作成日:2014/07/08
生産性向上設備投資促進税制 Q&Aが公表
生産性向上設備投資促進税制のQ&Aが経産省のホームページ上に公表されました。
○生産性向上設備投資促進税制
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo.html
○Q&A(PDF形式:205KB)
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo/q_and_a.pdf
このQ&Aでは、全部で60項目の質疑応答が掲載されています。そのうち、いくつか抜粋して、お届けしましょう。
(AB類型共通)
共-11
質問:
取得とは、具体的にどのタイミングを指すのか。
回答:
機械等の所有権を得たこと、つまり機械等を購入等をしたこと(請負契約に基づく建物については、一般的には引渡しを受けたこと)を指します。例えば、検収が終わっていない設備については、引き渡しが済んでいないことから一般的に未取得の状態と考えられます。個別ケースにおいて判断に迷われる場合は、最寄りの税務署までご確認ください。
共-19
質問:
税額控除限度額の繰り越しは可能か。
回答:
生産性向上設備投資促進税制についてはできません。他方、中小企業投資促進税制においては1年間の繰り越しが認められています。
共-22
質問:
同一企業が、設備単位で即時償却と税額控除を使い分けることができるのか。
回答:
はい、可能です。例えば、X機械については即時償却、Y機械については税額控除と、同じ資産分類内であっても、設備単位で使い分けができます。
(A類型)
A-12
質問:
自社製作したものは、産業競争力強化法上の生産性向上設備等に該当しないのか。
回答:
該当します。最新モデル要件(産業競争力強化法・経済産業省関係施行規則第5条第1号イ)、生産性向上要件(同条同号ロ)において、それぞれ「設備の販売が開始された日が最も新しい型式区分に属するもの」、「その属する型式区分に係る販売開始日に次いで新しい販売開始日の型式区分に属する設備と比較して、生産効率、(略)、その他事業の生産性の向上に資するものの指標が年平均1%以上向上しているものであること。」と規定されていますが、この趣旨は、導入する設備が、最新モデルであること、旧モデルと比較をして生産性向上が図られていることを確認するためのものであり、その趣旨から、自社製作した設備も対象になると考えられます。その場合、販売開始日を製作を完了した日と読み替えていただくことになります。
(B類型)
B-5
質問:
本社所在地が東京で、実際に設備投資をする工場が北海道である場合、どの経済産業局に申請すれば良いのか。
回答:
設備導入場所の最寄りの経済産業局へ申請してください。
B-7
質問:
登記簿謄本は、コピーでも良いか。また、発行期限(何ヶ月以内)はあるのか。
回答:
コピーでもかまいません。期限については特に設けませんが、最新の情報が記載されているものをご準備ください。
B-12
質問:
生産ラインの改善投資においては、先端設備要件(最新モデル/年平均1%以上向上)は不要か。
回答:
はい、その通りです。生産ラインの改善投資については、特に先端設備要件はありませんので、旧モデルであっても対象になります。あくまで投資利益率が15%(中小企業者等であれば5%)以上となるかどうかのみで判断します。
B-13
質問:
一連の設備投資において、すでに一部の投資が完了している場合申請することは可能か。
回答:
完了した投資分を除いて、設備投資の効果を適切に算定できる場合は可能です。
B-14
質問:
設備稼働後、計画した投資利益率を達成できなかった場合、税制措置の取り戻しは行われるのか。
回答:
いいえ、税制措置の取り戻し等の規定はありません。
B-15
質問:
補助金を受けて圧縮記帳をする設備の場合、圧縮記帳後の金額が取得価額となるが、投資利益率の算出に当たり、分母に入れる金額は圧縮記帳後の金額でよいか。
回答:
いいえ、投資利益率算出の際には、圧縮記帳前の数字を使ってください。ただし、税制措置を受けられるのは圧縮記帳後の取得価額がベースになります。
B-16
質問:
投資利益率の算定にあたって、複数年にわたって設備投資を行う場合、複数年の投資を1つの設備投資計画としてよいか。
回答:
投資計画は、実施される設備投資がその目的に照らしてひとつの事業として実施される場合は、当該投資が複数年にわたっても、ひとつの投資計画とする必要があります。他方、それぞれの投資の目的、期待する効果が異なる場合はそれぞれの投資ごとに申請していただく必要があります。
B-17
質問:
制度利用後の状況報告書(様式4)は税理士等の確認は不要か。
回答:
不要です。また、変更申請書(様式5)においても、税理士等関与は不要です。一方、投資目的自体が変更になるなど、投資計画の大幅な変更があった場合には、申請書(様式1)を再提出いただくことになり、その際には再度税理士等の確認が必要になります。
(中小企業投資促進税制の上乗せ措置)
中-4
質問:
中小企業が、生産ラインを改善するため、機械装置、昇降機設備(建物附属設備)、ロール(工具)を組み合わせ、投資利益率が5%以上向上する投資計画を作成し、経済産業局で確認を受けた場合、機械装置は中小企業投資促進税制、昇降機設備、ロールは生産性向上設備投資促進税制というように切り分けて税制措置の適用ができるのか。
回答:
はい、可能です。生産ラインの改善に資する設備については、営業利益+減価償却費の増加額/設備投資額で計算された投資利益率を算出し、一定割合以上であれば、生産性の向上が図られるということを投資計画で確認し、税制措置の対象としています。つまり、その計算の基礎となった設備を組み合わせた結果として、生産性の向上が図られる、ということを投資計画で確認するものです。生産性の向上が図られるという点が投資計画において確認された場合、1の投資計画を利用して、生産性向上設備等として、設備毎に適用可能な税制措置の適用を受けることが可能です。ただし、一つの設備で重複して税制措置の適用を受けることはできませんので御注意ください。
なお、この投資促進税制の概要資料も更新されています。こちらもあわせて確認しましょう。
○概要資料(PDF形式:600KB)PDFファイル
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo/setsumeikai140701.pdf
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