作成日:2013/12/20
国外財産調書、提出する人しない人
確定申告をする方で、その年分の総所得金額が2,000万円を超えた場合に提出する「財産債務明細書」があります。この明細書の提出に関して罰則はなく、自身の財産を知られたくない方にとってはこの明細書の提出を拒む方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一部の地域では、この明細書の提出がない、あるいは提出したものの申告する所得金額から考えて明細書に記載された財産では不十分だと予想される納税者を対象に、個人財産の把握を目的とした調査が入っているようです。来年から提出が始まる国外財産調書は、確定申告の有無に関係なくその年の12月31日現在の価額(原則時価)の合計額が5,000万円を超える海外資産(国外財産)を所有する日本の居住者(非永住者以外)は、提出する義務があります。もし提出しない、あるいは虚偽記載がある場合には刑事罰の対象となり、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金がかされるほか、国外財産から生じた所得等の申告漏れや無申告が発覚した場合の罰金が加重されてしまいます(国外送金法10、6A)。
まずは、自身が所有する財産について、国外財産なのかどうかを把握することから始めなくてはなりません。
○国外財産調書の提出制度(FAQ)
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hotei/kokugai_zaisan/pdf/kokugai_faq.pdf
このFAQの5ページ目(PDF上では11ページ目)には、財産の所在の判定表があります。
たとえば、預金は「その預金等の受入れをした営業所又は事業所の所在」とあります。
つまり、中国銀行(BANK OF CHINA)名古屋支店口座の人民元預金は「国内」となるわけです。
また、ハワイにコンドミニアムを所有されている場合、当然ながら国外財産となるわけですが、時価がわからないという方は固定資産税の評価額とすることも可能なため、評価額で円換算してみましょう。ちなみに換算レートは、年末最終の対顧客直物電信買相場(TTB)になります。
この場合、コンドミニアムを取得するために借金をしている場合であっても、この借金は控除できません。純粋に財産のみで判定しますので、注意しましょう。
関連コンテンツ: