先日、「Go To トラベル ビジネスで利用した場合の処理」では、Go To トラベルの概要と利用者側について少し触れました。
そこでも観光庁(国土交通省)サイトの“よくあるご質問(FAQ)”からご案内していますが、今回はここから、事業者側の税務上の取扱いについて、今回から1つずつ見ていきましょう。
Q.127 消費税の課税事業者に該当する旅行・宿泊事業者が、GoToトラベル対象の旅行・宿泊商品22,000(消費税込)を販売する場合、その代金のうち、旅行者から現金等で14,300円受領し、事務局から7,700円受領することになりますが、旅行・宿泊事業者における消費税の課税売上げはいくらとなるのですか。
A. GoToトラベル事業は、宿泊・日帰りの国内旅行を対象に、旅行代金の2分の1相当額の給付(支援)を行うもので、そのうちの7割(旅行代金の35%)が旅行代金に充当される(国が旅行代金の35%を負担する)ものです。
国からの給付金の給付先は旅行者ですが、旅行者は実際に収受することはなく、旅行・宿泊事業者が旅行者に代わって給付金を受領することになります。
このため、旅行・宿泊事業者が販売する旅行・宿泊商品の対価の額が変わるものではありません(旅行・宿泊事業者が値引きを行うものではありません。)。
したがって、消費税の課税事業者に該当する旅行・宿泊事業者が、GoToトラベル対象の旅行・宿泊商品22,000円(消費税込)を販売する場合、旅行・宿泊事業者の消費税の課税売上げ(税抜)は、20,000円となります。
<旅行・宿泊事業者の処理例(税抜処理)>
(旅行・宿泊商品販売時)
借方 | 貸方 |
現金等 14,300 未収入金 7,700 |
売上 20,000(消費税課税) 仮受消費税(10%)2,000 |
(事務局からの受領時)
借方 | 貸方 |
現金等 7,700 | 未収入金 7,700 |
ポイントは、『旅行・宿泊事業者が値引きを行うものではありません』の一文です。
総額で売上計上する、ということにご注意ください。
逆を考えれば、利用者側は総額を費用計上する、ということになる点もあわせてご確認ください。