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作成日:2014/08/29
相続法見直しの検討、来年1月まで議論



 昨年、非嫡出子の法定相続分を実子と同様にする、民法の改正がなされています。その改正に絡み、国会審議の際等でも、この改正だけでなく配偶者の居住権の保護その他に関する相続法について問題視する発言や意見がありました。また、自由民主党からの要請も後押しし、現在、法務省ではワーキングチームを立ち上げて、相続法制の見直しを検討しています。


 ○相続法制検討ワーキングチーム
  http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900197.html

 このワーキングチームで検討されている項目は、主に次の3つです。
  • 生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置
     現状、平成8年の最高裁判例により、遺産分割が確定するまでの間は生存配偶者の居住権が認められているが、遺産分割確定を機に生存配偶者がこれまで住んでいた家から出て行かなければならない事態があるため、これを保護する何らかの措置が必要ではないか。
  • 配偶者の貢献に応じた遺産の分割等を実現するための措置
     現状の配偶者の法定相続分(2分の1)は、被相続人の財産形成の貢献度にかかわらず一律で不平等である。寄与分を含め、貢献度に応じた配分となるように見直すべきではないか。
  • 遺留分制度の見直し
     家業承継のために遺言を残しても、遺留分減殺請求により被相続人の意思が実現できない場合がある。特に中小企業の事業承継に影響が大きい。事業承継が円滑に行われる措置が必要ではないか。

 先日、このワーキングチームの第6回会議(平成26年7月24日開催)の議事が法務省ホームページで公表されました。

 ○相続法制検討ワーキングチーム 第6回会議(平成26年7月24日開催)
  http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00160.html


 第6回は、「生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置」に関して、その具体的な方策に係る問題点について、話し合われています。

 そもそも、この措置に関しては、過去の民法改正でも何度か検討項目として挙げられているものの、法定相続分の引上げにより補てんされていることを理由に外されたり、検討時間が少なかったことを理由に検討事項止まりで終わっています。ワーキングチーム内においてはこれまでの議論で、「生存配偶者の居住権を法律上保護するための措置」について必要とする場合がある、ということで一致しているようですので、何らかの措置が期待されるでしょう。


 議論が重ねられているこれらの検討項目に関しては、問題視する発言や意見がある以上、何らかの措置が見込まれているものの、その具体的な方策や問題点の解消に向けて、ワーキングチームでは来年1月まで議論を重ねて行く予定です。


 なお、これらの検討項目は相続法だけでなく、措置が実現した暁には相続税法や事業承継税制にも絡んでくる問題です。

 今後も議論の行方に注目しましょう。




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