2017/02/15 税理士業にもLINE WORKSを導入する
2017/02/08 関与先支援に法人infoを活用する
2017/02/01 グーグル翻訳で業務の幅が拡がる
2017/01/25 ベンチマークの公表と会計事務所の出番
2017/01/18 TKCと三井情報の連携
2017/01/11 相続税0申告の実態
2016/12/28 税理士事務所も新型融資に絡んでいかないと…


税理士業にもLINE WORKSを導入する(2017/02/15)

 平成27年度の相続税額のある被相続人数は10万人を超え、相続人数も23万人超となり、一般人にも馴染みのある税目になってきている。相続資産の種類でも不動産より金融資産が多い地域が増え大企業サラーリマンも相続申告増に貢献しているようだ。

 先日も大企業を退職し地方の実家に移り住んだ人が、次のような悩みを抱えていた。
  1. 3人の子供がいるが、東京、福岡、実家の近くに分散して居を構えている
  2. 日常の出来事の報告等はLINEで行っているので家族間のコミュニケーションは採れている
  3. 相続のことも検討しておく時期でもあるが、全員が集まって打ち合わせする時間も取りにくい
  4. 税理士さんや司法書士さんにも相談したいが、相談内容をリアルタイムに共有したい
  5. 家族のトークルームに友だち招待しても、相談事と私的なことと区別が出来ない
 この2月から運用を始めたLINE WORKSを研究してみよう。専門家からすれば普段から使っているLINE感覚で私的なコミュニケーションとビジネスチャットをスマホで行うことができるLINEの新しい機能である。
  1. 税理士事務所や司法書士がLINE WORKSのユーザーになる。ライト機能なら1ID年額 3,600円
  2. 外部トーク連携機能を使って外部とのトークを許可するメンバーを設定
  3. 相談者である上記LINEユーザーに専門家のLINE WORKS IDを友だち追加してもらう
  4. 弁護士等他の外部専門家もLINE WORKSメンバーであれば外部連携してトークルームに参加する
 従来のLINE機能でビジネス上のやり取りするには企業側の管理の問題、セキュリティ、公私の区別がつきにくい・・のデメリットがあったが、LINE WORKSの登場でこれらの問題は解消されるようだ。既に中古車購入希望者と営業マン、転職希望者とコンサルタント、社外の重要な取引先とのコミュニケーション等の活用事例が多く出ている。

 6千万人の人がLINEを使っている、他のアプリと違って老若男女問わず、コミュニケーションツールとして認知されているLINEにビジネスツールが登場した。ビジネスに使える印象が増えれば爆発的なツールになると思われる。

 本当にバーチャルな専門家連合が全国に散らばる相談者への専門サービスを展開出来る可能性が出てきた。


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関与先支援に法人infoを活用する(2017/02/08)

 経済産業省版法人ポータルの発展形として、法人インフォーメーション(略称 法人info)の運用が先月から開始されている。

 国税庁の法人番号公表サイトでは、登記された全国の法人が法人種別、所在地別等で検索できるが、この法人infoのサイトでは、政府機関が保有する「補助金情報」「調達情報」「行政処分情報」「表彰情報」が約400万社の法人情報に掲載されていて、企業名単位での検索(簡易検索)や上記の情報単位での検索(詳細検索)ができる。

 例えば、愛知県の○○市の2016年度の補助金の交付を受けた企業リストが瞬時に検索できる。
その後、リストにある企業名をクリックすると、交付を受けた補助金の具体的な名称を見ることが出来る。「射出成形時に発生するソリ変形等に対応した大型金型用システムの開発」「ロボット介護機器開発」「ハイブレッドレーザー加工技術の開発」・・・補助金申請時に記載した開発・研究テーマ等が閲覧できる。うまく使えば自社の取引先候補として営業ツールにもなる。

 調達情報では発注先の各省庁、事業年度、地域(都道府県、市、区)資本金、従業員数等で検索できる。例えば、神奈川県横浜市○○区で防衛省から2016年度に受注した企業リストが画面に出てきて、特定の企業名をクリックすると、防衛省に納入した物品・サービスの内容がわかる。

 現時点での調達情報は54,771件が記載されていて、多い順に農林水産省が13,930件、防衛省が13683件法務省(刑務所収容関係が多い)7,989件・・となっている。

 補助金情報も全省庁で64,101件あるが、内、農林水産省が7割強の43,540件ある。このサイトは法人情報なので、農林水産関係の補助金交付を受けるのも法人に限っている。農業の法人化が進んでいることが現実感を持って解る。

 自身の事務所の営業範囲内で、補助金交付を受けている企業や政府から受注している企業等をリスト化して関与先の営業支援を検討してみるのも今後のサービス強化になると思う。


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グーグル翻訳で業務の幅が拡がる(2017/02/01)

 リアルタイムカメラ翻訳機能を搭載した「Google翻訳」が、先日から日本語対応できるようになった。翻訳したい英語文書や画像に「Google翻訳」アプリを起動し、翻訳画面左下のカメラアイコンをタップすると
  1. ほぼ瞬時に
  2. 元文書(画像)に重ねるように翻訳文書が表示される
 次にこの翻訳された文書をカメラ画像に移し、必要な文章単位で翻訳内容もチェックできる。当然、日本語文書を英語に翻訳した時は、従来の「Google翻訳」と同様に言語表示の切り替えを行うだけ。

 以前から指摘のある翻訳精度はどうなのかと思い、ビジネス関連文書で試してみると
  1. 決算書関係
     貸借対照表の勘定科目では仕掛品(work in process)は「作業進行中」という言葉で翻訳され固定資産(non-current assets)は「非流動資産」といった類だが、英語表記の財務諸表にスマホカメラをあてるだけで、一定の会計知識のある人には便利な機能と思う。
  2. 一般的な雇用契約書ひな形(A4サイズ)の日本語表記をスマホカメラに翳すと、これも違和感なく英語書式に変換されるので辞書片手に契約書を作らなくても良さそうだ。独自の契約文書を挿入したければ、日本語で作成後、スマホカメラを利用するのも効率的だろう。
 その他、輸出入の決済に使用する信用状(LC)による売買契約書や外国人の入居申込書なども

日本語←→英語

タップするだけで一定程度の価値あるツールになる。長い文書の翻訳はまだ直訳的で使えそうもない感想を持つ人も多いだろうが、一定の書式や専門用語を用いる文書は、このリアルタイム翻訳機能は使えるはずだ。一度試されると良い。

 中小企業も取引や雇用面で英語を使用する機会が増えてきている。会計・労務の業務で翻訳を必要とする工程に「Google翻訳」は活躍するだろう。


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ベンチマークの公表と会計事務所の出番(2017/01/25)

 昨年金融庁が導入した、ベンチマークに基づく地方銀行の指標の報告が各財務局に報告されているが、指標を公表に踏み切った銀行は殆どない。その中でいち早く公表した、山形銀行及び山陰合同銀行の5つの共通ベンチマークの数値から特徴的な項目を見てみた。

1「貸付条件の変更を行っている中小企業の経営改善計画の進捗状況」では

  条件変更総数(社) 好調先 順調先 不調先 計画なし
山形銀行 1075 113 302 121 539
山陰合同銀行 2302 227 492 142 1441

 山形銀行の定義では好調先は売上高・当期利益とも計画比100%以上の先で、順調先は売上高・当期利益の一方が計画比100%以上、不調先は売上高・当期利益とも計画比80%未満の先としている。

 双方の銀行とも、経営改善計画を提出した中小企業の7〜8割は計画が順調に進捗しているが、驚くことに、リスケに応じたにも関わらず経営改善計画が無い中小企業割合が山形銀行では50%、山陰合同銀行では62.5%に達している事実である。昨年12月時点での経営革新等支援機関数は25,827機関あるのも関わらずだ。

 経営改善計画が策定できない理由が、事業承継なのか、廃業寸前企業なのか、経営者の意欲減退なのかが明らかにされ、同時に市場からの退出も止む無しとなるのか、今年の注目点の一つであろう。

2「事業性評価に基づく融資を行っている与信先数、融資額の割合」では

  1. 山形銀行は全与信先数の3.6%が事業性評価に基づく融資先で、融資額での割合は24.9%
  2. 山陰合同銀行では同様に先数で4.8%、融資額で12.8%

と公表している。ここでの事業性評価の定義は各行で厳密に定まっていないとしても、融資先数ベースでの割合は無いに等しいものになっている。いかに担保依存の融資姿勢であったかを如実に表わしていると言えるだろう。


 ベンチマークの公表が今後増えてくると、経営改善計画策定に注力している銀行、事業性評価融資に積極的な銀行と「銀行の色」が見えてくる。捨てられない銀行になるために、各士業にも協力を求められてくるのではないかと思う。


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TKCと三井情報の連携(2017/01/18)

 TKCのモニタリング情報サービスの対応金融機関が1月13日時点で190行になった。全国の地銀・信金数の約5割強が、TKCで月次決算処理する中小企業の財務内容をモニタリングできる環境にある。TKCのモニタリング情報サービスは
  1. 決算書等提供サービス
  2. 月次試算表提供サービス
  3. 最新業績開示サービス(29年4月開始予定)
から成る。従来は、金融機関が融資に際して取引先企業に決算が終了する都度、決算書・申告書等の提出を求め、コピーされた紙資料で提供を受け、行内の財務判定ソフトに入力し融資判断を行っていた。しかしこれからは、決算申告を請け負った会計事務所から取引先企業の承諾を前提に、金融機関にネットで配信されることになる。

 一方、地銀・信金の多くは三井物産の子会社である三井情報が開発した「CASTER」という財務分析ソフトを使っている。今回、TKCと三井情報が今年の3月をめどにデータ連携し、会計事務所から送信された決算書データをCASTERで取り込み、財務分析を瞬時に行えるようになるらしい。

 CASTERで行う財務分析の特徴の一つに「粉飾チェック機能」があり、経常収支比率が95%を下回ると自動で作動することになっている。損益計算書で利益計上されていても、経常収支がマイナスであれば、金融機関はまずその原因がどこにあるかをチェックして、稟議に挙げることになっている。財務収支尻の不具合なのか、粉飾の疑いがあるのかを探らなければならない。

 金融機関が利用してきた財務分析ソフトと中小企業の多くが利用する計算ソフトは、従来であれば全く別の存在であったものが、ネットによるデータ連携で「新サービス」が誕生することになる。これも新しい時代の幕開けであろう。こうした動きに会計事務所が先んじて対応できるかどうかも、勝負の分かれ目になるに違いない。


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相続税0申告の実態(2017/01/11)

 昨年12月に公表された国税庁の「平成27年分相続税の申告実績」によると、相続税額のある被相続人の数は約103,000人で対前年比で約47,000人増加した。これは、27年中に死亡した人(約129万人)の約8%(課税割合)に相当し、前年の課税割合が4.4%なのでほぼ倍増の結果となった。

 相続税申告業務を受任する税理士事務所にとっての関心事は、課税割合件数よりも相続税0申告数も加えた申告件数の動向であろう。同資料によると、平成27年分の相続税0申告の被相続人数は約30,000人で、課税割合件数を合算した申告件数は133,000件となり死亡数の10.3%となった。

ざっくりで言えば死亡数100人に対し10人が申告対象となり内2人が相続税0申告である。

 この数値は全国平均値であり、大都市圏や地方では申告件数も当然異なってくる。主な国税局発表の資料では(死亡数100人に対し)

国税局 申告数(人) 相続税0申告数(人)
東京 17.6 4.9
名古屋 13.7 2.7
大阪 10.4 2.2

東京近郊は地価が断トツに高い事もあり、小規模宅地の評価減の特例を使い相続税0申告の割合が多いのであろう。それにしても、東京近郊は死亡数の2割近い人が納税0でも申告をしなければならない状況になったことになる。

 相続税申告作業を全くの素人の方が自身で完成させることはまず無理であろう。となると専門家に依頼しなければならなくなるが、税額0でも申告手数料が数十万は必要となれば、理解に苦しむことになるのではないか。一方、専門家の側も相続税額0の申告作業も通常と変わらず、0だから工数削減とはならないので利に合わない事情もある。ネットを使って全国一律料金で「相続税額0円申告は98,000円」と謳っている税理士事務所もあるようだ。

 相続税申告が必要な人は死亡者の5%といった話は昔の世界で、今は死亡者の1割になった。大都市では1〜2割になる。特例を使って相続税額0となる「迷える申告者」をどう迎え入れるかも、税理士事務所によって戦術が異なってくるのであろう。


参考:
国税庁「平成27年分の相続税の申告状況について(PDF/347KB)(平成28年12月)


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税理士事務所も新型融資に絡んでいかないと…(2016/12/28)

 横浜銀行とfreeeの協業によるビジネスローンの申し込みが12月19日より開始となった。特徴は
  1. 仮審査申し込み→本審査の2段階を踏むこと
  2. 仮審査でfreee内のデータを銀行が閲覧し第一回答を電話で事業者に行う
  3. 仮審査に合格すると本審査での申し込み手続が必要
 要は複数の書類を用意して申し込む手間はなくなったということ、freeeでデータを見せれば第一次選考に合格するかどうかの判断がつく・・程度がメリットか?
  1. 融資上限は5000万円で先行したジャパンネット銀行とfreeeのビジネスローンより金額は大きい
  2. freeeの2つ星、3つ星認定アドバイザーである税理士事務所の顧問先限定ローンで金利面で0.25%優遇される
 freee認定税理士の顧問先限定なので、利用事業者は限られるが、この制度によって税理士事務所がfreeeの利用を事業者に積極的に進めていく環境は生まれたようだ。

 来年の春には、住信SBIネット銀行がfreeeの会計ソフト上で、振り込み操作が実現できる仕組みが予定されている。ソフト内で資金繰り表を作成し、それに基づいて振り込みまで終わらせる流れが出来ることになる。

 また来夏に予定されているリクルートの中小企業向け融資がフィンテックとの連携でどのような形を見せるのかも興味がわくところでもある。飲食・不動産・美容等々サイト運営で30万社以上の中小企業を囲い込んでおり、企業与信を必要としない大手による新型融資が登場する。

 個人対象であるがソフトバンクとみずほ銀行がタッグを組んだAI融資も2017年前半に事業開始が予定されている。

 金融庁も事業性評価融資の実行を来年から本格的に地域銀行に求めていくことになるだろう。過去の財務諸表から得られるデータに依存することなく、事業そのものを担保に融資可能かどうかの目利き力を更に求められることになっていく。

 一方で、過去の財務諸表に基づいた企業与信でなく、リアルな日常の会計データで即日融資を謳い文句にするフィンテック事業者と銀行との連携も中小企業向け融資の道を開いていくことになるだろう。



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