Daily Contents
Daily Contents
作成日:2018/05/15
無限責任社員の第二次納税義務の整備の改正に関する関連通達等の改正



 平成29年度税制改正において、無限責任社員の第二次納税義務の整備が行われました。具体的には、これまで第二次納税義務の対象に含まれていなかった士業法人の社員をその対象者に含める改正です。

 この改正の施行が、平成30年1月1日以後滞納分からとなっており、関連通達及び事務運営指針がこの施行日にあわせ改正されました。

 ○「国税徴収法基本通達」の一部改正について(法令解釈通達)
http://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/chosyu/kaisei/180320/01.htm
 
 ○「第二次納税義務関係事務提要の制定について」の一部改正について(事務運営指針)
http://www.nta.go.jp/law/jimu-unei/tyousyu/kaisei/180330/index.htm
 
 
 滞納に関して第二次納税義務に及んだ場合の取扱いなどというものは、実務上、多く見受けられるものではありませんが、今回の対象者に含まれたのが“士業法人の社員”ですから、あまり他人事とは思えない、というのはお分かりいただけますでしょうか。
 この“士業法人の社員”は、税理士法人、弁護士法人、外国法事務弁護士法人、特許業務法人、司法書士法人、行政書士法人、社会保険労務士法人、土地家屋調査士法人、監査法人の社員(監査法人は無限責任社員のみ)を指しています。

 若干の補足をしておきますと、ここで監査法人のみ括弧書きで対象社員を限定させているのは、監査法人は有限責任社員と無限責任社員の両方が存在しているのに対し、他の士業法人は無限責任社員のみのためです。
 
 たとえば税理士法人の社員は、税理士法等で税理士法人の債務について無限責任を負うこととされていますが、第二次納税義務については改正前の国税徴収法上、その対象者が合名会社又は合資会社の社員(無限責任社員)に限定されていたため、国税側は税理士法人の社員に対して第二次納税義務を求めることができず、徴収することが困難でした。それが今般の改正で、税理士法人の社員も、第二次納税義務の対象者として含まれることとなりました。これにより改正後は、税理士法人の税金滞納について、社員に対し第二次納税義務者として徴収が可能となったわけです。


 なお、この改正の内容に関しては、既に公表されている財務省の「平成29年度税制改正の解説」で詳しく記載されています。こちらもあわせて確認なさるとよいでしょう。

 ○平成29年度税制改正の解説 国税通則法等の改正
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2017/explanation/pdf/p0988-1047.pdf





関連コンテンツ:
一緒に働きませんか?

dailycontents page
影山勝行経営フォーラム
downloadcontents page
年末調整 給与所得金額 計算ツール


年末調整が楽になる「楽しい給与計算」

セミナー一覧へは、こちらから

業界専用グループウェア 給与計算ソフト相続診断と対策ツール DB