作成日:2022/09/01
行き過ぎた「節税保険」に対する行政処分とその後の対応
弊社影山による「影山勝行の経営フォーラム」でも触れていましたが、外資系生命保険会社であるマニュライフ生命は、金融庁から“行き過ぎた「節税保険」”による初の行政処分を受けています。
○マニュライフ生命保険株式会社に対する行政処分について
そもそも、保険会社が開発販売する「節税保険」について、国は何度も封じ手を講じており、近年では2019年に通達改正をしています。
通達改正後はFAQが国税庁から公表されて、現在は改正後の通達に沿った実務を行っていますが、保険業界に対しては国税庁や金融庁から改正の周知や募集活動に関する注意喚起、監督等が行われていたものの、マニュライフ生命保険株式会社についていくつかの問題点が浮上し、結果的に金融庁は同社に対して業務改善命令を発出しました。
行政処分を受け、マニュライフ生命保険株式会社は、同社ホームページ上に、8月15日付で、業務改善計画を掲載しました。
その中で、現任の役員の責任とともに、退任した役員の責任も明らかにし、現任の役員には役員報酬の減額、退任した役員である2名については、退職金の任意での返還を要請することが明記されています。
○業務改善計画について
この2名に関しては、退任後はアフラックの役員に就任していましたが、一連の騒動を受けアフラックは、両者の降格処分を行いました。8月23日付の役員人事の中には、降格処分の内容とともに前職での退職金の自主返納をさせる旨が明記されています。
○役員人事について
「節税保険」は、販売している保険会社だけでなく、金融機関や税理士事務所など経営者の身近な相談先が関与しているケースも少なくありません。昨今、中々「節税保険」は難しいかと思いますが、“行き過ぎた「節税保険」”には十分ご注意ください。