作成日:2024/11/13
租税の徴収不足 3億円強 会計検査院
先日、会計検査院が令和5年度決算検査報告を内閣に送付した件をご案内しました。
その際は、特徴的な案件の中から、「相続等により取得した財産のうち取引相場のない株式の評価」について確認しました。
今回は、検査の結果のうち「不当事項」の中から、租税の徴収不足について確認しましょう。
○令和5年度決算検査報告の概要
令和5年度では、租税の徴収不足として、336,020,184円報告されています。
そのうち最も多い税目が法人税145百万円、次いで申告所得税82百万円、消費税52百万円と続いてます。
主な税目別の主な指摘事項は、次のとおりです。
- 源泉所得税:
- 退職手当に対する税額の計算に係る勤続年数の誤り
- 自己株式の取得によるみなし配当に係る源泉所得税額が過小
- 申告所得税:
- (譲渡所得)取得費加算の特例の計算誤り(譲渡収入金額が取得費等の合計額に満たない場合の取扱いミス)
- (事業所得)28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物について、定額法なのに定率法に基づいて減価償却費計算
- (不動産所得)消費税税込経理先について、消費税の還付金を総収入金額に算入していなかった
- 法人税:
- (賃上げ促進税制)雇用者給与等支給額<比較雇用者給与等支給額、なのに適用していた
- (交際費課税)資本又は出資を有しない法人の資本金相当額が1億円を超えるのに1億円以下である場合の規定を適用
- (留保金課税)無議決権株式所有分を含めて特定同族会社の判定を行っていた
- 相続税・贈与税:
- 相続税額の加算の適用漏れ(相続人が被相続人の妹等なのに適用していなかった)
- 法定相続分の算定ミス(半血兄弟姉妹の代襲相続人の法定相続分を全血兄弟姉妹の代襲相続人と同等としていた)
- 消費税:
- 課税売上割合の算定ミス(非課税売上高である集団投資信託の収益分配金等を総売上高に含めないで課税売上割合を計算)
- 課税売上高の計上漏れ(事業用建物の譲渡収入の計上漏れ)
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