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作成日:2017/11/22
相続税申告に対する実地調査割合は2割程度 国税庁



 相続税の実地調査に関する統計が国税庁サイト上で公表されました。確認してみましょう。


 ○平成28事務年度における相続税の調査の状況について
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2017/sozoku_chosa/index.htm

 概要は次のとおりです。
  1. 実地調査数…12,116件(平成27事務年度11,935件)
  2. 非違件数…9,930件(同9,761件)
  3. 追徴税額(加算税を含む。)…716億円(同583億円)
  4. 1件あたりの上記3.…591万円(同489万円)
 ここでも、やはり「海外関連」「無申告」についてピックアップして公表されていました。
 
 ところで今回の公表分は、平成26年に発生した相続を中心に行われた調査に関する統計です。
そのため、27年から改正施行されている平成25年度税制改正による基礎控除額の引下げ等により、相続税の申告対象者が、4%台から8%へと飛躍的に増加した年のものが中心ではない、点にご留意ください。

 ちなみに範囲が完全一致しているわけではありませんが、近似値ということで、上記統計と下記の「平成26年分の相続税の申告状況について」からいくつか数字を拾い出してみました。

 ○平成26年分の相続税の申告状況について
http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2015/sozoku_shinkoku/index.htm
 
 
 
 これによれば、26年中の被相続人の数は127万人のうち相続税の課税対象者が5.6万人、この課税対象者うち2割相当の1.2万件に対して実地調査がなされ、うち8割強が何らかの修正をしている、ということになります。課税対象者数に対する非違件数の割合ですと、2割弱ということになりますね。
 
 これが課税対象者が飛躍的に増加した27年中の相続開始分になったときにどうなるのか、が気になるところではあります。
 27年分の相続税の申告状況はすでにご案内のとおりで、被相続人の数が129万人、うち課税対象者が10.3万人で課税割合は8.0%でした。
 そもそも税務署の職員数を飛躍的に増加させるわけにはいきませんので、実地調査件数を据え置きとした場合に、割合としては半分の1割程度となるかもしれません。そのあたりは、来年公表されるであろう統計を待つしかないでしょうが、相続に関する業務を行うあるいは今後この分野に進出しようとお考えであれば、市場規模としてどのくらいなのか、このような統計資料から大方の数をつかんでおくとよいでしょう。



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