作成日:2016/09/16
所得税の配偶者控除の見直し検討
日本経済新聞社の9月14日付記事によれば、現行の人的控除のひとつである配偶者控除を「夫婦控除」に変え、早くとも2018年1月スタートを目指し自民党税調において検討されることが明らかとなっています。
配偶者控除の見直しは、かなり以前から言われていることで、政府税制調査会内でも議論を重ね、都度レポートとして公表等されています。
この政府税制調査会の委員は今年の6月に任期満了となり、新しい委員が任命され、会長は東京大学大学院法学政治学研究科教授の中里実氏が再任した上で、今月よりスタートしています。
○税制調査会 2016年度
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/zeicho/index.html
9月9日の第1回税制調査会の資料では、昨年度からの引き続きの検討事項として個人所得課税と国際課税(BEPS関連)が取り上げられています。この2点が2016年度の税制調査会における最重要課題と位置づけてよいでしょう。
とりわけ個人所得課税については、引き続き配偶者控除を含めた所得控除の見直しが検討されていくことと思われます。
早速、9月15日の第2回税制調査会において、個人所得課税について国税(財務省)、地方税(総務省)からこれまでの検討内容について説明がされているようです。
税制調査会で公表される資料は、とてもよくまとめられていますのでどのような検討がされてきているのか、確認されるとよいでしょう。
なお、昨年度における税制調査会での個人所得課税についてのスタンスは「国民の価値観にかかわるもの」とし、「時間をかけて丁寧にということが特に要求される」ことを幾度となく発言されています。個人の価値観が多様化している現代にあって、税制上どのような措置をとることが“「公平・中立・簡素」の三原則の下、民需主導の持続的成長と財政健全化を両立させながら、強い日本、強い経済、豊かで安全・安心な生活を実現すること”の目的を達成できるのか、今後の議論も注視していきましょう。
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