
相談件数が過去最高、民業圧迫か?
中小機構が「令和6年度よろず支援拠点相談等実績」を公表した。
全国での相談対応件数は717,618件で、過去最高件数になった。最も多かったのは福岡県の75,430件で、次が鹿児島県の41,440件。なお、東京都は10,934件と低調だった。
よろず支援拠点の特徴は、
- 売上拡大、経営改善、新規創業等の相談および伴走支援
- 登録した専門士業等のアドバイスを受けることができる
- 相談は何度でも無料(中小企業庁が予算を持っている)
- 従業員5人以下の企業の相談が全体の57.9%を占め、創業前の相談が18.5%に達する
- 利用者の満足度は95.8%
福岡県のよろず支援拠点では、今年の10月予約分から
- 月の予約は4件まで
- ネット集客を専門とするITコーディネーターの相談予約は12月末まで満席状態
- 相談の仕方は「対面相談」「オンライン相談」を原則とする
- コンサルタント業の事業者の相談の利用には一定の制限をかける(ノウハウの流出を避けるためか)
- マルチ商法等の事業者の利用は停止する
といった詳細なルールの変更を設けている。
福岡県の拠点内の専門士業およびコンサルタントは56名ということだ。うち18名が女性の専門家で、税理士は3名登録されている。
拠点で行われている相談業務の一例を挙げると、
- IT WEB SNSのカテゴリーでは
- グーグル等で検索上位に表示される対策
- スマホユーザーを取り込むLINEアカウントの活用
- 売上拡大のカテゴリーでは
- ふるさと納税返礼品採用のアドバイス
- クラウドファンディングの相談
- 飲食のカテゴリーでは
- フードコーディネーターによるメニュー作り相談
- 居抜き物件の相談、店舗契約の相談
- 総務経理のカテゴリーでは
- 社労士による就業規則策定相談
- 税理士による弥生会計、freee、マネーフォワード、ミロク情報等会計ソフトの相談
- インボイス制度対応の相談
- 電子帳簿保存法の相談
- 資金繰り/事業計画のカテゴリーでは
- 元銀行支店長による財務改善の相談
- 創業資金調達の相談
- 売掛金回収の相談
- 海外のカテゴリーでは
- 海外取引企業現役社長による海外輸出、海外向け商品開発の相談
これらの相談が無料、かつ、予約さえ取れれば何度でも相談可能という。民業圧迫ではないかと専門家から指摘されてもおかしくないほどの充実ぶりである。