラウドキャピタルが運営する、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO(ファンディーノ)」において第一号案件が成立して以降、今日まで4件の資金調達が成立している。

 FUNDINNOのサイト上で案件を見ると

  調達企業 目標調達額 最終調達額 締切りまでの日数
@ 事務処理サービス業 500万円 1460万円 1日
A 印刷・出版業 2000万円 3070万円 1日
B アパレル販売 2850万円 3237万円 3日
C メタゲノム解析 2520万円 3430万円 1日

 A号案件は目標金額まで3時間、最終調達額まで13時間で到達し、投資家がじっくりと考えて投資判断する時間も与えられないような熱気ぶりが感じられる。

 今月13日からも元グリーンシートの運営者であった社長が経営する「GoAngel」が開設される見通しだ(9月9日時点)。クラウドキャピタル、ソニー銀行も含め、中小企業の資金調達手段の一つとして動向を見守ることは必要であろう。


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給与日まで待たなくても…(2017/09/13)

 フリマアプリのメルカリで「現金」が出品され話題になったり、ネット通販のZOZOTOWNで「ツケ払い」が出来るようになったり、質屋アプリの「CASH」サービスが立ち上げと同時に換金希望ユーザーの急増で1日で廃止に追い込まれたり、現金の流動化現象に似た動きが次々と起こっている。

 9月4日にβ版で公開した「Payme」は給与前払いサービスである。前借りと違い、前払いは労働基準法で認められている制度で、メガバンクや他のベンチャーも以前から給与前払いサービスを展開してきたが、それほどの利用度は高くなかったようだ。

 「Payme」は前払いサービスを受けたい企業と契約を行う。その企業に属する従業員の求めに応じて希望する口座に「Payme」が立て替入金を行う。手数料は3%前後で従業員の負担となり、企業側の負担はなく、従前の企業による直接の前払い制からすると事務負担も軽減される。締め日に建て替え総額を「Payme」に支払うだけだ。

 従業員は
  1. スマホで自社のメールアドレスを入力
  2. パスワードを入力
  3. 希望する前払い金額を入力
  4. 給与日に控除される手数料込みの金額を確認し申請ボタンを押す
だけの操作で煩わしい手続きはなく、金利の高いカードローンに走る必要はなくなる。

 企業側の事務負担は、導入当初に従業員個々の前払い金額を設定(概ね給与総額の7割程度)する程度のようだ。

 今年の7月に会社が創設され、経営者は24歳のIT技術者、年末には月額利用総額1億円を目指すという。中小企業こそ従業員の採用・定着に向けた制度として、前向きな検討を行っても良いのではないだろうか。


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銀行支店長の顧問税理士への評価(2017/09/06)

 事業性評価融資を積極的に行う地域金融機関の営業現場は、企業の顧問税理士との関係を協力的なものに維持したい願望があり、顧問税理士の側も金融機関との信頼関係を得て当該企業の経営支援を継続したい願望がある。

 2017年1月に経済産業研究所が実施したアンケートの回答結果がこのたび公表された。調査名は「現場から見た地方創生に向けた地域金融の現状と課題」とし、地銀・第二地銀・信用金庫・信用組合の営業店舗の支店長7000人に向けたアンケートで2868人の回答(回答率41.0%)を得た。

 回答結果のうち、支店長と顧問税理士の関係性の項目の中で
  1. 「企業支援に際して再建の障害になった経験」を障害対象者別に質問したところ
    • 企業の経営者自身と回答した支店長が75%の割合で「よくある」「時々ある」と回答
    • 他の民間金融機関と回答したのが44.2%の割合で「よくある」「時々ある」と回答
    • 企業の顧問税理士と回答したのが40.7%の割合で「よくある」「時々ある」と回答

     経営者自身は経営者交代や私財提供を求められるため「障害」となり、他の民間金融機関は債権放棄が「障害」として出てくるのは頷けることもあるが、顧問税理士が「障害」と支店長が認識していることには驚かざるを得ない。
  2. 顧客企業の顧問税理士と回答者自身(支店長)の関係を問うたところ
    • 定期的に顧問税理士と連絡を取っているとの回答が9.1%
    • 必要に応じて連絡が取れるとの回答が59.1%
    • 顧問税理士の名前を知っている程度の回答が23.9%
    • 本格的な企業支援の際に協力して実施できるとした回答が31.8%

     金融機関の本部でなく、支店の最前線にいる支店長が「本格的な企業支援を顧問税理士と一緒に実施できる」と認識している割合が3割程度にしか過ぎないという事実は、税理士側も反省しなければならないだろう。
  3. 税務面以外で顧問税理士が中小企業経営に効果的な助言ができる割合を問うと
    • 20%未満が32.5%
    • 20〜40%未満が37.8%

     約7割の支店長は「税務以外の経営助言」を顧問税理士に期待していない事実も明らかになった。
 融資量の拡大をメインに走ってきた地域金融機関も、事業性評価融資に切り替えていかねばならない時代に入った。顧問税理士の役割も大きく変わってくることになる。


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