作成日:2014/11/11
母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査は、医療費控除対象外
日本では、母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(正式名称:無侵襲的出生前遺伝学的検査、略称:NIPT)を希望する一定の条件を満たす妊婦について、NIPT検査実施施設において遺伝カウンセリングを通じ、NIPT検査を行うことができます。
この場合の一定の条件を満たす妊婦とは、NIPTコンソーシアムのサイトによれば、現状次のいずれかに当てはまる妊婦とされています。
- いわゆる高齢出産といわれている分娩時年齢35歳以上
- 染色体疾患(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーのいずれか、以下同じ) に罹患した子を妊娠、分娩した経験がある
- 胎児が染色体疾患に罹患している可能性の上昇を指摘された
この検査費用は高額で、ある施設によれば約21万円と表示されています。
妊娠や出産に係る費用は医療費控除の対象とされていることから、この検査費用も医療費控除の対象となるかどうかの判断に迫られる方もいらっしゃることでしょう。
この検査費用の取扱いについて、国税庁サイト内で公開されている質疑応答事例で新規に掲載されました。
○母体血を用いた出生前遺伝学的検査の費用
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/05/80.htm
結論は、医療費控除の対象とはならない、とのことです。
理由は、健康診断の結果により治療を施した場合にはその健康診断費用も医療費控除の対象となることを取り上げた上で、NIPT検査を行った結果、3つの染色体の数的異常症が検出されたとしても、その後何らの治療を施すことがあるわけではないから、というものでした。
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