作成日:2022/03/09
中小企業の廃業時にフォーカスをあてた「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方の公表
中小企業が借入れをする際に、経営者個人の保証(以下、経営者保証)が必要となる場面があります。
経営が順調であればよいのですが、そうでない場合や経営者の相続が発生した場合、新規事業を始めたいときなど、この経営者保証について様々な課題・弊害が存在しています。そうした課題を解消等するために、『経営者個人の保証に関するガイドライン』が2013年に策定・公表され、その翌年の2014年2月より適用が開始されています。
この『経営者個人の保証に関するガイドライン』を適用するには、次の3つの要件すべて又は一部を満たす必要があります。
- 法人と経営者との関係の明確な区分・分離
- 財務基盤の強化
- 財務状況の正確な把握、情報開示等による経営の透明性の確保
その一方、『経営者個人の保証に関するガイドライン』を適用することにより受けられる可能性のある主なメリットは、次の通りです。
- 経営者保証なしで新規融資を受けられる可能性がある
- 経営者保証の解除ができる可能性がある
- 債務整理する方は一定の要件を満たせば、自宅や生活費等の資産を残せる可能性がある
いずれも“可能性がある”としており、必ず享受できるメリットではない点に、留意する必要はあります。
この『経営者個人の保証に関するガイドライン』を適用した実績は、中小企業庁のサイトで公表されています。
○政府系金融機関及び信用保証協会におけるガイドラインの活用実績
ここでは、
- 経営者保証に依存しない新規融資の割合
- 経営者保証の提供状況
- 活用実績
などが公表されています。
また、直近では、中小企業の廃業時に焦点を当てた「廃業時における『経営者保証に関するガイドライン』の基本的考え方」が3月4日に公表されています。
○廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方の公表について
新型コロナウイルス感染症だけでなく、ウクライナ情勢による原油価格の高騰などで、非常に苦しい経営に迫られている経営者もいらっしゃることと思います。
間接的な余波で今後経営に打撃を受ける可能性もあるため、こういったガイドラインが適用できる体制を整えておくことも肝要です。
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