作成日:2017/03/14
「医療費のお知らせ」を医療費控除適用の添付書類とするための規定整備 規則改正パブコメに掲載
ちょうど確定申告時期ですのでお分かりかと思いますが、現状、医療費控除の適用をするためには、医療費の領収書の添付(提示)が必要です。
たまに、保険者から送られてくる「医療費のお知らせ」などの医療費通知書を医療費控除の適用を受ける際の添付(提示)書類としてお持ちの方がいらっしゃいますが、こちらは現状認められていません。
しかし、平成29年度税制改正大綱では、経過措置として31年分まではこれまでと同様の領収書添付が認められるものの、29年分以降は原則として医療費控除を適用する際に“医療費の明細書”を添付し、領収書は手元で5年間保存することが必要となります。
この場合、“医療費の明細書”として先の医療費通知書を添付した場合には、領収書を保存する必要はないことも予定されています。
[平成29年度税制改正大綱より(一部抜粋)]
一 個人所得課税
6 その他
(国税)
医療費控除又は特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)の適用を受ける者は、現行の医療費の領収書又は医薬品購入費の領収書の添付又は提示に代えて、医療費の明細書又は医薬品購入費の明細書を確定申告書の提出の際に添付しなければならないこととする。
この場合において、税務署長は、確定申告期限等から5年間、当該適用に係る医療費の領収書(次に掲げるものを除く。)又は医薬品購入費の領収書の提示又は提出を求めることができることとし、当該求めがあったときは、その適用を受ける者は、これらの領収書の提示又は提出をしなければならない。
@ 確定申告書の提出の際に、医療保険者から交付を受けた医療費通知書を医療費の明細書として添付した場合における当該医療費通知書に係る医療費の領収書
A 電子情報処理組織を使用して確定申告を行った際に、医療保険者から通知を受けた医療費通知情報でその医療保険者の電子署名及びその電子署名に係る電子証明書が付されたものを医療費の明細書として送信した場合における当該医療費通知情報に係る医療費の領収書
(注1)上記の改正は、平成29年分以後の確定申告書を平成30年1月1日以後に提出する場合について適用する。
(注2)経過措置として、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、現行の医療費の領収書又は医薬品購入費の領収書の添付又は提示による医療費控除又はセルフメディケーション税制の適用もできることとする。
上記改正に沿うよう、医療費通知書の様式について規定の整備が予定されています。
この件について、先日までパブコメとして掲載されていました。
○健康保険法施行規則等の一部を改正する省令案に関する御意見募集(パブリックコメント)について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160391&Mode=3
規定する様式の項目は上記のとおりですが、たとえば協会けんぽから送付される「医療費のお知らせ」にはすでに上記の項目全て記載がされています。
なお、上記規則の改正は、今月(3月)下旬を予定しているようです。
関連コンテンツ: