作成日:2025/01/17
経産省と財務省にダメ出し? 教育訓練費の上乗せ措置の妥当性を検証 会計検査院
1月15日、会計検査院のサイトに、賃上げ促進税制にかかる教育訓練費の上乗せ措置の適用状況、検証状況等についての報告書が掲載されました。
○会計検査院法第30条の2に基づく国会及び内閣への随時報告
教育訓練費の上乗せ措置(上記報告書では、教育訓練費に係る上乗せ税額控除)について、平成30年度から令和3年度を対象に、会計検査院による検証が行われています。
そもそも、教育訓練費の上乗せ措置は、教育訓練費増加割合が一定以上である場合に、給与等支給増加額の一定割合を上乗せできる、というものです。
このように適用要件と税額控除の計算のベースが異なっている異例の措置である点に注目し、教育訓練ストックの回帰係数を基に教育訓練費が増加した場合の給与等支給増加額を算出。これに対する上乗せ措置分を試算して、実際の上乗せ分の税額控除額と比較。
その結果、実際に適用された税額控除額との開差が大きく(合計157億円)、「政策目的である給与等の増加を促すために税負担の軽減を行う措置として、適切なものとなっていないおそれ」があるとする報告書となっています。
また、関係省庁が行う政策評価に基づく評価状況についても検査し、経済産業省(中小企業庁)と財務省における検証等の状況について、3つの検証状況から検査を行い、いずれも甘いものであることを指摘。それぞれに対して所見を述べています。
会計検査院からの指摘であることから、今後の改正に影響を及ぼす(=見直しの)可能性も考えられます。お時間のある時に一読されておかれるとよいでしょう。