作成日:2017/08/18
平成30年分以降のマル扶の記載が変わる
先日の、配偶者控除、配偶者特別控除の改正に伴い、年内に理解しなければならないことのうち、2つ目に記載した“平成30年分のマル扶の記載が変わる”ことについて、今回ご案内します。
昨日は、1つ目に記載した“「扶養親族等の数」の算定が変わる”をご説明しました。
「扶養親族等の数」は、扶養控除等申告書(マル扶)の記載内容から求めます。つまり、「扶養親族等の数」の算定が変われば、必然とマル扶の記載も変わります。
具体的には、「扶養親族等の数」のベースとなるべき配偶者が次のとおり変更されたことによる、配偶者記載欄の変更です。
改正前「控除対象配偶者」→改正後「源泉控除対象配偶者」
つまり、次の太枠部分のうちの上部分です。
ちなみに、太枠の下部分は、昨日ご案内したとおり、「同一生計配偶者」という用語が設けられていますが、用語のみ変更されるだけで、実質これまでと同様で、対象となる配偶者に違いはありません。
ご覧いただいてお分かりのとおり、今後マル扶に記載すべき配偶者=「源泉控除対象配偶者」は、次のいずれにも該当する場合です。
- 所得者本人の合計所得金額900万円以下
- 配偶者の合計所得金額85万円以下
合計所得金額を給与収入だけで考えた場合、900万円以下は1,120万円以下、85万円以下は150万円以下です。
国税庁から公表されている最も新しい平成27年分の申告所得税標本調査結果によれば、給与所得者のうち、合計所得1,000万円超で、かつ、配偶者控除を適用していた人は全体の約31%でした。(この統計上で“900万円超”という数値がなかったので、最も近似値である1,000万円超で参照してます)
つまりざっくりいえば、これまでマル扶に配偶者の情報を記載していた人のうち約3割は30年分のマル扶からは記載することができないことになり、一方でこれまでマル扶に配偶者の情報を記載していなかった人でも「源泉控除対象配偶者」に該当することになれば、記載することになります。この場合の記載していなかった人で今後記載することになる人とは、本人の合計所得が900万円以下であり、かつ、合計所得が38万円超85万円以下の配偶者がいる人です。
これまでマル扶への配偶者の情報記載は、申告者ご自身の所得金額は考慮することなく、配偶者の合計所得金額が38万円以下かどうかだけを考えればよかったのですが、今後は自身の合計所得金額も考慮に入れつつ、配偶者の合計所得金額が「85万円以下」へと大幅に上がることも考慮しなければなりません。
このように、今後のマル扶の配偶者記載対象となる人は大きく変わることになります。申告者本人と配偶者それぞれの合計所得金額別で、扶養親族等の数を確認できる表を以下に示しました。こちらでご確認いただくとよいでしょう。
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