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作成日:2019/06/25
平成30年度 再調査・審査請求・訴訟の概要 国税庁



 先日、査察についてご案内しました


 ところで、通常、税務調査があったときに、処分庁からの指摘に納得できず納税者側が修正申告に応じなかった場合、税務署であれば税務署長名で更正(決定)の処分が出されます。このときに、納税者側がとることができる手段としては、処分庁側への再調査請求あるいは国税不服審判所長への審査請求となります。いわゆる「不服申立制度」です。これらの手続きを行ってもなお納税者側が納得できない場合には、最終的には裁判所に対して訴訟を提起することになります。

 
 これら一連の申立等手続きに関する平成30年度分の概要が、国税庁サイト上で公表されました。
 
 ○平成30年度における再調査の請求の概要(令和元年6月)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/saichosa/index.htm
 ○平成30年度における審査請求の概要(令和元年6月)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/shinsa/index.htm
 ○平成30年度における訴訟の概要(令和元年6月)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/sosho/index.htm
 
 平成30年度の発生数をみると次のとおりです。
  • 再調査:
     平成28年3月まで「異議申立」といわれていたものになりますが、この再調査件数が、この3年で最も高く2,043件(対前年度比12.6%増)でした。 増加した大きな要因は、消費税等と申告所得税等の増加です。
     再調査の請求を行われると、税務署長等が却下・容認等を行いますが、そのうち全部・一部あわせた容認割合は、前年度と同様の12.3%と、2年連続で10%台をキープしています。
  • 審査請求:
     6年ぶりに3,000件を超え、3,104件(同比5.1%増)となりました。
     審査請求は、再調査の請求を経なくとも直接できます(直審、といいます)が、全体でも税目別でも直審の割合が高く、平成30年度では63.1%(同比5.3%減)でした。
     審査請求は、原則1年以内の裁決となっているため、ほぼ前年の発生数が処理件数としてあがっています。
     なお、容認件数は再調査よりも低く、全部・一部あわせた容認割合は7.4%となっており、厳しい現状がうかがえます。
  • 訴訟:
     最後の不服申立の方法として、訴訟があります。
     平成30年度では、前年と同様に200件を下回った181件と、過去10年で最も少ない発生件数です。
     また、国が全部・一部あわせた敗訴割合は3.4%と、こちらも過去10年で最も少ない割合です。
     ちなみに過去10年で最も高かったのは、平成23年度の13.4%、次いで29年度の10.0%です。その他の年度は大抵6〜7%前後で推移しており、30年度の次に低いのは28年度の4.5%になります。こちらも、審査請求と同様、納税者側の主張が認められるのは“極めて稀”、といえるのではないかと思われます。

 詳しいことは、上記URLよりご確認ください。





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