作成日:2019/11/12
平成30事務年度 法人税等の調査事績の概要
平成30事務年度での法人に対する国税の調査事績が公表されました。確認しましょう。
○平成30事務年度 法人税等の調査事績の概要
気になった数字は、次のとおりです。
1.実地調査件数…99千件(法人税)
先日ご案内した、法人数は令和元年6月30日現在で3,132千法人ですから単純計算しますと、法人全体のうち3%程度が実地調査対象となった、ということになります。これは前年度と比べさほど大きな変化は見受けられません。
2.簡易な接触件数…43千件(法人税・消費税)
実地調査より手前の「簡易な接触」については、消費税あわせて43千件でした。1.とあわせても法人件数の4.5%程度の調査割合です。
3.海外取引法人の申告漏れ所得金額…6,968億円(法人税)
今回の公表内容で特筆すべきは、海外取引法人の申告漏れ所得金額の大きさです。年々金額が上がってはきているものの、2倍近くの増加です。ただし、不正計算自体は過去と比べてさほど変化が見られないことから、不正まではいかなかった申告漏れ所得が大幅に増加したようです。
4.海外取引等に係る源泉所得税(調査による追徴本税額)…94億円
海外取引で注意しなければならない“源泉所得税”ですが、94億円の追徴税額でした。これは前年対比120.2%です。非違の内訳として割合の高い上位3つは『人的役務提供事業』29%、『使用料等』21%、『給与等』18%でした。『給与等』が前年の9%から2倍となったことが気になる点です。
5.消費税還付申告法人の実地調査(不正計算件数)…829件
消費税還付申告法人に対する実地調査は、追徴税額としては前年対比67.9%の175億円と減少したものの、非違件数自体は3,687件(同比95.0%)と、過去3年と比較しても大きな減少は見受けられませんでした。しかし非違件数のうち不正計算件数は、過去3年のうち最も多い件数(同比105.3%)となっています。
詳しいことは、上記URLよりご確認ください。
関連コンテンツ:
平成30事務年度 法人税等の調査事績の概要