
相続税申告マーケットをいかに取り込むか
財務省のホームページに「相続税の課税状況の推移」が公開され、令和6年分のデータが掲載されている。これによると、
- 令和6年の死亡者数は160万5,378人と、初めて160万人台を超えた
- 課税件数は16万6,730件で、死亡者の10.4%に相当する
- 相続税の被相続人1人当たりの納付税額は1,948万円で、相続税収は3兆2,487億円
- 課税価格が1億円以下の件数が、全体の60.1%を占める
- 課税価格が5億円以下の件数で、全体の97.1%に達する
- 課税価格5億円超の件数が全体の2.9%で、納付税額は全体の48.7%となった
団塊の世代が順次80歳代に差し掛かり、「多死社会」が本格化する。日本の今後10年間の死亡者数は年間160万人前後の高水準で推移すると思われる。
相続税の課税件数も、当面の間は「死亡者の1割」が継続するだろう。今後の相続税申告マーケットを予測すると、
- 年間16〜20万件の相続税申告需要が見込まれ、
- その大半は、課税価格5億円以下の層。
- 遺産の多くは、不動産、有価証券、預貯金等で占められ、
- 税理士と接点がない個人も一定数存在すると考えられる。
- 銀行・証券会社・信託銀行・大手不動産会社等が最初の相談窓口となり(オーナー経営者等であればM&A仲介会社も)、
- 個人と税理士の間に入るケースが、更に増加してくる。
- 結果、税理士は、需要者である個人にコストをかけてPRするよりも、相談窓口となる機関に営業し、
- その競争がますます増加してくるのではないか。
いずれにしても、相続税申告マーケットは今後10年は確実に成長するだろう。
[参考]財務省「相続税・贈与税に係る基本的計数に関する資料」