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作成日:2017/09/06
スイッチOTC医薬品(セルフメディケーション税制) Q&Aが更新(9月1日時点)



 セルフメディケーション税制については、最近、対象品目の更新や、新しい医療費控除明細書のイメージなどご案内していますが、先日、9月1日現在のQ&Aが公表されましたので、こちらも確認しましょう。

 
 ○セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について
 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
 
 ○セルフメディケーション税制に関するQ&A(平成29年9月1日現在)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000176205.pdf
 
 前回は、1月27日現在のものが公表されていました。その際は、Q17が追加されたことをご案内しています(今回の更新でQ17 →Q27 になりましたが)。

 今回の更新分では、以下の10項目が更新されています。
 いずれも、セルフメディケーション税制を適用するための要件の1つである「一定の取組」に関するものです。

【「一定の取組」(健康診査等)の証明について】
Q8 「一定の取組」にかかった費用も、所得控除対象となりますか 。
Q9 所得控除の申請者子どもが予防接種を受けた場合、当該予防接種は「一定の取組」に該当しますか。
Q10 租税特別措置法施行令第26条の27の2第1項規定に基づき厚生労働大臣が定める健康の保持増進及び疾病予防へ取組(平成28年厚生労働省告示第181号。以下「告示」という。)第3号の定期健康診断には、採用時健診は含まれますか。
Q11 告示第5号の市町村が実施するがん検診には、どのような検診が該当しますか。
Q13 Q12 で「申請者が任意に受診した健康診査(全額自己負担)は、一定の取組」に含まれないとされていますが、当該健診結果を保険者や事業主に提出し、特定健康診査や定期健康診断の結果とみなされる場合には「一定の取組」に該当しますか。
Q15 勤務先の定期健康診断を受診したが、領収書や結果通知表に、「定期健康診断」又は「勤務先(会社等)名称」の記載がない場合や、特定健康診査を受診したが、領収書や結果通知表に、「特定健康診査」又は「保険者名」の記載がない場合は、勤務先や保険者に「一定の取組」を行ったことの証明を依頼する必要があるとされています(Q14参照)。厚生労働省のHPに、証明依頼書の様式が掲載されていますが、証明を依頼する場合は、必ずこの様式を使用しなければならないのですか。
Q16 健診実施主体である勤務先、保険者等が「健康診査実施済証」等、結果通知表や領収書の他に健診が実施されたことがわかる書類を発行している場合、当該書類を「一定の取組」を行ったことの証明書類として使用できますか。
Q17 確定申告を行う際に、「一定の取組」を行ったことの証明書類として、予防接種済み証を提出する場合は、原本ではなく写しでも良いですか。
Q18 告示第2号のインフルエンザワクチンの任意接種について、保険者が補助を実施している場合、保険者に、「一定の取組」を行ったことの証明書の発行を依頼することはできますか。
Q20 特定保健指導を中断した場合は「一定の取組」を行ったものとみなされますか。


 上記について簡単に解説しますと、次のとおりです。
  • 「一定の取組」とは申告者本人が一定の健診や予防接種等を行った場合を指しますので、申告者本人以外が「一定の取組」を行ったとしても、本人が行わなければそもそもこの税制を本人が受けることはできません(Q9)。また、特定保健指導は終了した場合のみ「一定の取組」を行ったものとみなされ、中断した場合にはみなされません(Q20)。
  • この「一定の取組」には、採用時健診も含まれ(Q10)、「一定の取組」に含まれる“告示第5号の市町村が実施するがん検診”とは、国の指針に基づく胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5項目に限られており、市町村サービスによって対象年齢や項目が拡大されている部分は対象外です(Q11)。
  • この他、本人が全額負担した健診は原則「一定の取組」には含まれないものの、勤務先等に証明書(基本的に厚労省のひな型を利用しますが、記載項目さえ満たしていれば別様式でも可能(Q15)。)を発行してもらえば「一定の取組」に含めることができます(Q13)。他方、インフルエンザワクチンの任意接種について保険者が補助を実施することに伴い当該保険者が証明書を発行しても、これは含まれません(Q18)。あくまでも、インフルエンザワクチンの任意接種は領収書(原本)を提出します。
  • セルフメディケーション税制はOTC医薬品の購入対価が控除対象であるため、「一定の取組」を行うための費用、具体的には健診や予防接種の費用は控除対象になりません(Q8)。
  • 証明書類として、記載3項目さえ満たせば、結果通知表や領収書でなくても認められます(Q16)。
  • 証明書類は、結果通知表以外は全て原本提出です(Q17)。

 「一定の取組」は、セルフメディケーション税制を適用するためのハードルとなることから、今回更新された内容は必ず確認しておきましょう。

 なお、この「一定の取組」としての具体的な例は、上記Q&AのQ7に次のように記載があります。あわせてご確認ください。
  • 保険者(健康組合、市町村国等)が実施する診査人間ドック各種健(検)診等
  • 市町村が健康増進事業として行う健康診査(骨粗鬆症検診、生活保護受給者等を対象とする健康診査等)
  • 予防接種(定期又はインフルエザワクチンの予防接種)
  • 勤務先で実施する定期健康診断(事業主健診)
  • 特定健康診査(いわゆるメタボ健診又は特定保健指導
  • 市町村が実施するがん検診
    ※ 市町村が自治体の予算で住民サービスとして実施する健康診査は対象になりません。



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