作成日:2015/03/16
所得拡大促進税制 継続雇用者給与等支給額の算出
所得拡大促進税制は、ご存知のとおり要件が3つあります。
○所得拡大促進税制のご利用の手引き(経産省)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/saidosyuusei.pdf
要件1:雇用者給与等支給額が基準事業年度より一定割合以上増加していますか?
要件2:適用年度の雇用者給与等支給額は前事業年度以上の額ですか?
要件3:平均給与等支給額が、前事業年度を上回っていますか?
要件1と2は、さほど問題なく算定できると思います。問題は、要件3です。
別表六(二十)では、要件3について次の数字を記載する必要があります。
(22)は、“雇用者給与等支給額”ですから雇用保険の一般被保険者(以下、「一般被保険者」)かどうかは関係ありません。
(23)は、一般被保険者分を記載します。
ただし、A欄に記載すべき一般被保険者分とは、前事業年度に係る一般被保険者分すべてではなく、そのうち適用年度の一般被保険者に該当している人の分を記載します。文で書くと分かりづらいのですが、経産省の手引きを見ていただくとお分かりいただけると思います。
赤枠のすぐ上のケースは、適用年度・前(事業)年度ともに給与の支給を受けています。一般被保険者の該当有無について、適用年度は一般被保険者に該当していますが、前(事業)年度は一般被保険者に該当していません。このような場合、(23)の@欄はこの方の給与等支給額(一般被保険者該当分)を記載し、A欄は記載しません。
一方、赤枠で囲ったケースは、先ほどのケースと同様、適用年度・前(事業)年度ともに給与の支給を受けています。ただし一般被保険者の該当有無について、先ほどとは逆に前(事業)年度は一般被保険者ですが、適用年度には一般被保険者に該当していません。このような場合、(23)の@A欄にはいずれも記載しません。
つまり、比較平均給与等支給額(前事業年度分)の計算をする前に、平均給与等支給額(適用年度分)の計算をする、ということになります。具体的には、適用年度の平均給与等支給額の計算対象者を絞り(全体→雇用者給与等支給対象者→一般被保険者→継続雇用制度対象者→継続雇用者給与等支給額対象者)、その対象者分をそれぞれ記載します。その上で、その対象者に紐づく前事業年度の状況を確認して前事業年度の一般被保険者該当分は(23)A、そのうち継続雇用制度対象者該当分は(24)Aに記載することとなります。
3月決算は、従業員数の多い会社が多数あると予想されます。
そろそろ3月までの給与状況は分かると思います。今のうちに対象者の絞り出しを行っておきましょう。
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