2017/08/09 会計事務所がリクルートと組むと・・
2017/08/02 顧問先の建設業者の方へ
2017/07/26 期待される資金調達方法
2017/07/19 国がクラウド会計を進めてくる
2017/07/12 魅力ある社会人の背中を見せる
2017/07/05 士業の営業支援サイトとなるか?
2017/06/28 税務署がライバルになる?


会計事務所がリクルートと組むと・・(2017/08/09)

 約1年前にリクルートの子会社が貸金業登録をし、中小事業者向けオンライン融資を行うと公表して話題になったが、いよいよ今月から融資事業の具体的な形が見えてくる

 名称を「Partnersローン」とし、リクルートが運営する旅行サイト「じゃらん」に登録する旅館・ホテル向けにオンラインで融資受付をすることからスタートする。今年3月末で「じゃらん」に登録される宿泊施設数は26,563件に達し、年間の予約人数は9,600万人超になるという。

 当然、じゃらん側では、宿泊施設の決済条件や稼働率や宿泊在庫等も把握できるので、融資で必要な財務情報がなくても、宿泊施設の営業情報で一定の与信評価ができるのだろう。

 他社サイトへの登録を止めさせ、じゃらんサイトのみで宿泊在庫情報を独占できれば、日別・月別売上計画ができるので、与信審査する側では適切且つタイムリーな資金供給が可能になるだろう。

 リクルートは宿泊サイト以外でも、Airレジ導入店舗が飲食業中心に28万店舗、不動産サイト、ウェディングサイト等でグループ全体で約30万事業者を顧客としている。いずれも財務情報がなくてもコアの営業データを与信に利用できる強みがあり、中小企業者向け短期融資の事業者としては地域銀行の強力なライバルになってくるかもしれない。

 逆に会計事務所がリクルートと組んで、顧客の承諾を前提に財務データの提供ができるならば、無担保融資で好条件な商品開発も可能になってくる。


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顧問先の建設業者の方へ(2017/08/02)

 元とび職の社長が運営し、食べログの開発者が社外取締役として急成長している建設業に特化したマッチングサイトがある。ツクリンクというサイトで現在会員数が15,800社強で、月に800件近く大手も含めた建設業者の新規登録があるという。

 建設業は1人親方も含めると100万業者あり、多くはITと縁遠く、過去にも似たようなマッチングサイトが登場したが、受発注の案件数や会員数が一定規模にまでスピード感持って増加してこないと、既存会員に飽きられてしまう傾向にある。その意味で、このツクリンクのスピード感は本物かもしれない。

 サイトの構成は「案件情報」「空き情報」に分かれ、案件情報にはクロス職人・大工・電気工事・左官等々、元請が現在施工中の案件で、不足している下請け・職人の募集情報が掲載され、その情報を必要とする別の事業者にメール連絡が入り、その後は各自の責任で個別交渉に入る仕組みになっている。「空き情報」は主に職人側が「○○まで手が空いてます…」と受注活動をしていて同様に別の事業者とのコミュニケーションが出来るようになっている。

 無料会員でも上記の機能は使い放題で、且つ、PCはもとよりスマホアプリで瞬時に会員登録や受発注情報をチェックできることも、急速に会員数が増えている要因でもあろう。現時点の流通総額は28億円に達しているようで、この度、再度の資金調達も実施したようだ。顧問先の小規模建設業者にも使ってもらえるサイトであると思う。


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期待される資金調達方法(2017/07/26)

 株式投資型クラウドファンディングサービスの「FUNDINNO」(ファンディーノ)で2つ目の投資案件が成約した。4月の第一号案件が請求書処理システムを開発するBank Invoiceで、第二号案件はシルク印刷のJAMという会社である。両社の募集要項を比較してみると、以下のとおり。

  第一号案件 第二号案件
資本金 1479万円 300万円
発行済株式数 431万株 120万株
1株当り払込金額 40円 250円
募集株数 375000株 132000株
募集金額 1500万円 3300万円
完売までの日数 1日 2日
目標募集金額 500万円 2000万円
上限募集金額 1500万円 3300万円
第三者持株割合 8.70% 11%

 両社とも第三者割当増資の株価算定では、募集前資本金の約100倍を想定時価総額として払込単価を決めているように見える。非上場株への投資が1人50万円と改正されてからの案件だけに、上場株式のIPO同様、募集開始後数時間から2日で完売する人気ぶりである。

 「FUNDINNO」で資金調達する会社のコストは審査料が10万円に加え、募集金額の15%の手数料が必要になる。しかし、VC等とは異なり最大50万円までの個人投資家の資本参加を受けるが、この両社のように増資後も9割近い支配権を維持して資金調達が可能というメリットもある。

 「FUNDINNO」自体も今月約1.1億円の資金調達を行っており、非上場会社と個人投資家のマッチングのプラットフォームを目指していくだろう。


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国がクラウド会計を進めてくる(2017/07/19)

 6月に閣議決定された「未来投資戦略2017」にFinTechの推進等として
  1. 3年以内に80行程度以上の銀行におけるオープンAPIの導入を目指す
  2. 今後10年間でキャッシュレス決済比率を倍増し4割程度とすることを目指す
  3. 今後5年間にクラウドサービス等を活用しバックオフィス業務(財務・会計領域等)を効率化する中小企業等の割合を現状の4倍程度とし、4割程度を目指す
といった進捗目標が掲げられている。

 衝撃的なのは中小企業のクラウド会計利用率を、今後5年で、現状の4倍程度までに高めるという具体的な数値目標を、国策として掲げたことだ。小規模企業や個人事業主や創業間もないベンチャーには、クラウド会計導入率は高いとされているが、従前の中小企業の大半は、会計事務所が推薦する会計専用機ソフトを使っているケースが多いとされ、ここのゾーンのクラウド会計導入が進まないと、国の言う「全体の4割がクラウド会計を使う」姿にはならない。

 更に企業の成長力強化のためのFinTechアクションプランとして6項目が掲げられ、その一つに
  1. XML新システム等のデータ活用した融資サービスや税務支援(電子領収書の発行等)の検討
があり、2018年に稼働予定のXML新システムの登場で、従来の銀行の決済システムが大きく変わることが予想される。具体的には「一括ファイル伝送」「インターネットバンキングのファイルアップロード」「媒体による総合振込」等の形式が新システムへの移行対象となる予定だ。
  これにより、銀行と連携してクラウド会計に取り込む情報量が間違いなく増大し、経理業務の一層の効率化に繋がることは確実であろう。


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魅力ある社会人の背中を見せる(2017/07/12)

 金融+テクノロジーで「フィンテック」の造語に対して、最近はHR(Human Resources)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語であるHRテックにも企業の関心が強い。

 とりわけ大学生採用には大・中小企業問わず苦戦している。企業と学生をマッチングさせるプラットフォームも数多くあるが、大半は企業が自社の商品・サービスの紹介や企業イメージを学生にアピールするパターンが多い。学生からすると「働きやすさ」「目標とする人物」等に関心が強く、従来であれば企業サイトに応募し、セミナーを受け、OB訪問して本来の目的を果たすという行動が一般的であった。

 VISITS Technologies(旧社名VISITS WORKS)は「VIVITS OB」を運営するベンチャー企業で、OB訪問専門のマッチングサイトを運営している。昨年のサービス開始後半年では約5,000名の大手企業中心に社員(OB)のプロフィール情報があり、学生側の登録数も14,000名に達し、OBと学生のマッチング数が約8万件あったそうだが、1年後の現在ではマッチング数が50万件に急上昇している。

 仕組みは単純で
  1. 自身の学生時代に経験したことや仕事への想い等のプロフィールを登録する
  2. 登録されている社会人のプロフィールで「先輩の想い」に共感したら返事をする
  3. 社会人は学生から来た返事を見て関心あれば訪問や座談会に誘う
 企業側も採用に至った際の報酬は成功報酬でなく、定額報酬になっているのも中小企業には使いやすいサイトであろう。また、学生側も1〜2年生からでも登録が可能でインターンシップを通じての学生へのアプローチもできる。

 働き方改革で確実に学生側の意識も変わってきた中で、「魅力ある社会人の背中」を追ってみたい学生も相当数いるはずだ。ここには大企業も中小企業もない、中小企業に働く魅力ある社会人も、このサイトに多く登録されることを期待したい。


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士業の営業支援サイトとなるか?(2017/07/05)

 ローカルサービス市場のプラットフォームを運営するミツモアに注目してみたい。リフォーム・カメラマン・士業などを中心に60以上のジャンルで一括見積サービスを6月から本格的に始動する。

 士業をリフォームやプロカメラマン検索と同一の目線で見るのはどうかと、先生意識が抜けない専門家には最初から見向きもされないかもしれない。しかし、個人の確定申告や相続申告・手続きに関して「自分にぴったり合う税理士」を求める一般ユーザーは世に多く存在する。税理士検索サイトも数多存在するが、地域や価格を主としてマッチングさせるものが多くローカルサービスのマッチングサイトにはなりえていないような気がする。

 他のマッチングサイトの収益源は登録事業者の広告収入であったり、マッチングの際に支払われる報酬に対する手数料が主になるが、ミツモアは事業者が見積り提案する案件数に対しての手数料のようで(現在はスタートしたばかりなので事業者手数料は無料)ある。

 もう一つの特徴は依頼主へ事業者から見積もり提案が5件送られてきた段階でクローズされるので事業者からすると最大1/5の確率で受注できる可能性がある。

 試しに検索窓でユーザーが「相続」で検索すると
  1. 相続財産の内容
  2. 相続対象の土地の数量
  3. 相談内容として、「財産評価」「節税対策」「遺産分割協議書の作成」「相続税申告書」…
等をユーザーが選択し送信するすると、事業者から見積もり提案メールが来て、その後はチャット形式で対話していく段取りのようだ。

 米国ではローカルサービスプラットフォームとして流通総額2000億円を超えるサイトも誕生している。地域密着型の士業が「身の回り税務相談」を潜在的に有している一般個人を発掘する営業支援サイトにも「登録」しておく価値もあるのではないか。


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税務署がライバルになる?(2017/06/28)

 国税庁が6月23日に公表した「税務行政の将来像〜スマート化を目指して」の一部に納税者の利便性の向上をあげ、「税務相談の自動化」として
  1. メールやチャットを活用して税務当局と納税者等との相談チャネルの多様化を図る
  2. 相談内容をAIが分析しシステムが自動的に最適な回答を行えるようにする
「申告内容の自動チェック」の一部には
  1. AIを活用し、インターネット上の土地データなどの各種情報の自動収集や土地利用状況の自動分析等を行うとともに、国税当局が取得・保有する各種情報に基づき、路線価・倍率・株価等を自動的に評定することにより、相続税、贈与税の財産に係る評定事務を効率的にすることが望ましい
とある。10年後を目指した将来像の検討課題としてスマート行政を掲げている。

 上記1. 2. についてはLINEを活用したチャットボット(チャット機能+ロボット)が多くの民間企業で既に構築・運用されているので、当局が本腰を入れれば、年内にも使用可能なサービスになるはずだ。会計事務所からすれば税務相談を当局が行うのだから民業圧迫と騒ぐかもしれないが、納税者には「待たずに」「手馴れたLINEで」一定の回答を得られるなら有難いことになるし、一方、会計事務所側は「一定の知識・見解を事前に取得した」相談者が専門家に相談するのだから、生産性の向上に寄与するだろう。

 上記3. についても国交省の土地総合情報システムとデジタル化された公図情報を組み合わせ、AIに土地の相続税評価額の計算式や過去の申告書に添付された計算事例を覚えこませれば、難なく出来るはずである。

 相続人は「不動産の住所」のみシステムに答えれば評価額が算定される日も遠くないはずだ。 
  
参考: 
国税庁「税務行政の将来像〜スマート化を目指して



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影山勝行経営フォーラム
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