作成日:2015/03/13
競馬の馬券払戻金の課税関係 最高裁判決を受けて国税庁のコメント
3月10日に最高裁判決があり、競馬の馬券の払戻金の課税関係について、この裁判で争われていた事例に関しては、雑所得に該当することが確定しました。
これを受け、国税庁からこの最高裁判決に関するコメントが同庁サイト上に掲載されました。
○最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h27/saikosai_hanketsu/01.pdf
これまで、競馬の馬券の払戻金は一律「一時所得」として取扱われてきました。
それは法令を解釈するときに用いる、所得税基本通達34-1に次のような例示があるためです。
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(一時所得の例示)
34−1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
(1) (略)
(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等
(以下 略)
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しかし、今回の事例のように「馬券を自動的に購入するソフトを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するといえる(上URL内の文書より抜粋)」状態であった場合については、一時所得ではなく雑所得に当たるとの判断が今回の最高裁でなされています。
この判断を受け、今後はパブリックコメントの手続きを通じて、「一時所得」として取扱う旨の例示(所得税基本通達34−1)を改正することが予定されている旨、国税庁からコメントが掲載されています。
また、上記事例のようなケースでは、「一時所得」ではなく「雑所得」として取扱うことが相当として、“可能な範囲で是正を行うことが適当と考えています”とも記載がありました。
まずは、パブリックコメントを待つこととなります。
なお、判決文にご興味のある方は、こちらから確認することも可能です。
○平成26(あ)948 所得税法違反被告事件 平成27年3月10日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/934/084934_hanrei.pdf
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