作成日:2017/02/24
上場株式等の配当等に係る課税方法、所得税と住民税で分けることも可能
上場株式等の配当等については、受取る際に源泉徴収がされています。
個人であれば現状は、所得税15.315%(復興特別所得税分含む)と住民税5%の合計20.315%の税率で徴収されています。この配当等については、大口株主等が受ける場合を除き、所得税も住民税も申告不要制度を選択することができます。
昨今、株主優待制度の充実が火付けとなり、個人の小口による株式投資が盛んとなり、サラリーマン等が小口の株式投資を行い配当等を受領しているケースもあるでしょう。
このような場合、上記源泉徴収税率よりも、配当控除を加味した実質の課税税率が低い方は、源泉徴収がされている配当等について、申告不要制度ではなく、総合課税を選択して還付申告を行う方もいらっしゃるでしょう。
通常、所得税の確定申告すると、自動的に住民税の確定申告もすることとなります(所得税の確定申告情報が、住民税の徴収先の自治体へ流れます)。そのため配当等について、所得税の確定申告で総合課税を選択して申告すると、そのまま住民税の課税においても総合課税による申告となります。これが今までの常識でした。
しかし、所得税の確定申告で総合課税による申告を選択して計算しても、別途住民税の確定申告で源泉分離課税を選択して計算をする(つまり申告不要とする)ことができるようです。この説明が、大阪市のホームページ上で掲載されています。
○株式等の配当所得等および譲渡所得等の申告・課税方法
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000384916.html
特に赤下線を引いた、下記部分に注目してください。
※ 納税通知書が送達される日までに、確定申告書とは別に、市民税・府民税申告書をご提出いただくことにより、所得税等と異なる課税方法(申告不要制度、総合課税、申告分離課税)を選択することができます。(例:所得税等は総合課税、個人市・府民税は申告不要制度)
住民税の税率は、現状10%(6%+4%)です。住民税にも配当控除はありますが、控除率は最高で2.8%(1.6%+1.2%)のため、実質最高で7.2%まで下げることはできますが、それでも源泉徴収税率の5%より当然に高い税率です。
これまで総合課税を選択することで、住民税で徴収増となる部分を所得税の還付分で補っていましたが、有利な方をそれぞれの税で選択することが可能です。特に住民税の場合には、総合課税とすることで国民健康保険料算定等の基準となる所得に含まれることとなるため、所得に含まれるのを避けたい方もいらっしゃるでしょう。
それぞれ別の課税方式を選択することとなれば、両方の申告書を作成し、各々提出する必要があるため、どちらが自身にとって有利か手間と節税額を天秤にかけるとよいでしょう。
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