作成日:2017/02/13
平成26年以後に開業した場合の所得拡大促進税制の適用
個人事業者(事業所得者)の確定申告を作成する際に、所得拡大促進税制の適用有無を確認されるかと思います。
先日MyKomonTaxでは、「個人事業者が平成28年分の確定申告で利用できる、所得拡大促進税制適用可否フローチャート」として、適用可否のフローチャートを用意し、ご紹介しました。ところで、適用可否判定は大きく3つありますが、その判定要素には「基準年分」「適用年の前年分」「適用年分」の3つ年分が登場します。
平成28年分の場合には、基本的には次の年分が該当します。
「適用年分」…平成28年分
「適用年の前年分」…平成27年分
「基準年分」…平成25年分
この場合、「基準年分」である平成25年分にまだ開業しておらず、26年以降に開業した場合には、一定の場合を除きその事業開始年分が該当するわけですが、その場合の『基準雇用者給与等支給額』の計算に注意が必要です。
たとえば、次の要素に基づく『基準雇用者給与等支給額』の計算について、次の明細書に記入してみると次のとおりです。
○雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除に関する明細書
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/pdf/029.pdf
年の途中の開業であり、適用年分の事業月数と異なる場合(つまり事業継続している場合)には、年換算した上で7割にする必要があります。
この点については、上記明細書の裏面に以下のように説明があります。
上記裏面1(7)の「イ 措法第10条の5の3第2項第4号ロに掲げる場合」に該当します。
第十条の五の三(雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除)
(略)
四 基準雇用者給与等支給額 平成二十五年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(次に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ次に定める金額)をいう。
イ 平成二十五年において事業を開始した場合(相続又は包括遺贈により当該事業を承継した場合を除く。ロ及び第六号において同じ。) 平成二十五年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額に十二を乗じてこれを同年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額
ロ 平成二十六年以後に事業を開始した場合 当該事業を開始した日の属する年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額の百分の七十に相当する金額(当該事業を開始した日の属する年において事業を営んでいた期間の月数と当該適用年において事業を営んでいた期間の月数とが異なる場合には、当該金額に十二を乗じてこれを当該事業を開始した日の属する年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額)
このようなイレギュラーな処理については、案外裏面に説明書きがあります。ただし条文の中身まで確認しなければならないため、繁忙期に調べるのは酷です。こういった特例適用は、早め早めに確認をとるとよいでしょう。
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