作成日:2016/08/25
民法(相続関係)の中間試案に係るパブコメと相続税の改正
ずっと以前に、相続関係における民法改正について、法務省内でワーキングチームを立ち上げ、見直しを検討していることをご案内しています。
その後、法務省の諮問機関である法制審議会内で議論を重ね、今年の6月には中間試案をまとめています。
○「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」(平成28年6月21日)の取りまとめ
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900291.html
中間試案は、大きく次の5つで構成されています。
- 配偶者の居住権を保護するための方策
- 遺産分割に関する見直し
- 遺言制度に関する見直し
- 遺留分制度に関する見直し
- 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
上記中間試案が法改正として成立した場合、上記1. と2. について相続税の計算上改正が予想されています。
たとえば上記1. であれば、“短期居住権”と“長期居住権”という『権利』が発生することになります。これらの権利を相続税の計算上どのように評価するのか、という点です。
また上記2. であれば、配偶者法定相続分が増えた場合の配偶者特別控除の計算式はどうなるのか、という点です。
上記3. については、相続税の計算において直接の影響はありませんが、自筆証書遺言について署名以外は自書でなくともよいことが記載されています。これにより、自筆証書遺言をパソコンで作成し、署名のみを自書することが可能になりますので、作成はずいぶん楽になるでしょう。
なおこの中間試案は、7月12日にパグリックコメントとして出されています。
○「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」に関する意見募集
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300080149&Mode=0
意見募集の期限は、9月30日までです。
興味のある方は、上記URLよりご確認ください。
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