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作成日:2014/09/05
生産性向上設備投資促進税制はメリットないな、とお考えでも…



 生産性向上設備投資促進税制のA類型に該当する場合には、ご存知のとおり証明書の発行さえしてもらえれば適用できるため、事務作業の手間はかかりません。
 一方、B類型の場合には取得前までに申請書類の作成〜確認を受けるまでを行わなくてはならず、また、その後3年間は報告書の提出が義務付けられています。これらの事務作業や工数などの「手間」を考えて、「うちはそこまでするメリットはない」とお考えになる事業者、あるいは「うちは赤字だから、関係ない」と適用をあきらめてしまう事業者もいらっしゃるのではないでしょうか。


 そのような場合、次の助成金の受給をお考えになってみてはいかがでしょうか。

 ○職場意識改善助成金(職場環境改善・改善基盤整備コース)
  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisiki.html


 この助成金は、残業時間の削減や有給取得促進により、職場意識の向上を図る中小企業主に対して、実施費用の一部を助成するものです。

 平成26年4月からはこの助成金の支給対象が拡充されて、「労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新」が適用対象資産として加わっています。

 この設備・機器等として、「飲食店での食器洗い乾燥機、小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフトなど」、と上のサイト内で記載されています。
 たとえば、歯科で患者の待ち時間が長く、残業が恒常的に発生しているような場合に、チェアを増設することにより残業時間がなくなれば、この助成金の対象になる可能性があります。また、予約機の導入や電子カルテの導入、レントゲン装置をデジタルに買い替えた場合などは、どうでしょうか。ただし、スマートフォンやタブレット、パソコンなどの電子機器は対象外、とも記載されていますので注意しましょう。


 この助成金に関しては、成果目標があります。具体的には、次の2点の達成を目指すことになります。

  1. 年次有給休暇の取得促進
     労働者の年間平均の年休取得日数を1日以上増加させる
     (上記拡充された対象資産の場合には、4日以上増加が要件。仮に年休取得日数の差が4日未満の場合は、年休取得日数を年休付与日数まで増加させること。)
  2. 所定外労働の削減
     労働者の月間平均所定外労働時間数を1時間以上削減させる
     (上記拡充された対象資産の場合には、5時間以上削減が要件。所定外労働時間数が5時間未満の場合は、所定外労働時間数を0まで削減させること。)

 この目標に関する実績評価期間は3ヶ月間です。

 受給額は対象経費×補助率で計算します。補助率は、上記1.2.いずれも達成した場合には4分の3(上限80万円)、どちらか一方達成した場合には8分の5(同66万円)、どちらも未達成でも1/2(同53万円)の受給ができます。ただし、上記拡充された対象資産の場合には、上記いずれも達成しなければ受給できません。

 対象となる事業者は、次のいずれにも該当する事業者です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 次のいずれかに該当する事業主であること
    業種 資本又は出資額 常時雇用する労働者
    小売業(飲食店含む)

    5,000万円以下

    50人

    サービス業

    5,000万円以下

    100人以下

    卸売業

    1億円以下

    100人以下

    その他の業種

    3億円以下

    300人以下

  • 事業開始時の労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数が9日未満、または月間平均所定外労働時間数が10時間以上である事業主であること
  • 所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進など労働時間等の設定の改善を目的とした職場における意識の改善、または労働時間管理の適正化に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主であること

 上記生産性向上設備投資促進税制をうまく活用しつつ、こちらの助成金の取得もできればいいでしょうし、生産性向上設備投資促進税制を適用しなくともこちらの助成金だけ受給することもできます。また、この助成金は上記拡充されている設備・機器等の導入・更新だけでなく、労務に関してさまざまな取組に対して支給対象としています。

 上手に制度を活用してみては、いかがでしょうか。




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