今年4月(2022年4月)以降開始事業年度から、連結納税制度がグループ通算制度へと改組されます。
これに伴い、グループ通算制度適用の子法人は、法人税(地方法人税含む。以下同じ)について個別申告が必要となります。
もちろん、親法人が代わりにこの申告を行うこともできます。
いずれにしろ個別申告となることで留意すべき点がいくつかありますが、そのうち電子申告義務についてすでにご案内しています。この電子申告義務に関して、国税庁サイトで情報が更新されていますので確認しましょう。
連結納税を適用する場合には、連結親法人が法人税の申告を行うため、連結親法人の資本金の規模により電子申告が義務か否かを判定していました。
これが、グループ通算制度の適用が開始されると、個別申告を行う個々の法人の資本金で判定するのではなく、通算法人は、通算法人であるがゆえに資本金の規模に関係なく電子申告の義務が生じます。
他方、現状、消費税に関しては連結納税の適用如何にかかわらず、個別申告をされていると思います。この場合には、個々の法人の資本金の規模でそれぞれが電子申告の義務を判定しています。
そのため、連結子法人から見た場合、法人税は連結親法人が申告し、消費税は自社で申告を行いますが、この消費税の申告は自社の資本金の規模で判断するため、たとえば連結子法人の資本金が1,000万円であれば、電子申告は義務ではありません。
この消費税に関する電子申告義務の判定は、グループ通算制度が開始された後でも変更はなく、引き続き個々で判断します。
このように、法人税と消費税とで電子申告の義務に関する取扱いが異なるため、グループ通算制度の適用が開始されて通算法人に該当すると、資本金が1,000万円の場合、
- 法人税は電子申告の義務あり
- 消費税は電子申告の義務なし
という歪な取扱いになります。
連結納税制度開始当初から連結納税制度を適用していた場合には、10年程度は法人税の申告を行っていなかったことになりますし、まして消費税をこれまで電子申告してこなかった場合には、上記取扱いにご留意ください。
2022年4月以後開始事業年度からですので、直近は中間申告になろうかと思います。自社で法人税の申告を行う場合に、電子申告をこれまで行っていない場合には、電子申告が行えるような環境整備が必要となります。