作成日:2016/04/04
通勤手当の非課税枠改正 3月31日以前受取り分について遡り源泉精算はなし
通勤手当について、最高限度が月額10万円から15万円へと引上げられる改正が平成28年度税制改正大綱で、発表されています。
通勤手当の非課税限度額を月額15万円(現行:10万円)に引き上げる。この改正は、平成28年1月1日以後に受けるべき通勤手当について適用する。
そのため、1月1日から法案が成立するであろう3月までの支給分は、どうなるのか気になっていましたが、3月31日付けの『特別号外』として官報で掲載された所得税法施行令等の一部を改正する政令の附則を読む限り、遡りの源泉精算はないようです。
○所得税法施行令等の一部を改正する政令(一四五)
https://kanpou.npb.go.jp/20160331/20160331t00013/20160331t000130329f.html
附則
(施行期日)
第一条この政令は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(略)
(非課税とされる通勤手当に関する経過措置)
第二条
第一条の規定による改正後の所得税法施行令(以下「新令」という。)第二十条の二(非課税とされる通勤手当)の規定は、新通勤手当(平成二十八年一月一日以後に受けるべき通勤手当及びこれに類する手当をいい、同日前に受けるべきこれらの手当の差額として追給されるものを除く。次項において同じ。)について適用し、同日前に受けるべき第一条の規定による改正前の所得税法施行令(以下「旧令」という。)第二十条の二(非課税とされる通勤手当)に規定する通勤手当(同日以後に受けるべき当該通勤手当で同日前に受けるべきものの差額として追給されるものを含む。)については、なお従前の例による。
2 新通勤手当でこの政令の施行の日(以下「施行日」という。)前に受けたものに係る所得税法第四編第二章第一節(源泉徴収義務及び徴収税額)の規定の適用については、新令第二十条の二及び前項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
前回、人事院の給与引上げに伴い改正された通勤手当の改正についても遡りの源泉徴収計算はなく、年末調整(退職者は確定申告)で精算しましたが、今回の改正に関しても、附則第二条第二項により、3月31日までに支給された通勤手当について遡って源泉徴収の計算はやり直さないことが明らかとなっています。
そのため、4月1日以降の源泉徴収に関しては改正後を適用しつつ、前回と同様に年末調整(退職者は確定申告)で調整することになろうかと考えられます。
前回よりも対象者はそれほど多くないかと思いますが、ご留意いただきたいと思います。
なお、国税庁から資料が公表されましたら、その際に、改めて情報をお届けしたいと思います。
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