作成日:2018/07/26
「国税庁レポート2018」と「骨太方針 2018」
今年も国税庁レポートが、同庁サイト上で公表されました。
○国税庁レポート 2018年度版
http://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/report/report2018/index.htm
2018年度で取組んできた内容や今後の取組などが掲載されています。
ところで、これにあわせて確認しておきたいものに、財務省が策定する「実績評価実施計画」と、政府が策定する「骨太方針」です。
いずれも毎年策定されており、それぞれのサイトで公表されています。
○実施計画、評価書(国税庁)
https://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/nta/index.html
○経済財政運営と改革の基本方針2018
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2018/decision0615.html
「実績評価実施計画」の平成30事務年度分はまだ財務省サイトで公表されていませんが、実績目標に変更はないでしょうから、引き続き次の観点で動いていくものと思われます。
- 内国税の適性かつ公平な賦課及び徴収
- 税務行政の適正な執行
- 納税者サービスの充実
- 適正な調査・徴収等の実施及び納税者の権利救済
- 国際化への取組
- 酒類業の健全な発達の促進
- 税理士業務の適正な運営の確保
経済財政運営と改革の基本方針2018〜少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現〜」(骨太方針)より
(5)税制改革、資産・債務の圧縮等
(基本的考え方)
デフレ脱却・経済再生を加速することにより、経済成長を実現し、税収増をより確実なものとする。また、公共サービスの産業化等を進め、経済活動に占める民間シェア向上による課税ベースの拡大等を通じた新たな税収増を生み出す。
急速な少子高齢化、働き方の変化など、経済社会の構造が大きく変化する中、持続的な経済成長を維持・促進するとともに、経済成長を阻害しない安定的な税収基盤を構築する観点から、税体系全般にわたる見直しを進める。また、真に必要な財政需要の増加に対応するための歳入改革努力209について、今後歳出改革を進める中で考慮する。
(税制改革)
個人所得課税や資産課税について、働き方改革や人生100年時代を見据え、再分配機能の向上や働き方の多様化への対応、格差の固定化防止等の観点から、累次の改正の効果も見極めつつ、引き続き丁寧に検討を進める。
企業に対し、これまで進めてきた成長志向の法人税改革の活用等により、賃上げや生産性向上への取組を促すとともに、租税特別措置について、毎年度、適用状況や政策効果を見極めながら必要な見直しを行う。
国際協調を通じた「BEPSプロジェクト」の勧告の着実な実施を通じて、グローバルな経済活動の構造変化及び多国籍企業の活動実態に即した国際課税制度の再構築を進めていく。あわせて、税務当局間の情報交換を一層推進する。
ICTの更なる活用等を通じて、納税者が簡便・正確に申告等を行うことができるよう納税環境の利便性を高めるとともに、社会全体のコスト削減及び企業の生産性向上を図る観点から、税務手続の電子化を一層推進する。グローバル化やICT化が急速に進展する中で、適正・公平な課税を実現し、税に対する信頼を確保するため、制度及び執行体制の両面からの取組を強化する。
また、国税庁レポート内で消費税率の引上げに伴う軽減税率制度の導入についてピックアップされていますが、骨太方針でも消費税率引上げ(軽減税率制度)実施の必要性とこれに伴う様々な反動への抑制措置などが記載されています。
なお、ICTに関しては、今年1月に掲げられた「デジタル・ガバメント実行計画」(1月16日eガバメント閣僚会議決定)も外せません。
○デジタル・ガバメント実行計画
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/egov_actionplan.pdf
○財務省デジタル・ガバメント中長期計画
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/e-j/dejigaba_chuchoki_keikaku/index.html
国税庁の動きは国の方針に基づき計画されていますから、方針とリンクしていて当然ですが、まずは骨太方針その他で国が描いた方針(骨太方針)を確認し、それをどのような方法で実現していくかの具体策を国税庁のレポートその他で確認なさるとよいでしょう。
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