作成日:2014/09/09
NISA、年間120万円枠は、確実?
9月3日の麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣(以下、麻生大臣)臨時閣議後記者会見の概要のなかで、次のように述べています。
○麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要(平成26年9月3日(水曜日))http://www.mof.go.jp/public_relations/conference/my20140903.htm
「(略)NISAも拡大をして、個人金融資産のうち約860兆円の現預金というものは、これはどう考えても異常に高い比率ですから、これを投資に回っていけるようなもの、株にお金が回っていくような雰囲気というものを、今現在、まだまだ出てきておりませんので、そこで、NISAをやらせていただいたので、意外と効果がありましたので、NISAの普及、拡大促進をやっていきたいなと思っています。」
先の金融庁からの27年度税制改正要望のなかで、NISAの拡充・利便性の向上について、次の要望が出されています。
○金融庁の平成27年度税制改正要望について
http://www.fsa.go.jp/news/26/sonota/20140829-9.html
NISAの普及・定着を図る観点から、以下の項目について措置を講ずること。
@ ジュニアNISA(仮称)の創設
‐ 0歳から19 歳の未成年者の口座開設を可能とすること
A NISAの年間投資上限額の引き上げ
‐ 年間投資上限額を、120万円に
B NISAの利便性向上
‐ NISA口座開設時の重複口座確認については、マイナンバーを用いる
‐ 税務当局における開設手続きの迅速化に向けた所要の措置を講じること
投資上限額の「120万」という数字は、以前にもお伝えしたとおり、毎月積立型をしやすくするための措置です。この積立型に関して、金融庁では、要望資料内で次のグラフを用いて説明しています。
NISA口座開設数は、26年3月31日現在で650万口座あり、年代別で見ると次のとおりです。
若年層の口座開設数が少ないことから、若年層ニーズである積立型をしやすくし、普及を図り、かつ、投資額を増やしたい狙いがあるようです。
ただし、そもそも若年層は資金的余裕がないことも次の調査結果としてあるため、ジュニアNISAを創設し、もっと若年層の口座・投資額を増やそうとする狙いがあります。若年層への贈与は、教育資金贈与がありますが、それ以外に預金を預金として贈与するのではなく、投資させる資金として高齢者の預金を孫の代へと譲与させるようにしていく仕組みを構築していく狙いがあるようです。
上の麻生大臣の発言内に「個人金融資産のうち約860兆円の現預金」という言葉があるように、高齢者からの贈与について、預金→預金ではないカタチで流動(投資)させていく仕組みをどう税制上構築するのか、27年度税制改正でも注目しましょう。
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